悪女退治は突然に


……本当にアイツを―枸幹アカネを入部させないで良かった。態度が見るからに真剣じゃなくて、別の何か目当てって感じだったよな。というか男目当てとか本当に巫山戯んな、こちとら真剣にやってんだよボゲ。

「神谷……枸幹アカネに文句言ってもいい?」

「好きにしろ。」

「あ、有り得ない、何なのよコレ!何で色白ドブスに私が追い詰められているのよ!?あっ、分かった、あんたイカサマしたでしょ!?私の方が美人で可愛くて自分は勝てないからって最低よ!この卑怯者!!」

「そうだそうだ、この卑怯者!」

「想天の令嬢だからって何してもいいのかよ!?」

「さっさと負けろよ!」

「このインチキ女!」

「あのさぁ……君達、本当に馬鹿なの?詠導はイカサマなんてしてないし、単純に後先考えずSCしたり手札削ったツケが回っただけでしょ。ただでさえダークイレギュラーズは手札の消費が激しくて、ドローソースが他のクランより少ないのに……君、もしかして素人?」

「そ、そんなこと、無いもん!そんなこと言うなんて、酷いよぉぉ!」

「おい!アカネちゃんの悪口言うな!」

「いじめなんて卑怯だぞ!!」

「そうだそうだ!」

「アカネちゃんは可愛いから別にいいんだよ!」

「……ホンっと、侍らせる奴がクソなら、それにホイホイ釣られる君達もクソだよね。こんな見た目だけよくて、中身三下以下のクソ下水のクソ女に貢ぎたいとかよく思えるね。俺が君達の立場になるなら、詠導に仕えたいし。」

『何を仰っていらっしゃる?』

「後半は何言っているか分かんねぇけど、全体的に叶音の意見には賛成だわ。」

「が、外野のくせに一々騒がないでよ!ふんだ!このターンで私が勝つんだから、別にいいの!」

「頑張れーアカネちゃん!」

「そんな奴早く負かしてやれ!」

「記憶喪失の想天の令嬢なんて敵じゃねーよ!」

「インチキ女なんてぶっ潰しちゃえ!」

「っ、アイツ等、いい加減に―」

「落ち着けよ綴木。あんな脳味噌米粒の連中に一々構うことないよ。それに……詠導は負ける気、更々無さそうだけど?」

叶音がそう言った後に詠導を見る。アイツの目に諦めの文字は無い。あるのはこのファイトに勝つという強い情熱だけだ。

『ハッ、随分言ってくれんじゃねーの!罵声や怒声なんざ上等だよ!こちとらテメー等の勝手なイメージなんざ知らねぇ!これがあたし、詠導ミクだッ!!』

「(なんだよ、アイツ……そこら辺の男よりも漢前じゃねぇの。)いいぞー!凌いで逆転しちまえ、想天の…いいや、詠導ミク!!」

「頑張れー、詠導さーん!」

「ほむーー!!」
訳:やったれーー!! (⁠・⁠∀⁠・⁠)/ヤーー!!



胸が熱い……全身の血が沸騰するくらいの熱さを感じたのは、コウにヴァンガードを勧められ、アイツに初めて勝った時以来だ。
他人を簡単には信用出来ない……けど何故だろう。アイツなら……詠導ミクなら、信じられるって思えるんだ。


「(詠導ミクなら、きっと…………)やってやれぇぇ!詠導ッ!!」

『っ!?』

「神谷君!?」

「マジかよ、ユタがあんな叫ぶなんて……!」

「ふーん……。(神谷ってそんな顔出来るんだ。)」

「私が……私が、負ける?認めない……認めて、たまるかよォォ!」

『はぁ……お前、さっきから自分が主人公だのハーレムだの、何の話してんだ?最近流行りのアニメに便乗すんのがマイブームか何かか?』

「うるせぇんだよ色白ドブスがぁ!このターンで私は勝つの!私がこの世界の主人公なの!この私が、主人公の私が勝つの!だってそうじゃなきゃ可笑しいもん!だって、だってだってだってだってだってぇぇ!私が!この世界の!主人公なんだよぉぉぉ!!」

うわぁ……アイツ、マジで何か患ってねぇか?もしかして、ヤベェ方のクスリでもヤッてんのか?枸幹の取り巻き達も何か引いてるし……良かったな。被害に遭う前に現実見れて。

「私のターン!このターンでぶっ潰してやる!ノーライフキング・デスアンカーにライド!イマジナリーギフト・プロテクトⅠ!デスアンカーのスキル、SC1し、ソウル1枚につき自身のパワー+2000!私のソウルは15枚、よってパワー+30000!ドリーンのスキル、自身のパワー+5000!純愛のスキル、自身のパワー+5000!キラーテイルのスキル、ドロップのエンブレムをソウルに!ドリーンのスキル、自身のパワー+5000!」
手札:4枚 ソウル:16枚
純愛のパワー:13000
ドリーンのパワー:16000
デスアンカーのパワー:44000

「ブースト無しでパワー40000超えとかアリかよ!?」

「詠導さん……!」

「ほ、ほむ……!」
訳:エライコッチャ……! (;´Д`)アワワワ……

「これで本当に終わりよ!純愛のブースト、シャットアームでVにアタック!スキルで自身のパワー+6000!」
パワー:28000

『…………ゲット、ヒールトリガー。ダメージは回復しないけど、パワーはVに。』
ダメージ:4 ダメージゾーン:スケーリング、サリエル、クリティカルヒット、サニースマイル(治)
レミエルのパワー:22000

「その程度焼け石に水なんだよ!デスアンカーでVにアタック!」

『ノキエルで完全ガード!』
手札:4枚 捨てたカード:プロテクト

「ツインドライブ!1枚目……2枚目……チッ!ノートリガー…!」
手札:6枚 ツインドライブ:デスアンカー、純愛

『ふう……。』

「ま、まだ終わりじゃないわよ!デスアンカーのスキル、アタックしたバトル終了時、CB1と手札1枚と他のRを3枚ソウルに置き、ソウルからグレード3以上に【スタンド】でスペリオルライドする!シャットアーム、純愛、キラーテイルをソウルに置き、ソウルからデーモンイーターにスペリオルライド!そしてデーモンイーターのクリティカル+1!イマジナリーギフト・プロテクトⅠ!ドリーンのスキル、自身のパワー+20000!」
手札:6枚 ソウル:20枚
手札からソウルに置いたカード:ブリッツ・リッター 裏にしたカード:純愛
デーモンイーター ☆2
ドリーンのパワー:36000

「またVでアタックだと!?」

「しかもプロテクトまで……!」

「ほ、ほむぅ……!」
訳:や、やばい……! (⁠(⁠(⁠;⁠ꏿ⁠_⁠ꏿ⁠;⁠)⁠)⁠)

「ドリーンでアタック!」
パワー:36000

『………ノーガード。』
ダメージ:5 ダメージゾーン:スケーリング、サリエル、クリティカルヒット、サニースマイル、ハイジーニスト

「アハハハ!これで終わり、終わり!デーモンイーターでVにアタック!スキル発動!CB1と他のRを1枚ソウルに置き1枚ドロー、自身のパワー+10000!さらにSB10することで、相手はこのアタックに対し、守護者でガード出来ない!堕ちろぉぉぉ!!」
手札:7枚 裏にしたカード:ポイゾナー

『……………フッ。』

「なに、笑って……!」

『コレくらいで、あたしは堕ちねぇんだよ!!ベリフルメッズ、ピンキー・デンチュリストでガード!ラグエルでインターセプト!』
シールド:47000

手札を2枚残してこの余力。枸幹はツインドライブでトリガーは引けず。そして……


『あたしのターン!起動病棟 フェザーパレスをコール!メタトロンのスキル、サニースマイルを山札の下に置き、Vに1ダメージ!ダメージチェック、ノートリガー!さあ、反撃じゃぁぁ!イオフィエルのブースト、メタトロンでVにアタック!』
パワー:20000

「独眼のサキュバスでガード!これでダブルトリガーでも通らない!次のターンでぶっ潰してやる!!」
手札:8枚
シールド:42000

『…ツインドライブ!ファーストチェック……セカンドチェック……ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てハイジーニストに!!』
手札:4枚 ツインドライブ:レミエル、ピンキー(☆)
ハイジーニストのパワー:42000 ☆2

「はっ………はあああああっ!?」
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