素直な言葉
NO SIDE
強力な力を得た人狼の選手が、兄と慕っていた人を喪い竜魔導の道に投じたエルフの青年へ襲い掛かる。
もうどうにもならないと諦念を抱いた青年の前に現れたのは……
色とりどりの花弁が舞う風の防御魔法。その源となっているのは、アルボロスの加護を受けし花乙女とお供であるトークン達。
乙女達の隣には、両手を前に出している出穂の乙女と褐色肌のエルフが共に防御魔法を展開する。
「な、なんだよ……このイメージは!!」
「嘗めプの代償はデケェって相場だろうが。アルボロスの恵風 アイネのスキル、Gに登場した時、ドロップから他のアルボロスを含むカードを1枚ソウルに置くことで、プラント・トークンを2枚までGにコール する。“聖樹”のスキルで俺がコールするプラント・トークンは常に強化された状態、つまりシールド10000が2枚。更にアイネはアルボロスを含むソウルが2枚以上なら、自身のパワーとシールド+5000。更にエニファとホーティカルチャーでガード!!」
手札:1枚 ソウル:3枚
ソウルに置いたカード:“樹”
シールド:68000
ドロップ:5枚(トリガー4枚)
最後の笛は鳴らない。悔しさに顔を歪ませながらチハヤはターンエンドを宣言。しかし圧倒的な不利には変わりないとユタを嘲笑う。手札は1枚、リアガードも中央と右後列のプラント・トークン以外には居ない。
そしてこう言い放った―雑草 に逆転勝利 は不可能だと。
「……身の程なんざ、嫌ってほど知ってんだよ。それでもな……俺を慕って、信じて、ケツ叩いて、背中追い掛けてくれる奴等がいる。テメーみたいなイキリ野郎に尻尾巻いて逃げるとか、ダッセェ真似なんざ出来るかよ」
「ハッ、負け惜しみかよ!最後は運任せじゃねぇかッ!!」
「……運ってのはな、最後の最後まで諦めないヤツが掴めるモンだよ。咲き乱れろ、未来に繋ぐ新たな生命と共に!開花する出会い ハーデンベル・ドラゴンにライド!イマジナリーギフト・フォースⅡを左前列に!」
手札:1枚 ソウル:4枚
ダメージ:3(裏のカード:0)
フォースの配置:左前列×1、中央前列×1
山札:32枚 ドロップ:8枚(トリガー4枚)
誇らしく降り立った小町藤 の化身の竜。それに対峙するは、兵達を率いる蒼翼を持つ竜。
「それがあんたの隠し玉っぽいね……でもさ、俺の手札の枚数分かって言っている?手札は8枚、インターセプトも可能。それにチハヤの手札には3枚のトリガー。防げるわけが―」
「ハーデンベルのスキル、プラント・トークンすべてにアタックした時自身のパワー+10000にするスキルを与え、グレード0のRすべては、後列からアタックが可能になる。更にスキル発動!ドロップのフラワーカーペットとアイネを山札に戻してシャッフルし、山札の上から5枚見て、2枚までRにコール……俺がコールするのはダンガン・マロンとフルーツアソート・ドラゴンをコール!コールされたユニットすべてとハーデンベルのパワー+15000!トリガーユニットをコールしたならCB1、そのトリガー効果を発動し、そのパワーとクリティカルを後列すべてに与える!フルーツアソートのスキル、グレード0のRの元々のパワーを自身に加える!」
手札:1枚 ソウル:4枚
裏にしたカード:エニファ
フルーツアソートのパワー:53000 ☆2(スキル込み)
ダンガン・マロンのパワー:30000 ☆2
ハーデンベルのパワー:28000 ☆2
プラント・トークン達のパワー:20000 ☆2
山札:32枚 ドロップ:6枚(トリガー4枚)
「嘘でしょッ!」
「グレード0のRは後列からアタックだと!?なんだよ……こんなイメージ、俺は知らねぇぞッ!!?」
「目の前の相手 を見やしないヤツに負ける程、咲神高校ヴァンガード部は、天音ルインの後釜は甘かねぇんだよッ!忠節の灯光 ヨーナをコール!スキルでCB2、他のグレード1以下のRを2枚選び、このターン中、選んだR2枚の元々のパワー分増やす!選ぶのは中央後列と右後列のプラント・トークン!」
手札:0枚 裏にしたカード:“若枝”、ダンガン・マロン
プラント・トークン達のパワー:30000 ☆2
ヨーナが持つホタルブクロを模したランタンの優しい灯りが、プラント・トークン達の更なる成長を促す。……モフモフ仮面がブリッジしながら「御猫様バンザーーーイ!!!」と奇声を発するイメージがユタとコウの頭に浮かんだ。
≪ハーデンベルとヨーナのスキルでパワーアップしたグレード0のR達!これにより神谷選手は5連続攻撃が可能!しかもヨーナ以外のユニットのクリティカル2!碧紫の歌劇団、かなりのプレッシャーだァァァ!!≫
≪小さき者の底力は、計り知れないのであーーる!!!≫
「フルーツアソートでVにアタック」
パワー:53000 ☆2
「ノーガード……ダメージチェック…ノートリガー!!」
手札:9枚
ダメージ:4(合計ダメージ:8) ダメージチェック:ファウロス、ネイブルゲイザー・ドラゴン
Vのパワー:22000
山札:枚
「ハーデンベル・ドラゴンでVにアタック」
パワー:28000 ☆2
「通さない!バトルシップ・インテリジェンス、アルゴスでガード!シメオンとファウロスでインターセプト!」
手札:6枚 シールド:42000
「ここまで来て負けられるかよッ!ポーリーンでガード!」
チハヤの手札:6枚 シールド:47000
トリガー2枚で貫通が可能。ツインドライブの1枚目は“聖樹”。よってハーデンベルのアタックは通らないことが決まり安堵するチハヤとマシロ。それでも勝利をこの手に引き寄せると内心気合を入れ直すユタ。彼が引いた2枚目のカードは……
善隣の騎士 ボリス―ドロートリガー。トリガー効果はヨーナに与え、そのヨーナでインテンスサージにアタック。そのアタックはマカリオスでガード。
「右のプラント・トークンでVにアタック。スキルで自身のパワー+10000」
パワー:40000 ☆2
「負けられねぇんだよ…俺は、俺達は、ココで終われねぇんだ!サイレンス・ジョーカーでガード!」
チハヤの手札:5枚 シールド:27000
「チハヤ……コーラル・アサルト、バジリアでガード!」
手札:4枚 シールド:42000
「中央のプラント・トークン。スキルでパワー+10000」
パワー:40000 ☆2
「ソニック・ブレイカー、キャメロンでガード!」
チハヤの手札:3枚 シールド:42000
「……これで終わりだ。ダンガン・マロンで、蒼翼竜 インテンスサージ・ドラゴンに…アタックッ!!」
パワー:30000 ☆2
「(ダメだ……シールド値が足りねぇ……ッ!)……マシロ、さっきあんな事言って…ごめんな……最低だよな、俺ッ」
「……うーうん。俺も、ごめん……役立たずだ……」
「……なあ、マシロ。俺……多分あのチーム抜ける。グダグダ言われてネチネチ弄られるとか、そっちの方がくそダセェ」
「そっか……なら俺もやめる〜。チハヤのいない場所なんてつまんないし、俺にベタベタ触るヤツいるしやーめた」
「……皮肉だよな」
「んーー?」
ガキみたく必死に手を伸ばした先にあったのは、俺が一人で描いていた「ありもしないモン」だったんだ。
ダメージゾーンに置かれたのはニコロスとパスカリス。最後のダメージゾーンを見てマシロは「遅いよバカ……」と力無く呟いた。タラレバやもしもを言ったところで、自分達の敗北は揺るぎ無い事実だ。
「勝者、咲神高校ヴァンガード部、綴木コウ!神谷ユタ!」
≪咲神高校ヴァンガード部!栂芽の傘下の1つである碧紫の歌劇団を下し、決勝戦へ進出!これにより咲神高校ヴァンガード部、準優勝か優勝の成績を収めることが確定しました!!≫
≪またしてもジャイアント・キリング!決勝戦はとんでもない展開、間違いなしですねぇぇ!!!≫
「紫峰…………」
「……神谷。八つ当たりして悪かった。ごめんな」
「……自覚はあったんだな。ゴール馬鹿の癖に」
「神谷テメー俺のことなんだと思ってやがる!!」
「今も昔もゴールしか見ないただのゴール馬鹿」
「コノヤロー!!」
「もしかしてチハヤって昔から結構単純なの〜?」
「単純も単純。ゴール馬鹿だから」
「お前等表出ろ!!お前等でサッカーしてやる!!」
「そもそもここが表だっての」
「やっぱりゴール馬鹿だな」
「うるせぇ!馬鹿馬鹿言うなァァァッ!!」
騒がしい終わり方であるが、どこか懐かしさを思い出すコウ。
昔のように……とはいかないが、先程自分が思った結論は誤りだったと考えを改める。
紫峰チハヤは、あの頃から何も変わらない。
それでも自分は振り返らない。サッカー部での因縁は、自分の手で終わらせたのだ。
「綴木!絶対優勝しろよ!」
「当たり前だ!!」
「んー……まあ、頑張れ〜」
「……どうも」
互いを認め合うように固い握手を交わすチハヤとコウ。マイペースぶりは崩さずに応援するマシロ、それを不器用ながらも受け取ったユタ。
最高潮の空気のまま、エクリプスは声高らかに宣言した。
≪これより1時間後に、メルティクルーシブル決勝戦を開催します!会場の皆様、彼等の勇姿をとくとご覧あれ!!≫
≪刮目せよーーー!!≫
「「「ウォォォォォーー!!!」」」
雌雄決する時は、近い。
続く
強力な力を得た人狼の選手が、兄と慕っていた人を喪い竜魔導の道に投じたエルフの青年へ襲い掛かる。
もうどうにもならないと諦念を抱いた青年の前に現れたのは……
色とりどりの花弁が舞う風の防御魔法。その源となっているのは、アルボロスの加護を受けし花乙女とお供であるトークン達。
乙女達の隣には、両手を前に出している出穂の乙女と褐色肌のエルフが共に防御魔法を展開する。
「な、なんだよ……このイメージは!!」
「嘗めプの代償はデケェって相場だろうが。アルボロスの恵風 アイネのスキル、Gに登場した時、ドロップから他のアルボロスを含むカードを1枚ソウルに置くことで、プラント・トークンを2枚まで
手札:1枚 ソウル:3枚
ソウルに置いたカード:“樹”
シールド:68000
ドロップ:5枚(トリガー4枚)
最後の笛は鳴らない。悔しさに顔を歪ませながらチハヤはターンエンドを宣言。しかし圧倒的な不利には変わりないとユタを嘲笑う。手札は1枚、リアガードも中央と右後列のプラント・トークン以外には居ない。
そしてこう言い放った―
「……身の程なんざ、嫌ってほど知ってんだよ。それでもな……俺を慕って、信じて、ケツ叩いて、背中追い掛けてくれる奴等がいる。テメーみたいなイキリ野郎に尻尾巻いて逃げるとか、ダッセェ真似なんざ出来るかよ」
「ハッ、負け惜しみかよ!最後は運任せじゃねぇかッ!!」
「……運ってのはな、最後の最後まで諦めないヤツが掴めるモンだよ。咲き乱れろ、未来に繋ぐ新たな生命と共に!開花する出会い ハーデンベル・ドラゴンにライド!イマジナリーギフト・フォースⅡを左前列に!」
手札:1枚 ソウル:4枚
ダメージ:3(裏のカード:0)
フォースの配置:左前列×1、中央前列×1
山札:32枚 ドロップ:8枚(トリガー4枚)
誇らしく降り立った
「それがあんたの隠し玉っぽいね……でもさ、俺の手札の枚数分かって言っている?手札は8枚、インターセプトも可能。それにチハヤの手札には3枚のトリガー。防げるわけが―」
「ハーデンベルのスキル、プラント・トークンすべてにアタックした時自身のパワー+10000にするスキルを与え、グレード0のRすべては、後列からアタックが可能になる。更にスキル発動!ドロップのフラワーカーペットとアイネを山札に戻してシャッフルし、山札の上から5枚見て、2枚までRにコール……俺がコールするのはダンガン・マロンとフルーツアソート・ドラゴンをコール!コールされたユニットすべてとハーデンベルのパワー+15000!トリガーユニットをコールしたならCB1、そのトリガー効果を発動し、そのパワーとクリティカルを後列すべてに与える!フルーツアソートのスキル、グレード0のRの元々のパワーを自身に加える!」
手札:1枚 ソウル:4枚
裏にしたカード:エニファ
フルーツアソートのパワー:53000 ☆2(スキル込み)
ダンガン・マロンのパワー:30000 ☆2
ハーデンベルのパワー:28000 ☆2
プラント・トークン達のパワー:20000 ☆2
山札:32枚 ドロップ:6枚(トリガー4枚)
「嘘でしょッ!」
「グレード0のRは後列からアタックだと!?なんだよ……こんなイメージ、俺は知らねぇぞッ!!?」
「目の前の
手札:0枚 裏にしたカード:“若枝”、ダンガン・マロン
プラント・トークン達のパワー:30000 ☆2
ヨーナが持つホタルブクロを模したランタンの優しい灯りが、プラント・トークン達の更なる成長を促す。……モフモフ仮面がブリッジしながら「御猫様バンザーーーイ!!!」と奇声を発するイメージがユタとコウの頭に浮かんだ。
≪ハーデンベルとヨーナのスキルでパワーアップしたグレード0のR達!これにより神谷選手は5連続攻撃が可能!しかもヨーナ以外のユニットのクリティカル2!碧紫の歌劇団、かなりのプレッシャーだァァァ!!≫
≪小さき者の底力は、計り知れないのであーーる!!!≫
「フルーツアソートでVにアタック」
パワー:53000 ☆2
「ノーガード……ダメージチェック…ノートリガー!!」
手札:9枚
ダメージ:4(合計ダメージ:8) ダメージチェック:ファウロス、ネイブルゲイザー・ドラゴン
Vのパワー:22000
山札:枚
「ハーデンベル・ドラゴンでVにアタック」
パワー:28000 ☆2
「通さない!バトルシップ・インテリジェンス、アルゴスでガード!シメオンとファウロスでインターセプト!」
手札:6枚 シールド:42000
「ここまで来て負けられるかよッ!ポーリーンでガード!」
チハヤの手札:6枚 シールド:47000
トリガー2枚で貫通が可能。ツインドライブの1枚目は“聖樹”。よってハーデンベルのアタックは通らないことが決まり安堵するチハヤとマシロ。それでも勝利をこの手に引き寄せると内心気合を入れ直すユタ。彼が引いた2枚目のカードは……
善隣の騎士 ボリス―ドロートリガー。トリガー効果はヨーナに与え、そのヨーナでインテンスサージにアタック。そのアタックはマカリオスでガード。
「右のプラント・トークンでVにアタック。スキルで自身のパワー+10000」
パワー:40000 ☆2
「負けられねぇんだよ…俺は、俺達は、ココで終われねぇんだ!サイレンス・ジョーカーでガード!」
チハヤの手札:5枚 シールド:27000
「チハヤ……コーラル・アサルト、バジリアでガード!」
手札:4枚 シールド:42000
「中央のプラント・トークン。スキルでパワー+10000」
パワー:40000 ☆2
「ソニック・ブレイカー、キャメロンでガード!」
チハヤの手札:3枚 シールド:42000
「……これで終わりだ。ダンガン・マロンで、蒼翼竜 インテンスサージ・ドラゴンに…アタックッ!!」
パワー:30000 ☆2
「(ダメだ……シールド値が足りねぇ……ッ!)……マシロ、さっきあんな事言って…ごめんな……最低だよな、俺ッ」
「……うーうん。俺も、ごめん……役立たずだ……」
「……なあ、マシロ。俺……多分あのチーム抜ける。グダグダ言われてネチネチ弄られるとか、そっちの方がくそダセェ」
「そっか……なら俺もやめる〜。チハヤのいない場所なんてつまんないし、俺にベタベタ触るヤツいるしやーめた」
「……皮肉だよな」
「んーー?」
ガキみたく必死に手を伸ばした先にあったのは、俺が一人で描いていた「ありもしないモン」だったんだ。
ダメージゾーンに置かれたのはニコロスとパスカリス。最後のダメージゾーンを見てマシロは「遅いよバカ……」と力無く呟いた。タラレバやもしもを言ったところで、自分達の敗北は揺るぎ無い事実だ。
「勝者、咲神高校ヴァンガード部、綴木コウ!神谷ユタ!」
≪咲神高校ヴァンガード部!栂芽の傘下の1つである碧紫の歌劇団を下し、決勝戦へ進出!これにより咲神高校ヴァンガード部、準優勝か優勝の成績を収めることが確定しました!!≫
≪またしてもジャイアント・キリング!決勝戦はとんでもない展開、間違いなしですねぇぇ!!!≫
「紫峰…………」
「……神谷。八つ当たりして悪かった。ごめんな」
「……自覚はあったんだな。ゴール馬鹿の癖に」
「神谷テメー俺のことなんだと思ってやがる!!」
「今も昔もゴールしか見ないただのゴール馬鹿」
「コノヤロー!!」
「もしかしてチハヤって昔から結構単純なの〜?」
「単純も単純。ゴール馬鹿だから」
「お前等表出ろ!!お前等でサッカーしてやる!!」
「そもそもここが表だっての」
「やっぱりゴール馬鹿だな」
「うるせぇ!馬鹿馬鹿言うなァァァッ!!」
騒がしい終わり方であるが、どこか懐かしさを思い出すコウ。
昔のように……とはいかないが、先程自分が思った結論は誤りだったと考えを改める。
紫峰チハヤは、あの頃から何も変わらない。
それでも自分は振り返らない。サッカー部での因縁は、自分の手で終わらせたのだ。
「綴木!絶対優勝しろよ!」
「当たり前だ!!」
「んー……まあ、頑張れ〜」
「……どうも」
互いを認め合うように固い握手を交わすチハヤとコウ。マイペースぶりは崩さずに応援するマシロ、それを不器用ながらも受け取ったユタ。
最高潮の空気のまま、エクリプスは声高らかに宣言した。
≪これより1時間後に、メルティクルーシブル決勝戦を開催します!会場の皆様、彼等の勇姿をとくとご覧あれ!!≫
≪刮目せよーーー!!≫
「「「ウォォォォォーー!!!」」」
雌雄決する時は、近い。
続く
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