レアイベ発生!?
それでも……諦めるという選択肢は、春秋ギンジにはない。
あの日に「誓った決意」が、彼をそうさせるのだから。
春秋ギンジは馬酔木ヒイロ―基栂芽ヒイロの親友である。
出会いはギンジが小学4年生の時。地元のカードショップで開催された交流会。ギンジはファイトする相手を探すが中々見つからず途方に暮れていた。
そんな時ギンジはヒイロに声を掛けられた。
「ファイトしようぜ!」と。
切欠はそんな些細なことだったが、それ以来ギンジは休みの日に行きつけのカードショップでヒイロと過ごすようになった。
それに対しギンジの友人達は2人を咎めたり嫉妬したりせず、「1人の友人」として対等に彼等と接し、時にはヒイロとファイトしたりした。
ギンジが中学2年生のある日の夕暮れ時。ギンジは長年疑問に思っていたことをヒイロに尋ねた。
「あの……何で栂芽さんって、ギリギリまで帰らないんですか?毎日遅くまで帰らなかったら、流石に親も心配するのに……」
「………………」
「栂芽さん?」
「…………親は俺の心配なんかしねぇよ。俺は兄貴と違って出来損ないだからな」
「えっ?」
「親にとって自分達の子供は、自分達の顔の良さを全て受け継いで、頭の出来が良い兄貴だけ。俺やもう1人の弟が何処で何しようと周りからどう見られようが知らぬ存ぜぬ。声掛けるのなんて俺達が兄貴の足を引っ張っていると被害妄想ぶちかました時くらい。俺達みてぇな愚弟の存在はな、優秀で出来の良い兄貴の邪魔になるんだよ」
「はぁっ!?なんだよソレ!!意味分かんねぇ!!」
子どもながらにギンジは激昂した。自分の親
も口煩い時はあるが、それは自分や妹を心配してくれているからこその愛情の裏返し。
ヒイロの両親は彼の兄だけを贔屓しヒイロや彼の弟を無関心。言葉を選ばずに言うなら、無下に扱っているのだ。
「つーかヴァンガードは自由であるべきだろ。親は勿論、家や周りの奴等もドラゴンエンパイアのクラン以外使うなとか馬鹿くせぇこと言いやがって。その癖上手く使えねぇと人として扱わねぇとか、何時代の生まれだっての。最早化石だよ、生きる化石。現に俺や弟を人扱いしてねぇし」
「何だよそれ、巫山戯てんのかよ!!栂芽さんだって良いところやスゲーところ沢山あるのに、親の癖にそれすら見ねぇとか目ン玉腐ってんのかよ!!」
「お前が俺以上に怒ってどうすんだよ……でも、ありがとな。それに俺、中学卒業したら家を出るんだ。弟連れて」
「えっ……?」
「行く当てはあるし、あんなクソ下水な家なんざ1秒でもいたくねぇし、何なら今から出ていきたいくらい。でも……今はギンジがいるから、すっげーたのしい!!」
「ッ…!!」
「あと、今から俺のことさん付けで呼ぶの禁止な?敬語とかも要らねぇから!ヒイロでいい!!」
屈託のない笑顔を向けるヒイロ。これから訪れる自由と明るい未来を疑わない純真な光に溢れている。それはまるで……
「(太陽みたいだ)」
あの時から瞼の裏に焼き付いたヒイロの笑顔。親友を、あの笑顔を守りたい。例え周りのすべてが敵になったとしても、自分だけは彼の味方でいよう。そう決意した。
それなのに……現実は理不尽に、小さな幸せすらも奪っていく。
≪■■■兄!■■■兄!≫
≪はぁ、はぁ……大丈夫、か…■■■?≫
≪やだ!やだ!■■■兄、死んじゃっ、やだ!!あああ゙ああ゙ぁぁぁ!!!≫
≪えっ……ヒイロ…?≫
≪ギンジ……お前も、無事か……よかっ―≫
≪ヒイロ?……なあヒイロ、おい!ヒイロ!!ヒイロッッ!!!≫
「わたくしの勝利は決まったも同然!永蓮翠華に敗北なぞ有り得ませんのよ!」
イラーリアのパワー:48000 ☆4
マルティナのパワー:48000 ☆2(スキル込み)
サウルのパワー:30000 ☆2(スキルとフォースⅡ込み)
「…………巫山戯んな」
「はっ?」
「アイツの……ヒイロの居場所を土足で踏み荒らす馬鹿共は、俺達がゼッテー許さねぇ!!プロテクトで完全ガード!!」
手札:7枚 捨てたカード:フヨウ
山札:22枚 ドロップ:8枚(トリガー2枚)
激情のままに差し出した祝福。その完璧なる防御に顔を歪めるイラーリア。相対する満月の女神は優しい笑みを崩さずに空に佇んでいた。
ツインドライブで引いたのはミルッカとダニエル。パワーはサウル、クリティカルはイラーリアに与えられる。イラーリアのクリティカルは5、よってサウルとマルティナのパワーは+25000。マルティナのパワーは53000、サウルは45000と増えていく。
「(相手の手札にはプロテクトがない以上、後2回アタックを防げるわけがありませんわ!)よくここまで足掻けたことを褒めてあげますわ!ですが勝負は決まったも同然!マルティナでVにアタック!」
手札:5枚 ツインドライブ:ミルッカ、ダニエル(☆)
パワー:53000 ☆2
山札:23枚 ドロップ:12枚
「クサナギ、テトラ、レクタングルでガード!」
手札:4枚 シールド:57000
「大人しく敗北を受け入れなさいチームワイルドカード!これで終わりですわ!ミルッカのブースト、リコリスの銃士 サウルで、満月の女神 ツクヨミにアタック!」
パワー:66000 ☆2
「ホントに学習能力なさ過ぎなんだよテメーは!ノロイとハガクレでガード!ハガクレのスキル、ノロイのシールドを自身のシールド値に増加!合計シールドは72000、ガード成功だッ!!」
ヒサメの手札:4枚 ドロップ:19枚(トリガー7枚)
「な、な、なぁぁぁぁ!!!」
≪チームワイルドカード!ダメージ8まで追い詰められるも、タッグガードを駆使して銃士達の猛攻を止めたァァァ!次の春秋選手にターンが回るぞォォォ!≫
≪これぞタッグファイトの真骨頂!互いが互いを考えて勝利へ驀進!とんでもねぇ爆発力を秘めているのだーーー!!≫
エクリプスとモフモフ仮面の実況も相俟って会場が大いに盛り上がる。ギンジのターンを凌いだ先を見ているレンゲに対し、これで勝利を飾れると考えていたヒワは動揺を隠せずに狼狽えている。
「た、ターンエンド……そ、そんな、何故?だって、このターンで、私が勝利を飾る筈だったのに……いいえ。次のわたくしのターンで勝利を飾りますわ。わたくしは永蓮翠華のファイターなのよ!!」
手札:5枚 ソウル:4枚
ダメージ:1(合計ダメージ:6)
山札:23枚 ドロップ:12枚(トリガー1枚)
現実逃避にも聞こえるヒワの独り言。それを鬱陶しいと思いながらギンジはカードを引いた。
「俺のターン……(ツクヨミ。このファイト、ゼッテー勝つぞッ!!)」
手札:5枚 ソウル:6枚
ダメージ:5(裏のカード:3枚)
山札:22枚(戻した枚数:15枚) ドロップ:11枚(トリガー3枚)
≪ええ、勝ちましょう。未来を照らす光はここにあるのですから≫
「(えっ……?)」
ギンジは引いたカードを見る。そこにあったのは……
親友 と戦う為に選んだ、美しき満月の女神だった。
「(今の声……ッ、考えるのは後だ!)もう一度、満月の女神 ツクヨミにライド!イマジナリーギフト・プロテクトⅠ!」
手札:5枚 ソウル:7枚
山札:21枚(戻した枚数:15枚) ドロップ:10枚(トリガー3枚)
ツクヨミが放つ柔和な月の光は敵にとっては眩く、イラーリアは思わず空いている手で光を遮り苦い顔をする。彼女の両側にいるサウルとシルヴィアはツクヨミの神々しさに見惚れ、プラント・トークン、ガストーネ、ミルッカはツクヨミに「救い」を求めるような眼差しを送る。
あの日に「誓った決意」が、彼をそうさせるのだから。
春秋ギンジは馬酔木ヒイロ―基栂芽ヒイロの親友である。
出会いはギンジが小学4年生の時。地元のカードショップで開催された交流会。ギンジはファイトする相手を探すが中々見つからず途方に暮れていた。
そんな時ギンジはヒイロに声を掛けられた。
「ファイトしようぜ!」と。
切欠はそんな些細なことだったが、それ以来ギンジは休みの日に行きつけのカードショップでヒイロと過ごすようになった。
それに対しギンジの友人達は2人を咎めたり嫉妬したりせず、「1人の友人」として対等に彼等と接し、時にはヒイロとファイトしたりした。
ギンジが中学2年生のある日の夕暮れ時。ギンジは長年疑問に思っていたことをヒイロに尋ねた。
「あの……何で栂芽さんって、ギリギリまで帰らないんですか?毎日遅くまで帰らなかったら、流石に親も心配するのに……」
「………………」
「栂芽さん?」
「…………親は俺の心配なんかしねぇよ。俺は兄貴と違って出来損ないだからな」
「えっ?」
「親にとって自分達の子供は、自分達の顔の良さを全て受け継いで、頭の出来が良い兄貴だけ。俺やもう1人の弟が何処で何しようと周りからどう見られようが知らぬ存ぜぬ。声掛けるのなんて俺達が兄貴の足を引っ張っていると被害妄想ぶちかました時くらい。俺達みてぇな愚弟の存在はな、優秀で出来の良い兄貴の邪魔になるんだよ」
「はぁっ!?なんだよソレ!!意味分かんねぇ!!」
子どもながらにギンジは激昂した。自分の親
も口煩い時はあるが、それは自分や妹を心配してくれているからこその愛情の裏返し。
ヒイロの両親は彼の兄だけを贔屓しヒイロや彼の弟を無関心。言葉を選ばずに言うなら、無下に扱っているのだ。
「つーかヴァンガードは自由であるべきだろ。親は勿論、家や周りの奴等もドラゴンエンパイアのクラン以外使うなとか馬鹿くせぇこと言いやがって。その癖上手く使えねぇと人として扱わねぇとか、何時代の生まれだっての。最早化石だよ、生きる化石。現に俺や弟を人扱いしてねぇし」
「何だよそれ、巫山戯てんのかよ!!栂芽さんだって良いところやスゲーところ沢山あるのに、親の癖にそれすら見ねぇとか目ン玉腐ってんのかよ!!」
「お前が俺以上に怒ってどうすんだよ……でも、ありがとな。それに俺、中学卒業したら家を出るんだ。弟連れて」
「えっ……?」
「行く当てはあるし、あんなクソ下水な家なんざ1秒でもいたくねぇし、何なら今から出ていきたいくらい。でも……今はギンジがいるから、すっげーたのしい!!」
「ッ…!!」
「あと、今から俺のことさん付けで呼ぶの禁止な?敬語とかも要らねぇから!ヒイロでいい!!」
屈託のない笑顔を向けるヒイロ。これから訪れる自由と明るい未来を疑わない純真な光に溢れている。それはまるで……
「(太陽みたいだ)」
あの時から瞼の裏に焼き付いたヒイロの笑顔。親友を、あの笑顔を守りたい。例え周りのすべてが敵になったとしても、自分だけは彼の味方でいよう。そう決意した。
それなのに……現実は理不尽に、小さな幸せすらも奪っていく。
≪■■■兄!■■■兄!≫
≪はぁ、はぁ……大丈夫、か…■■■?≫
≪やだ!やだ!■■■兄、死んじゃっ、やだ!!あああ゙ああ゙ぁぁぁ!!!≫
≪えっ……ヒイロ…?≫
≪ギンジ……お前も、無事か……よかっ―≫
≪ヒイロ?……なあヒイロ、おい!ヒイロ!!ヒイロッッ!!!≫
「わたくしの勝利は決まったも同然!永蓮翠華に敗北なぞ有り得ませんのよ!」
イラーリアのパワー:48000 ☆4
マルティナのパワー:48000 ☆2(スキル込み)
サウルのパワー:30000 ☆2(スキルとフォースⅡ込み)
「…………巫山戯んな」
「はっ?」
「アイツの……ヒイロの居場所を土足で踏み荒らす馬鹿共は、俺達がゼッテー許さねぇ!!プロテクトで完全ガード!!」
手札:7枚 捨てたカード:フヨウ
山札:22枚 ドロップ:8枚(トリガー2枚)
激情のままに差し出した祝福。その完璧なる防御に顔を歪めるイラーリア。相対する満月の女神は優しい笑みを崩さずに空に佇んでいた。
ツインドライブで引いたのはミルッカとダニエル。パワーはサウル、クリティカルはイラーリアに与えられる。イラーリアのクリティカルは5、よってサウルとマルティナのパワーは+25000。マルティナのパワーは53000、サウルは45000と増えていく。
「(相手の手札にはプロテクトがない以上、後2回アタックを防げるわけがありませんわ!)よくここまで足掻けたことを褒めてあげますわ!ですが勝負は決まったも同然!マルティナでVにアタック!」
手札:5枚 ツインドライブ:ミルッカ、ダニエル(☆)
パワー:53000 ☆2
山札:23枚 ドロップ:12枚
「クサナギ、テトラ、レクタングルでガード!」
手札:4枚 シールド:57000
「大人しく敗北を受け入れなさいチームワイルドカード!これで終わりですわ!ミルッカのブースト、リコリスの銃士 サウルで、満月の女神 ツクヨミにアタック!」
パワー:66000 ☆2
「ホントに学習能力なさ過ぎなんだよテメーは!ノロイとハガクレでガード!ハガクレのスキル、ノロイのシールドを自身のシールド値に増加!合計シールドは72000、ガード成功だッ!!」
ヒサメの手札:4枚 ドロップ:19枚(トリガー7枚)
「な、な、なぁぁぁぁ!!!」
≪チームワイルドカード!ダメージ8まで追い詰められるも、タッグガードを駆使して銃士達の猛攻を止めたァァァ!次の春秋選手にターンが回るぞォォォ!≫
≪これぞタッグファイトの真骨頂!互いが互いを考えて勝利へ驀進!とんでもねぇ爆発力を秘めているのだーーー!!≫
エクリプスとモフモフ仮面の実況も相俟って会場が大いに盛り上がる。ギンジのターンを凌いだ先を見ているレンゲに対し、これで勝利を飾れると考えていたヒワは動揺を隠せずに狼狽えている。
「た、ターンエンド……そ、そんな、何故?だって、このターンで、私が勝利を飾る筈だったのに……いいえ。次のわたくしのターンで勝利を飾りますわ。わたくしは永蓮翠華のファイターなのよ!!」
手札:5枚 ソウル:4枚
ダメージ:1(合計ダメージ:6)
山札:23枚 ドロップ:12枚(トリガー1枚)
現実逃避にも聞こえるヒワの独り言。それを鬱陶しいと思いながらギンジはカードを引いた。
「俺のターン……(ツクヨミ。このファイト、ゼッテー勝つぞッ!!)」
手札:5枚 ソウル:6枚
ダメージ:5(裏のカード:3枚)
山札:22枚(戻した枚数:15枚) ドロップ:11枚(トリガー3枚)
≪ええ、勝ちましょう。未来を照らす光はここにあるのですから≫
「(えっ……?)」
ギンジは引いたカードを見る。そこにあったのは……
「(今の声……ッ、考えるのは後だ!)もう一度、満月の女神 ツクヨミにライド!イマジナリーギフト・プロテクトⅠ!」
手札:5枚 ソウル:7枚
山札:21枚(戻した枚数:15枚) ドロップ:10枚(トリガー3枚)
ツクヨミが放つ柔和な月の光は敵にとっては眩く、イラーリアは思わず空いている手で光を遮り苦い顔をする。彼女の両側にいるサウルとシルヴィアはツクヨミの神々しさに見惚れ、プラント・トークン、ガストーネ、ミルッカはツクヨミに「救い」を求めるような眼差しを送る。