レアイベ発生!?
ここはメルティクルーシブル開催中のドームの個室。詳しく言うなら防音や騒音対策が完備されたVIP専用の観客席だ。
そんな空間にいるのは現在進行形で無敗を誇る雷導の軍師・栂芽ヒスイと、ネイビーブルーのスーツ(イメージはフiェiイiスiフiルi・iエiンiジiェiルi)を身に纏う竜胆色のハーフアップにピジョンブルーの瞳を持つ青年・叶音リンドウ。
苗字から分かるように、彼は叶音リンドウは叶音エンジの兄である。
「流石のヒサメでもこれはキツいだろうね」
「ええ。幾ら手札を溜め込もうと、それが使い物にならなければ死に札同然です。恐らく手札の半分がグレード0……先程グルームのスキルで捨てたカードはミジンガクレ、使うことはないと考えて捨てたのでしょう」
「だろうね……ところで永蓮翠華の戦績はどうかな?」
「勝率は常に上位を誇っておりますとも。中でも緑山レンゲは常に成績トップ3を維持し、蒼森ヒワは永蓮翠華の女子ファイターの中でも頭角を表していますよ。ですが、永蓮翠華はヒスイ様への深い忠誠心故の傲慢な態度に対し周りから苦言がありまして……とある永蓮翠華のファイターが無断で天音ルインへファイトを挑み惨敗。そのファイターには公式大会への3ヶ月出場停止のペナルティを科しました」
「……ルインに?」
「ええ、何でも彼女を「ヒスイ様の邪魔をする女狐」だと宣い、早い段階でその芽を潰すと豪語しておいてあのザマです。「身の程知らずが何をほざくか」と、僕は心底呆れましたよ」
天音ルインに勝てるファイターなぞ、僕達くらいなものだというのに。
所変わりファイト会場。イントルードシザーの強靭な鋏がマガツストームへ襲い掛かる。ヒサメがノーガードを宣言しようとした時だった。
何処からともなく現れた修道女が擲った手榴弾が爆発し、鍬形虫の怪人の視界を爆煙で遮った。
「バトルシスター じんじゃーでガードだ!シールド27000!」
手札:5枚 ドロップ:7枚(トリガー2枚)
「何と!!」
「春秋!?」
「手札からのグレード0を封じられているのは栗花落さんだけ。けどな、テメーの相手は栗花落さんだけじゃねぇんだぞ!」
「くっ……ヘラクレスでアタック!」
パワー:45000 ☆2
「プロテクトで完全ガード!」
手札:8枚 捨てたカード:ボイドマスター
ドロップ:12枚(トリガー2枚)
「……ターンエンド。そしてオフィサーのスキルで選ばれたヘラクレスをソウルに置きCC1」
手札:8枚 ソウル:1枚
CCしたカード:マドンナ
山札:25枚 ドロップ:7枚(トリガー2枚)
「ふう……サンキューな春秋!マジで助かったわ!」
「此位どうってことないです!」
≪メガコロニーの凶悪な罠により追い込まれるも、何とか踏み止まったチームワイルドカード!ここで栗花落選手のターンとなります!≫
≪二進も三進もどうにもやったれーー!!≫
ヒサメは山札に手を添える。山札は22枚。2枚のマガツストームはダメージとスキルでドロップされている状態であり、仮に引いたとしても活路を見出すには心許無い状況。
故にヒサメは強く願った―逆転勝利 への確率を高くする「あのカード」を引くことを。
「俺の……ターーン!!」
引いたカードを横目で見たヒサメは
笑っていた。
「ッ…キタァァァァァ!!」
「「ッ!!」」
「えっ、えっ、何の話ですか!?」
「コイツが俺の隠し玉だッ!妖魔忍竜 暁・ハンゾウにライド!イマジナリーギフト・プロテクトⅠ!」
手札:8枚 ソウル:3枚
山札:21枚 ドロップ:12枚(トリガー2枚)
『何だあれ!?』
「アレが栗花落先輩の隠し玉……!」
「春秋!お前に俺の全部を託す!だからお前も、全部蹴散らせ!」
「あっ……や、やってやりますよ!俺だって、伊達に馬酔木ヒイロの親友やってませんから!!」
「いい返事だッ!ガンバク、トビヒコ、マガツゲイル、サクラフブキをコール!マガツゲイルのスキルでCB1とSB1、1枚ドローし自身のパワー+6000!サクラフブキのスキル、手札を1枚捨て、自身のパワー+3000!表のダメージが1枚以下なので、1枚ドローしてCC1!」
手札:4枚 ソウル:2枚
捨てたカード:プロテクト
裏にした兼CCしたカード:フウライ SBしたカード:マガツゲイル
山札:20枚 ドロップ:14枚(トリガー2枚)
「トリガーユニットをコールしただけでなく、プロテクトを捨てただと!?」
「悪足掻きすら放棄しましたのね!!」
「んな訳ねぇだろうがッ!暁・ハンゾウのスキル発動!グレード0を2枚退却させ、自身のパワー+20000、全てのRを望む枚数手札に戻させる!俺が手札に戻すのはサクラフブキ、春秋のフヨウ、アドミニストレート、サエ、テトラ!そして緑山レンゲのオフィサー、イントルードシザー、グルームだ!」
手札:5枚
ハンゾウのパワー:32000
ドロップ:16枚(トリガー4枚)
「何だとッ!?」
手札:7枚→10枚
「俺のRもですか!?」
手札:5枚→9枚
唐突の指名に戸惑うギンジだが、ハンゾウのスキルの範囲はすべて―これは自分だけでなく、相手やタッグファイトでのパートナーも含まれる。これによりヒサメの手札は5枚、ギンジの手札は9枚となる。
それだけでなく、レンゲのVがグレード3以上なので、彼はハンゾウのスキルで手札に戻した枚数分、自分の手札を捨てなければならない。タッグファイトでの相手とは「正面のファイター」―とどのつまり、ギンジは手札を捨てる必要がないのだ。
≪栗花落選手!タッグファイトでのルールを逆手に取って春秋選手の守りを強くしつつ、緑山選手の防御札を削りに来た!正に策士!戦況を操る暗躍者そのものだぁぁぁ!!≫
≪モフモフこそ最ッ強ォォォ!!≫
…モフモフ仮面に関して最早何も言うことはない。彼はそういう人間なのだ。
そして緑山の手札は増えるどころか、元の枚数に戻っただけである。
「それが貴様の隠し玉か…!」
手札:10枚→7枚 ドロップ:10枚(トリガー2枚)
「奥の手ってのは幾らあっても困んねぇもんだ!忍獣 ハガクレをコール!ハガクレのスキル、ユニット1枚選び、自身のパワーとシールドを、選んだユニット1枚と同じにする!ハンゾウのパワーは32000、よってハガクレのパワーは3200!暁・ハンゾウでVにアタック!」
手札:4枚
ハガクレのパワー:32000
「プロテクトで完全ガード!」
手札:5枚 捨てたカード:イントルードシザー
ドロップ:11枚(トリガー2枚)
ツインドライブで引いたのはボイドマスターとジャドウネコ。残念ながらトリガーは出て来ず。パワー32000のハガクレのアタックはノーガードし、パワー15000のマガツゲイルのアタックはガード。ダメージは7対7と並んだ。
「マガツゲイルのスキル、自身をソウルに置きハガクレを手札に戻す。ターンエンド!」
手札:7枚 ソウル:4枚
山札:18枚 ドロップ:16枚(トリガー5枚)
≪ダメージは互いに7となり、次は蒼森選手のターン。果たして永蓮翠華は勝利を飾ることはできるのか!?≫
ヒワのターン。彼女は今までの人生の中でこの上ない緊張感とプレッシャーに襲われていた。格下と侮っていた対戦相手の強さ、タッグファイトという特殊ルール、そして「憧れの相手」に無様な姿を見せてはならないというプライド。それらが入り混じり彼女の両肩に重く伸し掛かる。
「(ヒワ……)」
手札:4枚
「(私のターンで勝てなければ……このターンで決めなければ、ヒスイ様の顔に泥を塗ることになる。そうなったら、わたくしはヒスイ様に嫌われてしまう!いや、いや、そんなの嫌ですわ!コネも権力も何にもない凡人の分際で、ヒスイ様に気に入られていたあの目障りな想天の令嬢が消えてくれたのに……こんなところで、こんなところでわたくしは!)」
手札:4枚 山札:28枚
ならば、力を貸してやろう。
そんな空間にいるのは現在進行形で無敗を誇る雷導の軍師・栂芽ヒスイと、ネイビーブルーのスーツ(イメージはフiェiイiスiフiルi・iエiンiジiェiルi)を身に纏う竜胆色のハーフアップにピジョンブルーの瞳を持つ青年・叶音リンドウ。
苗字から分かるように、彼は叶音リンドウは叶音エンジの兄である。
「流石のヒサメでもこれはキツいだろうね」
「ええ。幾ら手札を溜め込もうと、それが使い物にならなければ死に札同然です。恐らく手札の半分がグレード0……先程グルームのスキルで捨てたカードはミジンガクレ、使うことはないと考えて捨てたのでしょう」
「だろうね……ところで永蓮翠華の戦績はどうかな?」
「勝率は常に上位を誇っておりますとも。中でも緑山レンゲは常に成績トップ3を維持し、蒼森ヒワは永蓮翠華の女子ファイターの中でも頭角を表していますよ。ですが、永蓮翠華はヒスイ様への深い忠誠心故の傲慢な態度に対し周りから苦言がありまして……とある永蓮翠華のファイターが無断で天音ルインへファイトを挑み惨敗。そのファイターには公式大会への3ヶ月出場停止のペナルティを科しました」
「……ルインに?」
「ええ、何でも彼女を「ヒスイ様の邪魔をする女狐」だと宣い、早い段階でその芽を潰すと豪語しておいてあのザマです。「身の程知らずが何をほざくか」と、僕は心底呆れましたよ」
天音ルインに勝てるファイターなぞ、僕達くらいなものだというのに。
所変わりファイト会場。イントルードシザーの強靭な鋏がマガツストームへ襲い掛かる。ヒサメがノーガードを宣言しようとした時だった。
何処からともなく現れた修道女が擲った手榴弾が爆発し、鍬形虫の怪人の視界を爆煙で遮った。
「バトルシスター じんじゃーでガードだ!シールド27000!」
手札:5枚 ドロップ:7枚(トリガー2枚)
「何と!!」
「春秋!?」
「手札からのグレード0を封じられているのは栗花落さんだけ。けどな、テメーの相手は栗花落さんだけじゃねぇんだぞ!」
「くっ……ヘラクレスでアタック!」
パワー:45000 ☆2
「プロテクトで完全ガード!」
手札:8枚 捨てたカード:ボイドマスター
ドロップ:12枚(トリガー2枚)
「……ターンエンド。そしてオフィサーのスキルで選ばれたヘラクレスをソウルに置きCC1」
手札:8枚 ソウル:1枚
CCしたカード:マドンナ
山札:25枚 ドロップ:7枚(トリガー2枚)
「ふう……サンキューな春秋!マジで助かったわ!」
「此位どうってことないです!」
≪メガコロニーの凶悪な罠により追い込まれるも、何とか踏み止まったチームワイルドカード!ここで栗花落選手のターンとなります!≫
≪二進も三進もどうにもやったれーー!!≫
ヒサメは山札に手を添える。山札は22枚。2枚のマガツストームはダメージとスキルでドロップされている状態であり、仮に引いたとしても活路を見出すには心許無い状況。
故にヒサメは強く願った―
「俺の……ターーン!!」
引いたカードを横目で見たヒサメは
笑っていた。
「ッ…キタァァァァァ!!」
「「ッ!!」」
「えっ、えっ、何の話ですか!?」
「コイツが俺の隠し玉だッ!
手札:8枚 ソウル:3枚
山札:21枚 ドロップ:12枚(トリガー2枚)
『何だあれ!?』
「アレが栗花落先輩の隠し玉……!」
「春秋!お前に俺の全部を託す!だからお前も、全部蹴散らせ!」
「あっ……や、やってやりますよ!俺だって、伊達に馬酔木ヒイロの親友やってませんから!!」
「いい返事だッ!ガンバク、トビヒコ、マガツゲイル、サクラフブキをコール!マガツゲイルのスキルでCB1とSB1、1枚ドローし自身のパワー+6000!サクラフブキのスキル、手札を1枚捨て、自身のパワー+3000!表のダメージが1枚以下なので、1枚ドローしてCC1!」
手札:4枚 ソウル:2枚
捨てたカード:プロテクト
裏にした兼CCしたカード:フウライ SBしたカード:マガツゲイル
山札:20枚 ドロップ:14枚(トリガー2枚)
「トリガーユニットをコールしただけでなく、プロテクトを捨てただと!?」
「悪足掻きすら放棄しましたのね!!」
「んな訳ねぇだろうがッ!暁・ハンゾウのスキル発動!グレード0を2枚退却させ、自身のパワー+20000、全てのRを望む枚数手札に戻させる!俺が手札に戻すのはサクラフブキ、春秋のフヨウ、アドミニストレート、サエ、テトラ!そして緑山レンゲのオフィサー、イントルードシザー、グルームだ!」
手札:5枚
ハンゾウのパワー:32000
ドロップ:16枚(トリガー4枚)
「何だとッ!?」
手札:7枚→10枚
「俺のRもですか!?」
手札:5枚→9枚
唐突の指名に戸惑うギンジだが、ハンゾウのスキルの範囲はすべて―これは自分だけでなく、相手やタッグファイトでのパートナーも含まれる。これによりヒサメの手札は5枚、ギンジの手札は9枚となる。
それだけでなく、レンゲのVがグレード3以上なので、彼はハンゾウのスキルで手札に戻した枚数分、自分の手札を捨てなければならない。タッグファイトでの相手とは「正面のファイター」―とどのつまり、ギンジは手札を捨てる必要がないのだ。
≪栗花落選手!タッグファイトでのルールを逆手に取って春秋選手の守りを強くしつつ、緑山選手の防御札を削りに来た!正に策士!戦況を操る暗躍者そのものだぁぁぁ!!≫
≪モフモフこそ最ッ強ォォォ!!≫
…モフモフ仮面に関して最早何も言うことはない。彼はそういう人間なのだ。
そして緑山の手札は増えるどころか、元の枚数に戻っただけである。
「それが貴様の隠し玉か…!」
手札:10枚→7枚 ドロップ:10枚(トリガー2枚)
「奥の手ってのは幾らあっても困んねぇもんだ!忍獣 ハガクレをコール!ハガクレのスキル、ユニット1枚選び、自身のパワーとシールドを、選んだユニット1枚と同じにする!ハンゾウのパワーは32000、よってハガクレのパワーは3200!暁・ハンゾウでVにアタック!」
手札:4枚
ハガクレのパワー:32000
「プロテクトで完全ガード!」
手札:5枚 捨てたカード:イントルードシザー
ドロップ:11枚(トリガー2枚)
ツインドライブで引いたのはボイドマスターとジャドウネコ。残念ながらトリガーは出て来ず。パワー32000のハガクレのアタックはノーガードし、パワー15000のマガツゲイルのアタックはガード。ダメージは7対7と並んだ。
「マガツゲイルのスキル、自身をソウルに置きハガクレを手札に戻す。ターンエンド!」
手札:7枚 ソウル:4枚
山札:18枚 ドロップ:16枚(トリガー5枚)
≪ダメージは互いに7となり、次は蒼森選手のターン。果たして永蓮翠華は勝利を飾ることはできるのか!?≫
ヒワのターン。彼女は今までの人生の中でこの上ない緊張感とプレッシャーに襲われていた。格下と侮っていた対戦相手の強さ、タッグファイトという特殊ルール、そして「憧れの相手」に無様な姿を見せてはならないというプライド。それらが入り混じり彼女の両肩に重く伸し掛かる。
「(ヒワ……)」
手札:4枚
「(私のターンで勝てなければ……このターンで決めなければ、ヒスイ様の顔に泥を塗ることになる。そうなったら、わたくしはヒスイ様に嫌われてしまう!いや、いや、そんなの嫌ですわ!コネも権力も何にもない凡人の分際で、ヒスイ様に気に入られていたあの目障りな想天の令嬢が消えてくれたのに……こんなところで、こんなところでわたくしは!)」
手札:4枚 山札:28枚
ならば、力を貸してやろう。