波乱万丈

初めてヒワにダメージを与え、永蓮翠華のダメージは6。後3ダメージ与えればチームワイルドカードの勝利となる。

ヒワは満月の女神のアタックをブロッサムレインで完全ガード。捨てた手札はタンポポの銃士 ミルッカ。
ギンジはツインドライブでバトルシスター じんじゃーとクサナギを引き、トリガーはすべてフヨウに与える。ドライブチェックでトリガーを2枚引いたため、前列のユニットすべてにパワー+10000。これでフヨウのパワーは39000にクリティカル3。このアタックを受けてしまった場合、永蓮翠華のダメージは9枚―つまり敗北が決定する。

「コイツでトドメだ!フヨウでVにアタック!!」
手札:6枚 ツインドライブ:バトルシスター じんじゃー、クサナギ
パワー:39000 ☆3
山札:23枚(戻した枚数:15枚)

≪パワー39000にクリティカル3のフヨウのアタック!永蓮翠華、ここで敗北してしまうのかァァァ!!?≫

エクリプスの実況が響く。それを聞いたヒワの脳裏には「敗北」という二文字が浮かび上がる。


「(敗北?いや、いや、いや!そんなの……そんなの!)有り得ない。有り得ないんですのよぉぉぉ!!ダニエル、トゥーレ、鈴蘭の銃士 カイヴァントでガード!サウルでインターセプト!!」
手札:3枚 シールド:43000
山札:29枚 ドロップ:6枚(トリガー1枚)

「ぐっ、届かなかった……ターンエンド!」
手札:6枚 山札:23枚

あと一歩を逃し悔しがるギンジ。しかし彼の手札には3枚のクリティカルトリガー。その内2枚はシールド30000を保有するクサナギが2枚。今の山札は23枚、その内15枚は山札の下に戻し「確定した未来」を作った状態。
自分達のダメージは6、受けることを許されているのは2ダメージだけ。それでもギンジは闘争心を燃やす。

すべては、自分にとって大事な居場所を守る為に。


「……なあ、アンタはどうしてそのチームにいるんだ」

「貴様、いきなり何を……」
手札:5枚 山札:29枚

「別に?気になっただけ」

ヒサメの問いにレンゲは追憶した。初めてヴァンガードを手にしたあの日のことを。メガコロニーというクランを研究し、強くなった日々を。

そして―尊敬の念を抱く先導者と出会った日を。


「俺は……ヒスイ様の強さに惹かれたのだ。あの人のようなファイトをしたい。あの人のような強さを持ち、誰かの憧れの人になれるようなファイターになりたい。そう思ったからだ」

「ふーん……」

「………………」

「……栗花落ヒサメ、春秋ギンジ。先程の無礼な振る舞いを詫びよう。ヒスイ様を侮辱され頭に血が上っていたとは言え、貴様等を不用意に侮辱した……本当に済まなかった」

「えっ?」

「どういう風の吹き回しだよ」

「……俺は栂芽ヒスイというファイターを目指す。叶わない夢だと思うだろうが、俺はいつか……あの人を超えたいとも考えている」

「レンゲ!!貴方なんて失礼なことを―」

「人が喋っているのに遮るんじゃねぇよ。黙ってな!!」

レンゲの謝罪に横槍を入れたヒワに吠えるギンジ。怒りと侮蔑が含まれた彼の目を見た彼女は押し黙った。

「俺はヒスイ様のようなファイターになる為に今もこれからも、研鑽を怠らず、才能に胡座を掻かず、目の前の相手を見定める。故に……俺は貴様等を、チームワイルドカードを超える。改めて宣言する!このターンで俺のすべてを以て、貴様等を叩き潰す!!」

「……ハッハァ!上ッ等だ!やってみろよ!!」

「不肖、緑山レンゲ!いざ参らん!!」

勝ち気な表情で迎え撃つヒサメ。それに対し威風堂々と口上を乗せるレンゲ。先程の無愛想な彼から想像出来ない表情にヒワは戸惑い、ギンジは内心「俺は俺に出来ることをする!!」と決意を固める。

それは観客達も同じことだった。最初は永蓮翠華へ否定的な雰囲気と声だったが、今は緑山レンゲを鼓舞する声が所々から聞こえる。


「やってやれー!緑山ー!」

「こっから逆転劇見せてくれよ!」

「負けるなーー!」

「蒼森は別にどうでもいいけど、緑山は頑張れーーー!!!」

「ちょっと!今わたくしを馬鹿にする声も混じってましたわよ!?」



「不思議な空気ね……でも、悪くないわ」

「ほらほら、ヒサメ!此位で気圧されたりしないでよ!お得意の負けん気発揮しやがれ!!」

「やったれー春秋!咲神高校の苦労人オカン!」

「リッカテメー後でぶっ飛ばしてやるからそこ動くなッッ!!」

「(栗花落さんって、仲間内で苦労人オカンって呼ばれているんだ……)」

……一部カオスをお届けしつつ、レンゲは真魔銃鬼 ガンニングコレオにライド。イマジナリーギフト・プロテクトⅠを選択し、ガンニングコレオのスキルを発動した。

「ガンニングコレオのスキル発動!登場時自身のパワー+5000、ドライブ+1!更に相手の山札の上から1枚をドロップさせ、そのカードのグレードが3以上なら、更にパワー+10000、ドライブ+1!」
手札:5枚 ソウル:2枚
山札:29枚 ドロップ:7枚(トリガー3枚)

「山札を削る!?」

「正に博打……おもしれー!!」

ヒサメの山札の上の1枚…よりにもよって3枚目のマガツストームだった。これによりガンニングコレオのパワーは27000、クワドラプルドライブが確定した。

「ハイクラスモスのスキル、ドロップの蛹怪人を山札の下に戻しCC1、タマハガネのインターセプトを封じる!更にグルーム・ドゥローンをコール!スキル発動!登場時Vがグレード3以上なら他のRをソウルに置き、ドロップのランプリを山札の下に戻して1枚ドロー!」
手札:5枚 ソウル:3枚
山札:30枚 ドロップ:5枚(トリガー2枚)

「なんだよ、脅かしやって……たかがソウル増やしたくらいで俺達を負かそうなんざ早計じゃねぇのか?」

「……ヒワに目にもの見せた貴様が、たかがと侮るか春秋ギンジ。痛い目を見るのは貴様等の方だぞ」

「はっ?」

「……おいおい、マジかよアンタ!」

「察しが良いな。怪人紳士 ハイクラスモスは、山札かソウルにいる時、グレード3として扱える。よって……ガンニングコレオの更なる高みを貴様等に見せてやろう!」

レンゲはガンニングコレオのスキルを発動。グレード3をSB1することで、相手の山札の上から1枚をドロップさせ、相手はこのターン中、ドロップしたカードのグレードを手札からコールできない。とどのつまり、手札からのガードを封殺することに等しいのだ。
ヒサメの山札は24枚。ダメージとドライブチェック判明しているトリガーは3枚。手札に数枚は入っていると思われるが、それでもトリガーであるグレード0の比率は恐らく高い。

山札の上から1枚をドロップするヒサメ。そのカードは……「忍妖 ザシキヒメ」。不運は更なる不運を引き寄せてしまった。


≪な、な、なんと!栗花落選手、3枚目のマガツストームを撃ち落とされただけでなく、グレード0でのガードを封殺された!正に絶体絶命!!チームワイルドカード、どうするゥゥゥ!!!≫

≪大変だ大変だ大変だーー!!!≫


波乱を呼ぶタッグファイトの行方は如何に!!


続く
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