ハッピーハロウィン!2025.10.31
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Lはじっと、親指を嚙んだままテレビを眺めていた。
フワフワのソファにいつもの体勢で座り、目の前にはケーキと紅茶が置かれている。その背後には、ワタリがパソコンに向かって仕事をしていた。現在、Lの恋人は風呂に入っており不在だった。
目の前のテレビでは、日本のハロウィンが取り上げられていた。毎年、東京渋谷のスクランブル交差点は仮装した人で溢れかえり、その光景は海外でも注目されている。
Lはじいっとそれを見つめていた。ゾンビ、ナース、猫に魔女、女性はさまざまな仮装をして笑って歩いている。
「ワタリ……私にはどうしても解決できないものがあります」
「一体何でしょう」
「あの人に仮装をしてもらいたい」
きっぱりLが言うと、ワタリは少しだけ眉尻を下げた。ああ、また始まったか。ワタリは慣れたとばかりに頷いて平然と答える。
「仮装ですか。ハロウィンですからね。あなたの誕生日でもあるのですが」
「私の誕生日の祝いでハロウィンが薄れています。一度仮装というものをしてもらいたい……でもあの人の性格上、難しいと思います」
「恥ずかしがり屋ですからね」
どんな反応をするのか目に見えている。『私には似合いませんから』『もういい大人です』『恥ずかしいので……』
Lは悔しそうに親指を強く噛んだ。
「ほんの少しでもいいんです。本格的な物でなくていい。ちょっと耳や尻尾をつけてみるとか、その程度で構いません。どうしたらいいかワタリも考えてください」
Lはワタリを振り返って言った。ワタリは苦笑いしつつ、平和な悩みであることに微笑ましくも思っていた。
事件の事しか頭になかったLが、恋人に身に着けてもらいたい服装のことで悩むとは。
「そうですね。少し装飾をつけるぐらいなら可能かと思います」
「本当ですか!?」
「それには、相手の羞恥心を少し楽にしてあげることが重要です」
ワタリは微笑んでそう言った。
10月31日、Lの誕生日。
今年も気合の入れたケーキを焼き、誕生日を祝い終えた。光はふうと息を吐き、リビングで一休みしていた。Lは隣で紅茶を飲んでいる。
(今年もあんなおっきいケーキを食べちゃったエル、凄かったな。血糖値が心配)
一人でふふっと思い出し笑いをしていると、ワタリが何かを持ってやってきた。大きな黒いスーツケースで、ぱかっと開けたら札束でも出てきそうな重厚感だ。
「L。私からも贈り物が」
「えっ。ワタリさんからエルに?」
そういえば、ワタリさんからエルに贈り物をしたのは見たことなかったかもしれない。いや、私が来る前はケーキとか準備してたって言ってたっけ。エルはお金持ちでほしい物は自分で手に入れるし、物より甘い物を欲するので一番相応しい贈り物だ。
でも今年は物をあげるなんて。と、どこかわくわくしてくる。
エルはいつもの表情でどこかわざとらしく言う。
「ああ、ありがとうございます。中身を」
「こちらです」
ワタリは静かにスーツケースをパカッと開いた。
?????
猫耳……?
意外すぎるものが出てきて、ぽかんとする。え、どうして猫耳が? それも、二つ……?
固まる##NAMW1##をよそに、ワタリはすらすらと説明をする。
「Lの誕生日でもありますが、ハロウィンでもあります。これまでイベントには疎かったLですが、光さんのおかげで様々なイベントを楽しむようになってきています。なので、ハロウィンを楽しむのもいいのかと。ちょっとした仮装でも気分は変わりますよ」
「な、なるほど……?」
季節感に疎いエルに、ハロウィンを楽しんでもらいたかったのか。……分からなくはないけど、でもワタリさんが猫耳を贈るのはなんか違和感が凄い……。
ただ、そこにある黒い猫耳は、光の心をくすぐった。エルに非常に似合いそうだったからだ。
エルは猫っぽい。性格は犬って感じだけれど、猫背だし目元も猫っぽさがある。絶対似合う。
「面白いですね! でも二個あるってことは……」
「あなたの分ですよ」
エルはそう言って、一つを差し出した。うっと答えに詰まる。
(だよねえ。でも猫耳なんて可愛いの、私似合わないと思うけど……)
こんなものつけたことない。友達もいなかったし、某テーマパークでマウスの耳をつけた経験もない。あ、子供の頃に一度だけお母さんとつけたっけ。あんな小さい頃と今は違う。
(なんか凄く恥ずかしいんだけど……でもワタリさんがせっかく用意してくれたし……)
うじうじと困っていると、なんとエルが抵抗もなくスポッと猫耳をつけたのだ。私はそれを見て、唖然とした。
「どうですか。猫ですか、私?」
「……ぷっ」
「光さん?」
「ぶっ、あ、あはは! あははは! に、似合いすぎです! そ、そんな真顔で平然と耳つけるなんて、なんか……あははは!」
ツボに入ってしまい、お腹を抱えて笑った。
基本白い服とジーンズしか身に着けないエルが、猫耳をつけるなんて違和感が凄すぎる。しかも異常に似合っている。このシュールな光景、たまらなく面白い。
ひとしきり笑うと、すっかり自分の中の抵抗が消え去っていた。すっともう一つの猫耳を掴み、頭につける。
「私はどうかな? 初めてかも」
「………………」
エルの目が真ん丸に開かれる。
ワタリの作戦があまりに上手く行ったので驚いた。『L。一人で仮装となれば、必ずあの方は恥ずかしがります。あなたも同じものを先につければ、耳や尻尾ぐらいなら何とかなるでしょう』
瞬きもせず凝視し、その黒目に猫耳の自分が映って、何だか恥ずかしさが戻って来た。そんなに見なくてもいいのに。
「へ、変かな?」
「……とんでもないです。すっごく似合います」
「ふふ、そうかな? エルには敵わないよ」
そう笑って、あの決まり文句を言った。
「トリックオアトリート!」
「………………」
あっ。また固まっちゃった。
しばらく停止したエルは、フルフルと手を震わせながら顔を覆った。
「なんという……」
「あ、あの、エル?」
「私は今、究極の選択を迫られています。あなたが望むなら世界中のお菓子を与えてあげたいです。チョコでもクッキーでもケーキでも飴でもなんでも。あなたが欲しがるものは全て差し上げたいと普段から思っているからです。でもいたずらもされたい。どんなものか分かりませんがいたずらをされたいのです」
「最後の発言なんかヤバく聞こえるからやめてもらえますか」
「与えたいのにいたずらもされたい……! 究極の悩みです!」
「あの、本当にお菓子をくれって言ってるわけじゃないから……」
「なんと可愛らしい猫。世界で一番可愛い猫です。私は動物なんて特に興味ありませんでしたがたった今、猫が大好きになりました」
「おーい戻っておいで」
呆れながらそう言った直後、エルがその口にキスを落とした。紅茶の香りがふわりと伝わってくる。ゆっくり味わうように繰り返されるキスにうっとりとしたところで、はっと慌てて顔を離した。
「待って! ワタリさんがいるのに……!」
そう思って辺りを見回すが、いつの間にかワタリの姿はすっかりいなくなっていた。
「……あれ?」
「ワタリならとっくにいなくなってますよ。私があなたの猫耳に耐えられなくなるのを彼は分かっていますから」
「ワタリさん……」
「光さん、続きをしましょう」
「えっ、ちょっと待っ……」
エルが押し倒した時、ずるりと彼が付けている猫耳がずれて、目を覆った。それを見て、つい吹き出してしまう。
「あは! 私達、猫耳つけたまま何やってるんだって感じ!」
「……いいじゃないですか。私の誕生日でもあるんですよ」
「そうだけど」
「お菓子もあげるけど、いたずらしてくれませんか?」
エルは少し口角を上げて笑う。つられて笑い返し、そのままソファに二人で倒れこんでいく。
ハッピーハロウィン。
お菓子をくれても、いたずらするぞ。
「ところでいたずらって何をするんですか?」
(考えてなかった……)
フワフワのソファにいつもの体勢で座り、目の前にはケーキと紅茶が置かれている。その背後には、ワタリがパソコンに向かって仕事をしていた。現在、Lの恋人は風呂に入っており不在だった。
目の前のテレビでは、日本のハロウィンが取り上げられていた。毎年、東京渋谷のスクランブル交差点は仮装した人で溢れかえり、その光景は海外でも注目されている。
Lはじいっとそれを見つめていた。ゾンビ、ナース、猫に魔女、女性はさまざまな仮装をして笑って歩いている。
「ワタリ……私にはどうしても解決できないものがあります」
「一体何でしょう」
「あの人に仮装をしてもらいたい」
きっぱりLが言うと、ワタリは少しだけ眉尻を下げた。ああ、また始まったか。ワタリは慣れたとばかりに頷いて平然と答える。
「仮装ですか。ハロウィンですからね。あなたの誕生日でもあるのですが」
「私の誕生日の祝いでハロウィンが薄れています。一度仮装というものをしてもらいたい……でもあの人の性格上、難しいと思います」
「恥ずかしがり屋ですからね」
どんな反応をするのか目に見えている。『私には似合いませんから』『もういい大人です』『恥ずかしいので……』
Lは悔しそうに親指を強く噛んだ。
「ほんの少しでもいいんです。本格的な物でなくていい。ちょっと耳や尻尾をつけてみるとか、その程度で構いません。どうしたらいいかワタリも考えてください」
Lはワタリを振り返って言った。ワタリは苦笑いしつつ、平和な悩みであることに微笑ましくも思っていた。
事件の事しか頭になかったLが、恋人に身に着けてもらいたい服装のことで悩むとは。
「そうですね。少し装飾をつけるぐらいなら可能かと思います」
「本当ですか!?」
「それには、相手の羞恥心を少し楽にしてあげることが重要です」
ワタリは微笑んでそう言った。
10月31日、Lの誕生日。
今年も気合の入れたケーキを焼き、誕生日を祝い終えた。光はふうと息を吐き、リビングで一休みしていた。Lは隣で紅茶を飲んでいる。
(今年もあんなおっきいケーキを食べちゃったエル、凄かったな。血糖値が心配)
一人でふふっと思い出し笑いをしていると、ワタリが何かを持ってやってきた。大きな黒いスーツケースで、ぱかっと開けたら札束でも出てきそうな重厚感だ。
「L。私からも贈り物が」
「えっ。ワタリさんからエルに?」
そういえば、ワタリさんからエルに贈り物をしたのは見たことなかったかもしれない。いや、私が来る前はケーキとか準備してたって言ってたっけ。エルはお金持ちでほしい物は自分で手に入れるし、物より甘い物を欲するので一番相応しい贈り物だ。
でも今年は物をあげるなんて。と、どこかわくわくしてくる。
エルはいつもの表情でどこかわざとらしく言う。
「ああ、ありがとうございます。中身を」
「こちらです」
ワタリは静かにスーツケースをパカッと開いた。
?????
猫耳……?
意外すぎるものが出てきて、ぽかんとする。え、どうして猫耳が? それも、二つ……?
固まる##NAMW1##をよそに、ワタリはすらすらと説明をする。
「Lの誕生日でもありますが、ハロウィンでもあります。これまでイベントには疎かったLですが、光さんのおかげで様々なイベントを楽しむようになってきています。なので、ハロウィンを楽しむのもいいのかと。ちょっとした仮装でも気分は変わりますよ」
「な、なるほど……?」
季節感に疎いエルに、ハロウィンを楽しんでもらいたかったのか。……分からなくはないけど、でもワタリさんが猫耳を贈るのはなんか違和感が凄い……。
ただ、そこにある黒い猫耳は、光の心をくすぐった。エルに非常に似合いそうだったからだ。
エルは猫っぽい。性格は犬って感じだけれど、猫背だし目元も猫っぽさがある。絶対似合う。
「面白いですね! でも二個あるってことは……」
「あなたの分ですよ」
エルはそう言って、一つを差し出した。うっと答えに詰まる。
(だよねえ。でも猫耳なんて可愛いの、私似合わないと思うけど……)
こんなものつけたことない。友達もいなかったし、某テーマパークでマウスの耳をつけた経験もない。あ、子供の頃に一度だけお母さんとつけたっけ。あんな小さい頃と今は違う。
(なんか凄く恥ずかしいんだけど……でもワタリさんがせっかく用意してくれたし……)
うじうじと困っていると、なんとエルが抵抗もなくスポッと猫耳をつけたのだ。私はそれを見て、唖然とした。
「どうですか。猫ですか、私?」
「……ぷっ」
「光さん?」
「ぶっ、あ、あはは! あははは! に、似合いすぎです! そ、そんな真顔で平然と耳つけるなんて、なんか……あははは!」
ツボに入ってしまい、お腹を抱えて笑った。
基本白い服とジーンズしか身に着けないエルが、猫耳をつけるなんて違和感が凄すぎる。しかも異常に似合っている。このシュールな光景、たまらなく面白い。
ひとしきり笑うと、すっかり自分の中の抵抗が消え去っていた。すっともう一つの猫耳を掴み、頭につける。
「私はどうかな? 初めてかも」
「………………」
エルの目が真ん丸に開かれる。
ワタリの作戦があまりに上手く行ったので驚いた。『L。一人で仮装となれば、必ずあの方は恥ずかしがります。あなたも同じものを先につければ、耳や尻尾ぐらいなら何とかなるでしょう』
瞬きもせず凝視し、その黒目に猫耳の自分が映って、何だか恥ずかしさが戻って来た。そんなに見なくてもいいのに。
「へ、変かな?」
「……とんでもないです。すっごく似合います」
「ふふ、そうかな? エルには敵わないよ」
そう笑って、あの決まり文句を言った。
「トリックオアトリート!」
「………………」
あっ。また固まっちゃった。
しばらく停止したエルは、フルフルと手を震わせながら顔を覆った。
「なんという……」
「あ、あの、エル?」
「私は今、究極の選択を迫られています。あなたが望むなら世界中のお菓子を与えてあげたいです。チョコでもクッキーでもケーキでも飴でもなんでも。あなたが欲しがるものは全て差し上げたいと普段から思っているからです。でもいたずらもされたい。どんなものか分かりませんがいたずらをされたいのです」
「最後の発言なんかヤバく聞こえるからやめてもらえますか」
「与えたいのにいたずらもされたい……! 究極の悩みです!」
「あの、本当にお菓子をくれって言ってるわけじゃないから……」
「なんと可愛らしい猫。世界で一番可愛い猫です。私は動物なんて特に興味ありませんでしたがたった今、猫が大好きになりました」
「おーい戻っておいで」
呆れながらそう言った直後、エルがその口にキスを落とした。紅茶の香りがふわりと伝わってくる。ゆっくり味わうように繰り返されるキスにうっとりとしたところで、はっと慌てて顔を離した。
「待って! ワタリさんがいるのに……!」
そう思って辺りを見回すが、いつの間にかワタリの姿はすっかりいなくなっていた。
「……あれ?」
「ワタリならとっくにいなくなってますよ。私があなたの猫耳に耐えられなくなるのを彼は分かっていますから」
「ワタリさん……」
「光さん、続きをしましょう」
「えっ、ちょっと待っ……」
エルが押し倒した時、ずるりと彼が付けている猫耳がずれて、目を覆った。それを見て、つい吹き出してしまう。
「あは! 私達、猫耳つけたまま何やってるんだって感じ!」
「……いいじゃないですか。私の誕生日でもあるんですよ」
「そうだけど」
「お菓子もあげるけど、いたずらしてくれませんか?」
エルは少し口角を上げて笑う。つられて笑い返し、そのままソファに二人で倒れこんでいく。
ハッピーハロウィン。
お菓子をくれても、いたずらするぞ。
「ところでいたずらって何をするんですか?」
(考えてなかった……)
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