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おまたせー!
ようやく場所と時間が決まったから知らせるね!
a.m12時
Hyatt hotel 1階カフェレストラン
意外と人数集まれそうでびっくり。藍川もまさか参加出来るとは!
なんか話が大きくなってさ、なぜか他のクラスの奴らまで広がってしまった。賑やかになりそー
あ、竜崎さん心配するなら連れておいでなー笑
パソコンをじっと見て、了解の意を簡単に打って送信した。
最後の1行を思い出す。
エルを連れて行くなんて。絶対やだ。
行こうと誘えば付いてくるだろうけどな。
私は想像して一人笑う。
「楽しそうですね」
背後から不機嫌そうな声が響いて、驚いて振り返った。
エルはポケットに手を入れたままじっと私を見つめている。
この人はいつも音もなく移動する。心臓に悪いからやめてほしい。
「もう、びっくりした!」
「吉沢さんですか」
「あ。うん。同窓会の場所がね、ようやく決まったからメールくれた」
ゆっくりと手を出して爪を噛む。明らかに拗ねているこの大きな子供の機嫌をどう取ろうか。私は苦笑する。
「彼とメールするのを許可したのは私ですが。そんな楽しそうなあなたを見るのは辛すぎて今あと少しで発狂します」
「ちょっと!」
「何がそんなに楽しいんですか」
「吉沢くんがね、エルがあまりに心配するなら連れておいでって」
「!」
「連れてかないよ」
「……」
一瞬見開かれた瞳がまたつまらなそうに細められる。分かりやすい人だ。
私は立ち上がる。
「だって浮いちゃうよそんなの。」
「…まあそうでしょうがね」
「クラスメイトに会うだけだよ。何も心配いらないのに」
「同窓会とは出会いの巣窟だと聞きます。あなたの美しさに数々の男が声を掛けてなんとか口説き落とそうとする姿が目に浮か」
「どこのドラマ見てきたのよ!」
「なのですでに今少し、私は後悔しています」
はあ、とため息を漏らすエル。私はそんな彼に近寄り、左手を指さした。
「これがあれば話しかけて来ないよ。」
「…しかし」
「でも。エルが嫌な思いするなら私はいかなくていいの。今からでも断る。」
決して嘘ではなかった。
彼がとんでもない心配性で、独占欲が強いのは十分すぎるほど分かっている。普通の人なら逃げ出したくなるかもしれないほど。
でも私は呆れてはいるけど邪険には思わない。
死のうとした私に生きる希望をくれて、そして事件に巻き込まれた時も命を助けてくれた。
私は誰よりエルが一番大事なのだ。
「ね?」
「…そんな事を言われては止めるに止めれません」
「止めていいんだよ」
「煽る天才ですか。私だって、光さんが楽しく過ごせるのが一番嬉しいんです。嫉妬心はありますがなんとか抑えましょう」
「抑えれるの?」
「出来る限り話す相手は女性にしてください」
私は声を上げて笑う。ほんと、いつまでも独占欲が強い人だ。
そんな心配まるでいらないのになぁ。
「で、場所はどこになったんですか」
「え?ああ、Hotel Hyattってところのカフェレストランだって」
「なるほど」
「送り迎えはちゃんとジェシーにしてもらうから…」
「その日はそこに泊まりましょう」
サラリとエルが言う。
「…え?」
「光さんに何かあったときすぐに駆け付けれるように。私もそのホテルに滞在するようにします」
まさか!
ぎよっとした私は首を振る。
「そんなにここから遠くないしいいよ!マンションまであるのにホテル泊まるなんて勿体ない!」
「いいえ、少しでもあなたの近くにいないと私は仕事になりません」
どうせ泊まるとしたらまたスイートルームだ。
無駄。無駄な出費と呼ばずになんと呼ぶ。
「そんな長い時間じゃないし大丈夫だって…電話も持ってくし」
「いいえもう決めました。」
エルは頑固にそれだけ言うと、近くの椅子にぴょんと飛び乗る。
「たかがホテルに数泊する金など微々たるものです」
「スイートルームの連泊が微々たる…?」
「これだけ私と一緒に暮らしておきながらまだわかりませんか。まあ私も今どれほど資産があるのか把握してませんがね。今度ワタリに聞いてみたらどうですか」
「失神しそうだからいいです」
「金など使わねば損ですよ。無くなればまた稼げばよいのに」
ああ金持ちの考えはわからない。一般人として過ごしてきた私にはきっと一生分からないのだ。
しかもこれは普通の金持ちではないしな。桁違いの金持ちだ。
「なのでその前後はそこのホテルに泊まります。ワタリに言っておきます」
断言したエルの意見を覆すなんて私には無理だろう。
…まあ。稼いでいる本人が望むなら仕方ない。
私はしぶしぶうなずいた。
「さて、光さんが当日着ていく服を選びましょう」
「服?」
突然言われた予想外の台詞に呆気にとられる。
「ええ。こういう時女性はあらゆる服を出してベッドに並べ、一人ファッションショーをするのではないですか」
「エルほんとそういうのどこから仕入れてくるの。少女漫画でしょうそんなの」
エルと暮らし始めてだいぶ経つけど、時折私とDVDやテレビを眺めるくらいで、彼はあまり娯楽を楽しんでる様子はないのだが。
「どこでしょうね。そういうものかと思っていました」
「そんな一人ファッションショーするなんて10代の女の子だけだよ」
「そうなのですか。しかし私が選びたいのです。あまりに男心を掻き立てるような服装は避けたいので」
「そんな服持ってないよ!」
「ミニスカートがあるではないですか」
「同窓会にミニスカートで行かないよ!履いたことすらないし履く予定もないよ!」
「では何を着ていくのですか」
ここまでしつこく聞かれては答えないと多分引かない。私はしぶしぶクローゼットを覗いて、適当にワンピースを取り出した。
「これかな」
「いけません」
エルはキッパリと言う。
「え?なんで」
「袖が短いです、あまり腕を見せないでください」
「だって夏なのに」
「長袖にしろとは言いませんが。短すぎます」
呆れてエルを見る。細かい。細かすぎる。
却下された服はぽいっとベッドに置いた。
私はまたクローゼットを見て取り出す。
「じゃあこれ」
「白はウエディングドレスを連想するからいけません」
「じゃあこれ」
「ひらひらした裾がダメです。男はひらひらしたものに弱いんですよ」
「これ!」
「少しスカートの丈が短いです」
「これだ!」
「胸元が広いです、鎖骨が見えます」
「そら!」
「体のラインが見えすぎです」
「これでどうだ!!」
「ホテルのカフェレストランにラフすぎませんか」
最後だけ的確なところ突くなよ!!いつも自分はラフなくせに!!入学式もその格好で行ったくせに!!
私は持ってたTシャツを放り投げた。
「もー!じゃこれ!」
私が取り出したネイビーのワンピースを見て、エルは爪を噛みながらじっと見つめた。
しばし沈黙が流れたのち、彼はとうとう言う。
「それでいきましょう」
やっと決まった…!私はがくっと脱力する。
ふとみれば、広いベッドは私が出した洋服でいっぱいになっていた。
「…あはは!結局、エルが言ったようにベッドの上服でいっぱいにしちゃった」
「まああなたは何を着ても美しすぎるので要注意ですけどね」
「ほんと視力調べて」
私はベッドに広がった服を見て脱力した。
