2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「光さん」
こちらに近寄ってくる。
「なんですか」
「日本に来てることで私のボルテージは上がっています」
Lはそう言うと、キッチンに立つ私を後ろから抱きしめた。
「L、料理しにくいし危ないから」
「料理は後でいいです」
「Lがぜんざい食べたいって言ったんでしょう」
「甘いものは推理に必要不可欠です、しかしそれより光さんの愛の方が必要不可欠です」
緩めない Lの腕が苦しい。私は一度火を切った。
本当にやけどしかねない。
「思い出します、あなたと過ごした日々を」
「…わかるけど」
「イギリスでの生活も楽しく素敵な思い出ですが、やはり日本での生活は忘れられない。」
「…色々あった1年だったね」
思いを馳せては切なくなる。あの1年にあった、様々なこと。
Lとしあわせな時間もあっけど、辛いこともあった。
「光さん、イギリスに帰ったら」
「なに?」
「…なんでもありません」
Lはそんな勿体ぶるような言い方をし、私の頬にキスをする。
「さあ、あなたもキスしてください」
「さ、さあって言われるとしづらい」
「では、あなたもキスしてください」
「ではも一瞬!言い方の問題じゃなくて…」
私はLの腕を無理やり解く。そして彼と向き合うと、腕を引っ張ってソファに連れて行く。
「光さんこのまま押し倒」
「すわけないでしょ!」
私はソファにLをどんと座らせる。
「料理の邪魔です。ちゃんと事件のこと考えてて」
「ちゃんと考えてますよ…」
「もっと真剣に」
私が言うと、拗ねたように指の爪を噛む。いつまで経っても、子供のような仕草。
私は参ったとばかりに笑い、軽く Lの頰に唇を落とした。
Lの顔が、すぐに笑顔になる。
なんて単純な、世界の切り札。
「もう邪魔しません」
Lはそれだけ言うと、パソコンの操作を始めたのだった。
それからLはジェシーが運び込んだ多数のモニターに監視カメラの映像を映してずっと見ていた。
その光景がまた、2年前と被って懐かしい。微笑ましく眺める。
ただ私には困ったことがあった。
ホテル生活でピカピカに磨かれた部屋たちは掃除する必要がなく、洗濯も必要なくなってしまった。
つまり、普段より更に手持ち無沙汰。
Lにお菓子は作るものの2年前ほど量が必要なわけでもなく時間を持て余す。
英語の勉強グッズ、持ってくればよかったと、後悔した。
監視カメラには、警察の報告するように有力なものは何も写っていなかった。
被害者が歩く様子などが所々映ってはいるが、ちょうどカメラのない場所へ足を踏み入れたところで犯行は行われていたようだ。
Lは感心したように、犯人の用意周到さがすごい、と唸った。
犯行場所はバラバラだったが、すべての場所において監視カメラのない場所を選び実行している。
その上、犯行した場面どころか、その後逃走する不審車両すらカメラでは見当たらない。大分範囲を広げて見てみるもやはりいない。
被害者をさらった後の逃亡ルートも考えられているに違いない、とLは言った。
今の時代監視カメラは山ほど設置されている。特に被害者はそれなりに人通りのある街の近くでさらわれている。
そんな道中でこれほど証拠が残らぬよう動くのはとても難しいことだとLは言った。
次に被害者について調べるも、やはり4人はまるで面識のない4人で、姿形の特徴が似ていただけ。
住むところも出身地も異なっていた。
「まさに『切り裂きジャック』ですね…彼の場合娼婦を狙ってましたが…」
「切り裂きジャックは解剖まではしてないのでは?」
「確かに。そう思うと切り裂き男の方が残忍ですね」
ジェシーも眉を潜めてLと共に監視カメラ映像を見たり資料を読んだりしていた。
翌日。
その日は天気はあまり良くなかった。小雨が降っている。
私はいつもどおりおきると、捜査室にはすでにジェシーとLが座っていた。
自分だけ寝ていたのが申し訳なくなった。Lはともかく、ジェシーは普通の人なのに睡眠時間を削ってサポートしている。
「おはようございますゆづき」
「あ、おはようございます…ジェシー、朝食は取られましたか?」
「まだよ」
「ではあなたの分も簡単につくります」
「ありがとう!」
ジェシーは Lのすぐそばに椅子を一脚運び、そこで沢山の捜査資料を整理してる。
うーん、 Lの恋人は雑用で。第三者は仕事のサポートかあ…
逆だよな、普通。
私は苦笑しながらジェシーの分も朝食を作った。
それから3人で食卓を囲み、頂く。
その間もジェシーは甲斐甲斐しく Lの世話をした。パンに沢山のジャムを塗って手渡す。いつもなら私がしていたこと。
Lは考え事をしていたためか、それを素直に受け取って食べた。
ただ、それだけの事なのに…私は自分の心がムズムズとするのを感じる。
なんと、狭い心。
自分がこれほど心が狭いとは、今まで知らずに生きてきた。
Lの隣で笑うジェシーを見ると複雑な気持ちになる。熱い眼差しでLを見つめる彼女を見ると、底しれぬ不安を覚える。
彼女を日本に連れてくるよう頼んだのは私なのに。
矛盾する自分の心に、疲れていた。
こちらに近寄ってくる。
「なんですか」
「日本に来てることで私のボルテージは上がっています」
Lはそう言うと、キッチンに立つ私を後ろから抱きしめた。
「L、料理しにくいし危ないから」
「料理は後でいいです」
「Lがぜんざい食べたいって言ったんでしょう」
「甘いものは推理に必要不可欠です、しかしそれより光さんの愛の方が必要不可欠です」
緩めない Lの腕が苦しい。私は一度火を切った。
本当にやけどしかねない。
「思い出します、あなたと過ごした日々を」
「…わかるけど」
「イギリスでの生活も楽しく素敵な思い出ですが、やはり日本での生活は忘れられない。」
「…色々あった1年だったね」
思いを馳せては切なくなる。あの1年にあった、様々なこと。
Lとしあわせな時間もあっけど、辛いこともあった。
「光さん、イギリスに帰ったら」
「なに?」
「…なんでもありません」
Lはそんな勿体ぶるような言い方をし、私の頬にキスをする。
「さあ、あなたもキスしてください」
「さ、さあって言われるとしづらい」
「では、あなたもキスしてください」
「ではも一瞬!言い方の問題じゃなくて…」
私はLの腕を無理やり解く。そして彼と向き合うと、腕を引っ張ってソファに連れて行く。
「光さんこのまま押し倒」
「すわけないでしょ!」
私はソファにLをどんと座らせる。
「料理の邪魔です。ちゃんと事件のこと考えてて」
「ちゃんと考えてますよ…」
「もっと真剣に」
私が言うと、拗ねたように指の爪を噛む。いつまで経っても、子供のような仕草。
私は参ったとばかりに笑い、軽く Lの頰に唇を落とした。
Lの顔が、すぐに笑顔になる。
なんて単純な、世界の切り札。
「もう邪魔しません」
Lはそれだけ言うと、パソコンの操作を始めたのだった。
それからLはジェシーが運び込んだ多数のモニターに監視カメラの映像を映してずっと見ていた。
その光景がまた、2年前と被って懐かしい。微笑ましく眺める。
ただ私には困ったことがあった。
ホテル生活でピカピカに磨かれた部屋たちは掃除する必要がなく、洗濯も必要なくなってしまった。
つまり、普段より更に手持ち無沙汰。
Lにお菓子は作るものの2年前ほど量が必要なわけでもなく時間を持て余す。
英語の勉強グッズ、持ってくればよかったと、後悔した。
監視カメラには、警察の報告するように有力なものは何も写っていなかった。
被害者が歩く様子などが所々映ってはいるが、ちょうどカメラのない場所へ足を踏み入れたところで犯行は行われていたようだ。
Lは感心したように、犯人の用意周到さがすごい、と唸った。
犯行場所はバラバラだったが、すべての場所において監視カメラのない場所を選び実行している。
その上、犯行した場面どころか、その後逃走する不審車両すらカメラでは見当たらない。大分範囲を広げて見てみるもやはりいない。
被害者をさらった後の逃亡ルートも考えられているに違いない、とLは言った。
今の時代監視カメラは山ほど設置されている。特に被害者はそれなりに人通りのある街の近くでさらわれている。
そんな道中でこれほど証拠が残らぬよう動くのはとても難しいことだとLは言った。
次に被害者について調べるも、やはり4人はまるで面識のない4人で、姿形の特徴が似ていただけ。
住むところも出身地も異なっていた。
「まさに『切り裂きジャック』ですね…彼の場合娼婦を狙ってましたが…」
「切り裂きジャックは解剖まではしてないのでは?」
「確かに。そう思うと切り裂き男の方が残忍ですね」
ジェシーも眉を潜めてLと共に監視カメラ映像を見たり資料を読んだりしていた。
翌日。
その日は天気はあまり良くなかった。小雨が降っている。
私はいつもどおりおきると、捜査室にはすでにジェシーとLが座っていた。
自分だけ寝ていたのが申し訳なくなった。Lはともかく、ジェシーは普通の人なのに睡眠時間を削ってサポートしている。
「おはようございますゆづき」
「あ、おはようございます…ジェシー、朝食は取られましたか?」
「まだよ」
「ではあなたの分も簡単につくります」
「ありがとう!」
ジェシーは Lのすぐそばに椅子を一脚運び、そこで沢山の捜査資料を整理してる。
うーん、 Lの恋人は雑用で。第三者は仕事のサポートかあ…
逆だよな、普通。
私は苦笑しながらジェシーの分も朝食を作った。
それから3人で食卓を囲み、頂く。
その間もジェシーは甲斐甲斐しく Lの世話をした。パンに沢山のジャムを塗って手渡す。いつもなら私がしていたこと。
Lは考え事をしていたためか、それを素直に受け取って食べた。
ただ、それだけの事なのに…私は自分の心がムズムズとするのを感じる。
なんと、狭い心。
自分がこれほど心が狭いとは、今まで知らずに生きてきた。
Lの隣で笑うジェシーを見ると複雑な気持ちになる。熱い眼差しでLを見つめる彼女を見ると、底しれぬ不安を覚える。
彼女を日本に連れてくるよう頼んだのは私なのに。
矛盾する自分の心に、疲れていた。