風邪
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寒気がする。
喉が痛い。
食欲ない。
…完全に、風邪ひいた…
「光さん大丈夫ですか?氷枕です」
ワタリさんが頭にあててくれる。
ひんやりとした気持ち良さが心地よい。私は布団の中でぐったり横になりながら彼を見上げる。
「ありがとうございます…迷惑かけてすみません。」
「とんでもない。おかゆか何か用意しましょうか?少しでも食べた方がよろしいかと」
「今は食欲ないんです…また後でもらいます」
「そうですか、他に何か必要なものは?」
「大丈夫です、ワタリさん忙しいのでお仕事に戻ってください。一人で大丈夫ですよ…ありがとうございます」
「そうですか?何かあればすぐにお呼びください」
彼は心配そうに私を覗き込むと、優しく微笑んで部屋から出ていく。
私は白い天井を見上げた。
こんなにガッツリ体調崩したのいつぶりかな…
全身の悪寒が心地悪い。体調を崩している場合ではないのに。早く治さなくては。
私は咳き込みながら、眠りについた。
首元がなんだか冷たい。
私はそっと目を覚ます。
ぼんやりとした視界に、予想外の人がうつった。
「…L」
「起こしてしまいましたか。」
Lは珍しくベッドの淵に足を下ろして腰掛けている。
「熱高いですね」
Lはどうやら私の首元を触って熱を見ていたらしかった。彼の手が当たっているのにようやく気がついた。
「喉痛いです…」
「薬は飲みましたか」
「ワタリさんにもらったヤツを…」
Lがペットボトルを差し出してくれる。
「水分はよくとってください。」
私は少しだけ状態を起こし、水を飲む。
悪寒は止んでいた。そのかわり今度は熱い。だいぶ熱が上がってきたようだ。体がだるい。
「ありがとう、L…」
私はなんとかそれだけ言うと、再び横になる。
「捜査はいいんですか、一人で大丈夫ですよ…」
「今はひと段落ついてます。あなたが心配です」
心配そうに覗き込ん彼の顔を見上げて、ふっと微笑む。
なんだか思い出すなぁ、子供の頃熱出してお母さんに看病されてたことを。
いつも心配そうに私を覗き込んで、おかゆだのゼリーだのジュースだの買ってきてくれて。
風邪はいやだけど、そんな母をみるのは少し嬉しかったりする。
「…じゃあちょっと、手を握ってください…」
Lは私の手をそっと握った。
冷たい手。心地いい。
そうだ、小さな頃はこうしてお母さんにも手を握ってもらってた。
「気持ちいいです…」
私は目を閉じて、また眠りにつきそうなる。
そんな私の口に、Lはそっとキスを落とした。
驚いて目を開ける。
「…うつりますよ、L」
「あなたの風邪ならうつりたいです」
「馬鹿言わないでください。キラ捜査があるでしょう」
世界のLが体調不良で倒れたりなんかしたらシャレにならない。
私が言い終わるかどうかと言う時に、再びLがキスをする。
Lの冷たい舌がゆっくりと入り込む。力なく私はそれを受け入れた。
ひんやりとした感覚がなんだか心地よかった。
「熱いですね、光さん」
「もう…うつっても知りませんよ…」
「うつしてください。」
そっと私の髪を撫でる。
「あなたに看病されるなら…病気も悪くない」
そっとLが微笑む。
「…私は嫌ですよ…Lにうつしたくないです…お互い元気なまま、が一番です」
「確かにそれには勝りませんね。早く治してください」
ぎゅっとLが手を強く握った。
その安心感が、私を眠気に誘った。
「うーん完治!!!」
私はキッチンで大きく伸びをする。
Lは相変わらずの姿勢でソファに座ってた。
「ご心配おかけしましたL。今日はいっぱいケーキ作りますね!」
「はいよろしくお願いします」
体が軽い。朝からもうほとんど全快だ、我ながら驚異の回復力だ。
早く治ってよかった。
色々世話をしてくれたワタリさんやLのおかげだ。
意気揚々とキッチンで道具を出しながら私は声を掛けた。
「ところで、うつってませんか?」
「健康です、残念ながら」
「よかった!いいことじゃないですか。残念だなんて。」
「計画が狂いました」
「は…?」
私はキョトンとする。
Lはつまらなそうに爪を噛みながら続ける。
「あなたの風邪をうつされてあなたに優しく看病されるという私の計画です」
「…」
「光さんに熱を測ってもらったり食事を食べさせてもらったり優しく介抱される予定だったのですが…」
作戦失敗です、とLはため息をついた。そんな彼の横顔を呆れて見る。
昨日の発言…
ガチだったんかい…
心の中で突っ込んだ。
