肩こり
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夜、2人でお茶してるときのこと。
「肩こるなぁ…」
私は肩をゆっくりと回す。それだけで肩から鈍い音が響いてくる。
昔から肩こりはひどい方だ。ここ最近、また悪化した気がする。
隣で紅茶を飲んでいたLがこちらをみた。
「肩こりですか」
「はい、昔からひどいんですよね…」
「揉んであげましょう」
「え、いいんですか!?」
マッサージは気持ちいい。よくお母さんとし合いっこしてた。機械よりやはり人の手でほぐされる方がぐんと肩こりには効くと思っている。
「嬉しいです、お願いしてもいいですか?」
私はLに背を向ける。
Lは紅茶を置くと、私の肩に手をかけた。
世界のLに肩揉みしてもらうとか、めちゃくちゃ贅沢じゃない?
でもLって人に肩揉みとかしたことなさそう…
ちゃんと出来るのかな…
「…っわ!」
つい、声が漏れる。
肩に感じるLの手の動きに衝撃を受ける。
き、気持ちいい!凝ってるポイントをついてくる!
力加減も丁度いい!
プロ見たい!
世界のLがマッサージが上手いなんて想定外だった!
「んっ。あー…めっちゃ気持ち…いいです…」
「筋肉の構造を理解していれば大体凝りやすいところはわかります」
「あ、そこー…ん〜」
目を閉じて身を任せる。
まるでおっさんのような声が漏れてしまう。だって、Lの力加減が絶妙すぎる。突如に肩が温かくなってくる。
肩がほぐれる〜。明日は軽くなって動きやすそう…
そんなことを考えながらうっとりしていると、突然Lの手が止まった。
「…光さん」
「はい?」
「その声、あなた誘ってるんですか?」
私は振り返った。
Lがこちらを見ている。何やら、悪いことを思いついたような顔…
嫌な予感だ。
「え…」
「誘ってるとしか思えない声です」
「いや、おっさんみたいな声だったでしょうに」
「私はいつでも大丈夫です。このままあなたの部屋に行って全身を揉み解してあげ…」
「話を聞きなさいこのセクハラ!」
こうなると話題を無理やり逸らさないことには彼はしつこい。というか、ただのマッサージでなぜこんな方向に持っていこうとするんだ。彼の執念を感じる。
私は立ち上がってLの背後に回る。
「ほら今度はLの番ですよ!」
「私は別に凝ってません」
「いいからー」
「それよりもっとあなたの肩を揉まれてくださ」
「ほら、行きますよ!」
私はそう言ってLの肩に手を置いた。ぐっと親指に力を入れた瞬間、
…!!?!
な、
な、
なんだこりゃ!!
「え、L…肩凝ってないんですか?」
「はい」
「いやあなたの肩岩みたいですよ…ガチガチもいいとこです、指がまるで入りません。防弾チョッキても着てるんですか?」
「光さん防弾チョッキ揉んだ事あるんですか」
「想像ですよ、それぐらい固いんですよ!」
思えばこの人は病的な猫背。
いつも同じ体制で動かないし、肩こりしててもおかしくない。しかし、無自覚とは。これほど凝ってて!?
「別に気になったことはありません。それより光さんもう一度あなたを…」
「いやいやいや、これは凄いですよ!ちょっと…もう少しほぐしましょう!」
なぜか私のマッサージスイッチが入り、竜崎の肩に力を込める。
竜崎は目を丸くしてされるがまま。
そしてーーーー
ーーーー
ーー…
「凄いです光さん、体が自分のものではないようです」
「そ、それはよかった…」
ゼエゼエ息しながら私は答えた。
数十分揉み続け、Lの肩は少しだがほぐれたように感じる。いやむしろこんなに揉んでこれほどしか改善しないのかと言いたいくらいだが。
それでも岩だった肩から少しは人間らしくなった。
「ありがとうございます」
「どういたしまして…私よりプロに任せてみてください、きっと凄く体変わりますよ」
「あなた以外に体に触れられるなど。耐えられません」
Lはそういうとくるりと振り返り、前から私の肩をがしっと掴んだ。
ぎょっとして顔を上げる。
そこには、未だ悪巧みを考えるような顔をした口角を上げたLの顔があった。
「さあ、私の番です」
こ、これは。きっと、よくないパターンだ!
「も、もう結構ですL!」
「少ししかしてませんよ。肩だけではなく他の場所も全て揉みほぐして…」
「どこのセクハラじじいの発言ですか!」
体を後ろに下げていく私に、ぐいぐい彼は迫ってくる。
「さあ、光さん、腰もやりましょう」
「い、いいいりません!」
「ここでは狭いですね…仕方ない、光さんの部屋に移動しましょう。横になって体を伸ばしながら全身の凝った場所を探し当てますからあなたはベッドに横にな」
「なるかー!!」
私は大声でLに突っ込むと、あわててソファから立ち上がって自分の部屋に逃亡したのだった。
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