安らかに眠るあなたに
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夜、捜査室でLとお茶をしようと部屋を覗くと、いつものようにソファに座っている彼がいた。
が、ふだんと違い、首が垂れているのがわかった。
(あれ…もしかして)
私は忍足でLの正面に回る。
やはり。彼はL座りをしたまま、寝入っていた。
規則的に動く呼吸。安らかな寝顔。
最近時々夜私の隣で寝てる事はあったのだが、それでも彼は人間離れした睡眠時間であることに変わらなかった。
捜査で疲れているのは十分分かっていた。彼は総指揮。頭の中は誰も理解できない世界一の名探偵。
私は横顔を見つめる。穏やかな表情に笑みが漏れた。
これで少しはあのクマが薄くなればいいけど…
私は自室へ一旦戻り、毛布を一枚持ってくる。
起こさないようにそっと彼の肩に掛けた。
風邪ひいたら大変だからね。世界のL。
「いつもお疲れ様です、L」
小声で呟き、ふわりと彼の髪に触れた。
私はLから少し離れてソファに座り、貴重な彼の寝顔を微笑みながら眺めた。
ふと気がつくと、眩しい光に目を細める。
はっとした。どうやら私もソファで寝てしまっていたらしかった。
体を起こすと何かが肩から滑り落ちる。ふと見ると、私が持ってきた毛布だった。
あれ、これは…
「起こしてしまいましたか」
声のする方を見れば、Lがパソコンを眺めていた。
「L、もう起きたんですか」
「わりと頭はスッキリしています。光が掛けてくれたんですね、毛布」
「あ、はい」
「しかし私には掛けて自分は何も掛けずに寝るとは。風邪ひいたらどうするんです」
「あはは、寝るつもりはなかったので…結局Lがまた私に戻してくれたんですね」
Lはこちらを見て少し微笑む。
「ありがとうございました。その毛布、温かいですね」
「ああ、気持ちいいですよね」
「もう少し借りててもいいですか。」
「え?あ、いいですよ」
確かにLはいつも薄着で靴下も履かないし、足元とか冷えるかもしれない。
私は毛布をLに渡す。
「光さんはちゃんとベッドで寝てください」
「はい、ありがとうございます」
「添い寝しましょうか」
「一人で寝れます」
残念そうに爪を噛むLに私は少し笑うと、捜査室を後にした。
翌朝。
少し寝坊して捜査室へ入った私は、扉を開けた瞬間驚いた。
ソファの上に、なんかいる。
すでに来ていた松田さんがこちらを見た。
「あ、ゆづきちゃんおはよう〜」
「おはようございます」
「竜崎あれどうしたの?」
ソファの上にいたのは竜崎だった。毛布を頭から被って、ゆきんこみたいになっている。
「…?竜崎、どうしたんですか」
私も疑問に思って答える。
竜崎は言った。
「寒いので」
「風邪ですか?」
「いいえ、大丈夫です」
今はもう春だ。真冬でも竜崎は寒い、なんて言ったことなかったのに。
私は首を傾げながらも深くは聞かなかった。
竜崎はその日1日毛布を頭から被っていた。
捜査員の人たちに聞かれるたび、
「寒いので。」
と言っていた。
昼間にもなれば日が出てきてむしろ暑いくらいになる季節だというのに。
もしや本当に、風邪ひいたのだろうか?
私は痺れを切らして竜崎の元へ行った。
「竜崎、まだ寒いんですか?」
「ええ」
「それ風邪ですよ。今日は全然寒くないですよ?」
「風邪ではありません。大丈夫です」
「なんで言い切れるんですか。ちょっと熱測りましょう」
「風邪ではありません」
私はもう竜崎の言うことを無視して彼のおでこに手を当てた。が。至って平熱、むしろ低そう。
「熱ないみたいですね…」
「当然です」
「じゃあなんでそんなずっと毛布かぶってるんですか。よほど感触が気に入ったんですか?」
すると竜崎は言った。
「ゆづきの匂いがするので」
「………」
私は無言で毛布を剥ぎ取った。
「ゆづき、それがあれば私の推理力がアップしてるのです返してください」
「ちょうどワタリさんにクリーニングお願いしようと思ってたので」
「クリーニングなどもったいない!せっかくのあなたの香りが消」
「黙りなさいそこの変態!」
私は一喝して、ワタリさんに毛布を託したのだった。
