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…………after that
ゆづきちゃんへ
元気ー?!風邪引いてない?
ミサは元気にしてるよー!
戸惑ってたイギリス生活は最近どう?
英語も慣れたかなー?
ゆづきちゃんが英語苦手って、超意外だったけど!
ゆづきちゃんをイギリスなんて遠いとこに連れてっちゃった竜崎さん、今でも恨んでるぞー
ま、しょうがないよね。それがゆづきちゃんの幸せだもん。
ちょっと返事が遅れちゃってごめんね。最近忙しくて。
ミサ、本格的にお仕事開始しました!
久々だったけど、すぐに感覚も戻ってきたよ。
でね、最近屋外で撮影があったとき、野次馬が結構いたんだけどさ。
その中に来てくれてたの。マッツーたちが。
忙しくてあまり話せなかったけど、ミサが芸能界復帰したこと、すごく喜んでくれてて、なんだかミサも嬉しかった。
前ゆづきちゃんが、ミサは一人じゃないって言ってくれたでしょ。
ほんとだなーって、実感しちゃった。
まだライトのことは思い出すし、泣いちゃうけど。
なかなか忘れられないよね、好きな人って。
仕事が落ち着いてオフ取れたら、イギリス遊びに行ってみたいなーゆづきちゃんに案内してもらいたい!
てか、仕事でなんとかなんないかなぁ…イギリスで撮影とか…って、図々しすぎ?
とにかく、ゆづきちゃんに会いたいよー!話したいこと沢山ある!
またイギリスの写真送ってね。待ってるよ〜!
ミサヘ
元気そうで安心したよ。私も元気!
慣れない英語で苦戦してるけど…まあ、竜崎やワタリさんがフォローしてくれるから、日常生活は何も困ってないんだけどね。
でも、ミサが来てくれた時に案内出来ないと困るから、やっぱり英語頑張るね!
実は、松田さんからのメールで芸能界復帰したこと知ってました。すごーく喜んでたよ。
竜崎にお願いして、ミサがのってる雑誌入手したよ。相変わらず可愛くて素敵だった!
お仕事大変だと思うけど、これからも頑張ってね。
月くんのことは…当たり前だよ。
忘れようとする必要なんてないんじゃないかな。だって、好きなひとだもん。忘れるなんて無理だよ。
ミサが月くんを思い出してあげることは、月くんも喜ぶと思う。泣いたっていいんだよ。
今竜崎の抱えてる仕事がひと段落したら、日本に一度帰ろうかと話してます。
その時は、私はミサの家に泊めてもらおうかな。
私もミサに話したいこと、たくさんある。
イギリスから、ミサの活躍を応援しています。
私は送信ボタンを押すと、パソコンの電源を落とした。
少し目が疲れた気がして、一旦目を閉じた。
「弥ですか?」
背後で声がする。突然だったため、私の心臓が飛び上がった。
振り返ると、いつもの白い服、青いズボンでエルが立っていた。
「エル!びっくりした!」
「相変わらず仲いいですね」
エルは驚かせた事を特になんとも思ってないようで話を続ける。
「…芸能界に復帰した報告をくれて…もう知ってたけど」
パソコンの横に置いてある雑誌を見る。全然変わらないミサがそこで笑っていた。
「よくそこまで立ち直ったものです。あなたのおかげですね」
「私は何もしてない。ミサの心の強さだよ。いつか、イギリスへ遊びに来たいって」
「なるほど、それまでにあなたの英語の能力を上げておかねばなりませね」
言われてしまった。
心配性であるエルのせいもあって、私は外出は殆どワタリさんかエルと一緒。まだ一人でなかなか出掛けれていない。
「とりあえず日常会話くらいなんとか頑張る…何言ってるかはなんとなく分かってきたんだけどなあ」
「必ず慣れます。そういうものです。さ、もう遅いです。寝ましょう」
エルに言われ私は素直に立ち上がった。
二人並んで寝室へ移動する。
ここへ来てから、エルは私の就寝時間になると共にベッドに入り、寝るようになった。
どうやら2.3時間で起きて夜中から仕事をしてるようだけど…
何日も寝ず、極限まで起きていたあの頃と比べるとすごい進歩だ。
目の下に出来たくまは、少し…ほんのすこーし薄くなった気がする。
さらに、私が食事をする時は、共に座って食卓を囲んだ。少し通常の食事を取るようになった。
甘いものは相変わらず好きだけど、だいぶ人間らしくなったと言える。
寝室に入り、二人では広すぎるほどのベッドに横になる。
エルは膝を曲げ体をまるめて横を向いている。
私たちは向き合うように寝転がった。
「今更だけど、エル寝たり食べたりするようになったの、すごい進歩だよね。どういう心境の変化?」
「あなたが言ったんですよ」
「え?」
「この生活では体を壊すと。今は若いからいいがこれから先が危ないと。」
それはまだ出会って間もない頃の?覚えてたのね。
「健康に気遣うようになったんだ、成長成長」
「あなたと、1日でも長く一緒にいたいので。」
エルが、私の手をにぎりしめた。
温かいぬくもりが伝わる。
「あなたとこれからもずっと一緒にいて…共に年をとり、皺だらけになりながらも笑い合い…そして、最期のその時をむかえるまで、私はあなたと一緒にいたい」
エルの言葉を聞いて想像した。
今から何年先、何十年先。
隣で笑ってるのはあなた。
そんな素敵な未来。
エルの手を握り返す。
私もだよ、と伝えるように。
「それに甘い物もそれほど取らなくても推理力は好調だと分かりました。」
「そうなの?」
「特に推理力が上がるのはやはり前日に夜のいとな」
「エル電気消すよ」
私は空いてる手で部屋の電気を消す。
暗闇の中で、エルが笑う。
「あなたは相変わらず照れ屋ですね」
「普通です。」
「日本の女性は恥じらいがあるといいますがまさにそれです」
「あなたはもっと恥じらいを持つべきです」
広い部屋で、二人の声だけが響き渡る。
手のぬくもりが溶け合う。
「…エル」
「なんでしょう」
「呼んだだけ」
呼ぶ名がある。返事をしてくれる人がいる。
明日も、明後日も、その先も。
あなたとこうして眠りたい。
「おやすみなさい、光さん」
「おやすみなさい」
end