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夢小説設定
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次の瞬間、
Lの体がゆっくりと倒れ
床に打ち付けられた
倒れ込んだLを見ても、月くんは驚かない。
冷たい目でLを見ている。
こんな目の月くんを…私は見たことがなかった。
Lは胸を掴み、苦しむ。
「…死神を………使ったのか…」
問う彼。
月くんは少し微笑んで答えた。
「レムは…優しい死神なんだ」
Lは苦しみつつ、月くんの足元で這う。
「夜神月……やはり、……お前が、キラ!」
月くんはLを見下しながら笑って冷たく言い放った。
「名前くらい知りたかったよ…馬鹿」
驚愕するL。
「わたし…は…まちがって…なかっ…」
次の瞬間、
Lの心音を示す音が
ピーーーーーーーーー
長く、響いた。
Lは目を閉じ、冷たい床に横たわったまま、動かなくなった
月くんは満足げに、幸せそうに、笑った。
彼はすぐさまその部屋から移動し、レムがいた場所を探し出した。
そこはすぐそばにある小部屋だった。
足元に、白い粉が散らばっている。
それと 一冊の デスノート
「…レムが使っていたものか」
月くんは呟くと、そのノートを拾い、すぐに開いた。
胸ポケットに入っていたボールペンを手にする。
『夜神総一郎
心臓麻痺』
ノートを求める者に手渡して死亡
そう、彼は書いた
少し経ったあと、夜神さんが戻ってきた。
手には、あのアタッシュケースがあった。
月くんはそっと立ち上がる。
「父さん…デスノートを、僕に頂戴…」
夜神さんは表情を変えない。
「僕は父さんを尊敬してるよ…
だからこそ、分かってくれると思う。
僕がこれからしようとしてること」
月くんが言い終えると、夜神さんはアタッシュケースの鍵をかちゃかちゃと開けた。
月くんが微笑んだ時、
そのアタッシュケースが開いた。
中は、
空だった。
「…?!
父さん…デスノートはどうしたの」
「…月。全て見させてもらった。監視カメラの映像と、…お前の声を」
「…え?」
月くんが呟いた時、ほかの捜査員が走り込んでくる。拳銃をかかえ、月くんの周りを包囲した。
中に、ワタリさんの姿もある。
その光景に言葉もなく驚愕する月くん。
夜神さんはアタッシュケースを捨てた。
「月…お前を、キラ容疑で、逮捕する」
そう言った時、捜査室に声が響いた。
「月くん、友達になれず、残念です」
そこには猫背の男と、
白い死神が立っていた
「なん…竜……レム…!?」
目を見開いてワナワナと震える月くん。
私はその光景をみて、ポロポロと涙を溢した。
生きてる…!
Lが…生きている…!!
震える手を抑えるためにぎゅっと握りしめた。
「レム…!ありがとう…!」
握りしめた拳に、涙がいくつも落ちた。
賭けだった。
レムは最後まで、協力するとは言わなかった。
「私はお前たちの言う通りにするとは約束しない。だが、今日聞いた話は覚えておこう」
そうレムは私に言った。
私とLは彼女を信じようという結論に至った。
Lの命をー賭けたんだ
「レム…!お前…裏切ったか!じゃああのノートは、偽物…!」
取り乱した月くんが叫ぶ。
Lはゆっくり歩き、月くんから離れたソファにいつものように腰掛けた。
「死神は私たちに協力するとは最後まで言ってくれませんでした。…かなり危険な賭けでした。私たちはレムに、ある条件を提示して、『何もしないように』言ったのです」
「み、ミサ…!ミサはどこだ!何してる!」
「弥海砂はこちらに向かっていません。普通に家にいるでしょう」
「な。に…?」
「弥海砂は、デスノートの記憶を取り戻していません」
月くんの目が見開く。
「………は」
「あなたが埋めたデスノート、弥が掘り起こしに行く前に、こちらで手に入れました」
「なぜ…?なぜ知っている、デスノートを…!」
そこまで言って月くんは、はっとした表情になる。
「まさか…予知?」
にやりと、Lは笑った。
「その通りです。ゆづきが、弥の掘り起こすところを予知で見ました」
震える月くん。
「予知が消えたのは…嘘だったのか?!」
「いいえ。彼女は本当に予知能力を失っていました。このタイミングで、それが蘇ったのです。その上、以前よりも強い力で」
「…あの女…!」
憎らしげに言う月くんを見て、私はつい目を閉じた。
優しく笑う月くん。
…こんな…憎しみで包まれる彼なんて…知らない…
誰?
ここにいるのは、誰なの?
モニターの中で、Lは続けた。
「犯罪者裁きの報道はフェイクです。弥は実際あの場所に行きましたが、そこには適当なアクセサリーと、しばらく会えないと書いた手紙を埋めておきました。弥には申し訳ないですが…彼女は照れ屋な月くんからのプレゼント、とポジティブに受け取ってくれました」
Lはすっと、もう一冊のデスノートを取り出した。
「これが本物のデスノート。」
「……っっ…」
「隣の部屋には、白い粉と、偽物のデスノートを置いておきました。あなたが持ってるそれです」
月くんはLの目を盗み、時計を触る。
しかしそれを、松田さんが銃で打って跳ね除けた。
時計が吹き飛ぶ。
月くんはなおも時計を拾おうと走り出す。それを更に、松田さんは銃撃した。
月くんは足を撃たれ、その場で倒れる。
壊れた時計の中には、小さな針、それと火口の名前が書かれたノートの切れ端があった。
「デスノートの切れ端ですね…やはり隠し待っていた。それで火口を殺した。」
足から出血するのを、月くんが痛そうに抑えた。
Lは、月くんを見つめて言った。
「…月くん。あなたに、提案があります」
苦痛の表情をしながらも、月くんはLを見た。
「…少々不本意ですが…
デスノートの所有権を、今すぐ放棄してください」
「…なんだと…?」
月くんの表情が固まる。
Lはデスノートを指先で摘み上げ、眺める。
「このノートを持った者は、狂気と化す。それは死神のノートゆえの目には見えない力なのかもしれません。
あなたも弥も、記憶を失っている時の人間性に歪みは見られなかった。それは誰の目に見ても明白。
ですからここでノートを捨ててくれれば、このノートを『キラ』とし、あなたと弥は裁かずにいようと思っています。
記憶を無くした者の裁判は難しいですしね」
「…正気か…?キラを死刑台に送ることが目的だったんじゃないのか。お前たちも…!」
月くんは捜査員の顔を見る。
みんな、複雑そうな表情をしていた。
「言ったでしょう。不本意だと。私は完全に賛成はしていません。
ですが、ゆづきの強い要望です。それに何より、それが死神との約束だった…」
Lはレムを見る。彼女は微動だにせず、ずっと月くんを見ていた。
ーそう、月くんも、ミサもたすける。
それが、私がレムに持ちかけた条件だったんだ。
「月くん、今すぐ捨ててください。あなたにとって悪い話ではないはず。
あなたは神ではなく、一人の人間として、夜神月として生きるんです。」
「…夜神月と、して…?」
月くんは固まったまま呟いた。
お願い、月くん。
そのままノートを捨てて。
神となる道を捨てて。
元の、優しい、正義感の強いあなたに戻って!
私は手を合わせて祈る。
記憶を無くしていた時の、優しい彼を思い出す。
夜神さんの背を見て育ったんだと笑ってた。
キラを必ず捕まえるんだと意気込んでいた。
Lと本音をぶつけ合い、殴り合いの喧嘩をしていた。
あの人間らしいあなたに会いたい。
月くんはゆっくりと、微笑んだ。