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夢小説設定
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その時、目の前が真っ暗になった。
それは停電でもなく、はたまた私が意識を飛ばしたからでもなかった。
ただ、突然暗闇に放り投げられたように視界が変わる。
そしてそのまま、私の体はひどい浮遊感に襲われた。
体が持ち上がり、空へと登るように。
私は叫び出そうと口を開いたが、声がまるで出ない。
手足をバタつかせようとするも、それすらできない。
それとも、手足なんてもう無いのか。
すると周りの黒が、瞬く間に色を変えた。
白に、黒に、
黄色に、青に、赤に、紫に、緑に、金色に、灰色に、
目が痛くなるほどたくさんの色に変わった。
体がどんどん持ち上げられる。
と、次の瞬間
私の体は急落下して行った。
堕ちながら、見えた
悲しみが、喜びが。
愛が、憎しみが。
笑顔、涙、怒り
黒い影、白い影
叫ぶ人、泣く人
笑う人、嘆く人
明るい、暗い、
木々、土、街、
私の体はどんどんその中を堕ちていく。
何も見えなくなった時、遥か下に、何かが見える。
それは、両腕を開いた人だった。
私はその胸に向かっておちていく。
私を受け入れるように、待っていたよと言うように。
優しい笑顔で。
「お母さん…!」
母の胸に落ちた時、懐かしい匂いがした
「光さん!」
目を開ける。
そこには母ではなく、珍しく表情を歪めたLがいた。
彼は私を抱き抱えている。
「よかった…突然気を失われたので…」
ほっとしたようにLが言う。私は、ただ呆然としていた。
「…私の話にショックを受けたのでしょうか。それにしては発汗が凄いです。すぐに医者を呼びましょう。ほんの1.2分のことでしたが…」
私は無言のまま、自分で上半身を起こす。
確かに、たった1.2分でかいたとは思えないほどの汗を書いていた。前髪はべったりと額にはりついている。
「光さん、無理しないでください」
「…L」
「横になっててください。」
「大丈夫…原因は、分かってます」
頭がうまく働かないけれど、自分を冷静にさせるように私は深呼吸をした。
落ち着いて。そう、まず落ち着くんだ。
私はゆっくりと、Lを見上げる。
「…L」
「なんですか」
「私がこれから話すこと、信じてくれますか?」
低く真剣な声色に、Lは顔を引き締めた。
「…あなたのいうことなら、なんだって信じます」
聞いてほしい、私の話を。
…繋がった、一つの希望の糸を。