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夢小説設定
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竜崎の元へ行こうと着替えていた。
まだ時間は早いだろう。捜査員が残ってるかも。月くんも…
時計を見ては進まない針にイライラした。
早く竜崎に会いたい。話したい。ミサと月くんをどう思っているのか。
ため息をつきながら座っていると、そこへノックの音が響いた。
…もしかして、竜崎!?
私は飛び上がってドアへ向かい、勢いよく開けた。
しかしそこにいたのは、
「ワタリさん…!」
あの優しい老人だった。
「こんばんは、ゆづきさん」
「なんかお久しぶりですね?外で仕事してらっしゃることが多かったから…」
話して、ふと彼の表情が固いことに気がついた。
どこか顔色も優れないように見える。
「ワタリさん…体調悪いですか?顔色が…」
「ゆづきさん。竜崎がお呼びです」
小声で、そう言った。
「あ、行こうと思ってた所です…!随分早いですね?いつも遅くまで誰かいるから…」
「竜崎の部屋にご案内します」
「…へ?」
竜崎の、部屋なんてあったの??
いやそりゃそうか。彼が建てたビルだ、彼の部屋は普通あるだろう。
思わぬ月くんとの鎖生活で、使う機会がなかったんだな。
「そんな部屋あったんですね、すぐ行きましょう」
私はいつもの調子で答えるが、やはり、ワタリさんの表情は晴れない。
…どしたのだろう
「…何か、ありましたか」
まさか、竜崎に??
尋ねるが、彼は小さく首を振った。
「さあ、ご案内しましょう」
そう言う彼に疑問を抱きつつ、私はついて行った。
二人でエレベーターに乗り込む。普段なら何気ない会話をして私を笑わせてくれるワタリさんは、無言だった。
やはり、体調がよくないのか、それとも何かあったのだろうか…
私は彼の横顔を見上げる。
「…ゆづきさん」
「あ、はい?」
「…竜崎は、あなたと出会えて、本当に幸せそうです。ありがとうございます」
こちらを見ず、ただそう言った。
私は、返事ができなかった。
竜崎の部屋の前につき、ワタリさんは中に入ることもなく去っていった。
私は不穏な気持ちを抑えつつ、彼を見送ると、竜崎の部屋をノックし、そのままあけた。
「…竜崎」
中に入り、はっとした。
大きなガラス窓が張り巡らされた前に彼は立っていた。外を見ている。
キラキラと輝く夜景が全面に広がっていた。なんだか竜崎がそれに吸い込まれそうで、私はどきっとした。
彼が振り返り、私に微笑みかけた。
「こんばんは、光さん」
その名で呼ばれるのはいつぶりだろうか。思ったより普段通りの彼を見て、私は胸を撫で下ろした。
「こんばんはL…Lの部屋なんてあったんですね!眺めが素敵です!」
私は彼に駆け寄り、隣に並ぶ。二人で外を眺める。
しかしすぐに、近くにあった机の上に、厳重に保管されたデスノートがあるのに気付いた。
この綺麗な部屋と景色の中に、それは異質の存在だった。
「…あの、L…」
「あなたと二人になるのは久しぶりです」
Lはそういうと、私の方を見てぎゅっと力強く抱きしめた。
慣れたLの匂い。それがなんだか凄く懐かしく感じて、私も抱きしめ返した。
月くんのことをすぐに聞こうと思ってたけど、この幸せ、噛み締めてからにしよう。
ほんの数分…味わってもバチは当たらないはず。
安心感と高鳴る胸に包まれながら、私は彼の胸に顔を押し付けた。
その時、彼が一言。言った。
「エル=ローライト」
書き慣れないそれに、私は顔を上げた。
Lはじっと、私を見つめていた。
黒目の大きな瞳が、髪の隙間から覗かれている。
「それが、私の名です」
「エル…?」
私も知らなかった彼の名前。聞けて嬉しいけど、なぜ、急に…?
「なぜ、それを今…」
「私は今から、この名をデスノートに書き込みます」
言葉を無くした。
「…………」
「あなたの予知のおかげで、月くんがキラである事が決まりです。そして恐らく近々…私は彼に殺される」
なに?
なにを、言ってるの?
待って…
喉から空気しか漏れない。声が、出ない。
「…申し訳ないですが、私は完全勝利は出来なそうです。でも、あなたの予知がなければ、このままただ殺されていた。引き分けに持ち込むことにしましょう」
「………ぁ」
「デスノートで操れる死の期間は23日以内。私は23日後に死亡すると書き込む。ノートに一度書いたことは取り消せない、逆に言えば先に書いてしまえばその間は生きていられる…夜神月に殺されずにすむ」
「まっ…てL!」
よくやく絞り出せた声。
心臓が速い。息が苦しい。
頭がーぐるぐると、回っている。
「じゃあ…Lは…23日後に…死ぬってこと…?」
Lは私を長く見つめた後、小さくうなづいた。
死ぬ?
Lが?
私が見た未来はーーーーこれ??