6
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
危惧した竜崎たちは、まず松田さんの命を救う作戦を練った。
松田さんはヨツバグループへの潜入が奴らにバレたが、それはミサをタレントとして売り込むため、とごまかしたらしい。
その後ミサを呼び、ヨツバグループと対面。
そしてその幹部たちを、接待としてこのビルに招待することが即座に決まった。
ミサやその他にもモデル事務所の若い女の子を呼び出し、即興でパーティーが始まったのだった。
パーティーが盛り上がってるところで、松田さんはトイレへ駆け込み、竜崎に電話をかけた。
「竜崎、見てますか?]
「はい」
「今来た8人、あいつらはキラを使って殺しをする会議をしてました!この耳ではっきり聞いたんです。
もう完璧奴等ですよ」
まさかの松田さんの発言。潜入したときにたまたま耳にしたのだろうか。
私と月くんは顔を見合わせる。
「本当でしょうね…もし本当ならすごいですが…
しかしそれを聞いたのなら彼等は松田さんを殺そうと思ってるはずです」
淡々と言う竜崎。
松田さんは焦ったように俯いた。
「ああ…やっぱりそうなんですよね…助かる方法はないでしょうか?」
「幸いまだ生きているので助かるかもしれません…
それには…殺される前に死ぬ事です」
「………な…なるほど…」
松田さんの唖然とした声が響いた。
松田さんと電話で打ち合わせをしてる時、アイバーやウェディ、夜神さんたちも部屋から出て行く。
みな自分の持ち場に備えるのだ。
竜崎も電話を切ると、月くんに行きますよ、と声をかける。
とうとう誰もいなくなるこの部屋に、私はオロオロとした。
私だけ、なんの役割もなし。
…いつもそう、私は籠の中で守られている。
元々危険なことはさせないという約束だったけど、それは予知を伝えるという仕事があったから。
今は…予知すらできてないのに、他にも何もすることがないなんて…
そんな私を見て気づいたのか、竜崎がずいっと顔を近づけた。
「また、マイナスな思考で自分を責めてますね?」
「えっ…」
当たり。
「いいですか、あなたは私の力の源であるスイーツを作る、これがとても重大な役割です。それに…あなた自身の存在も」
「…」
横で見ていた月くんが微笑んで言った。
「ゆづきさん、大人しく待っててくれ。君に何か役割を与えようもんなら、竜崎が心配しすぎて失敗しそうだから。」
「…はい。待ってます。頑張ってください」
素直に言うと、竜崎はぽんと私の頭を撫でた。そして、月くんと共に去って行く。
…みんな、優しい。
私はふうと息を吐き、天井を見上げた。
…お母さん。
私、竜崎の死の未来、
変えられるのかなーーーー
その後。酔った振りをした松田さんは、余興と称してベランダの手すりで逆立ちをしようとする。
が、手を滑らせ転落。
しかし実際はすぐ下の階で突き出されたマットレスに助けられ、地面には松田さんの死体の振りをしたアイバーが倒れている。
慌てている幹部たちをよそに、救急隊員に化けた竜崎と月くんが、アイバーの体を回収したのだった。
翌日、新聞には、ミサのマネージャーが転落死した、と書かれた。
…松田さんはその記事の小ささに不満そうだったけど。
とりあえず、これで殺される心配はなくなった。
松田さんのかわりにミサのマネージャーになったのは模木さん。
そしてその後アイバーはコイルのふりをしてヨツバグループに電話で接触、
ウェディはセキュリティレベルを確認し、ヨツバに監視カメラと盗聴器を仕掛けるとこに成功した。
その盗聴器からは、次に誰を殺そうか、といったとんでもない会話が聞けた。
会議にいたのは7人。
もうこの会話だけで、証拠となるのでは、というくらいに。
捜査員たちは驚きつつも、喜びもあった。
確たる証言…。
しかしここで困ったことに、夜神さんや月くんたちの捜査方針と、竜崎の捜査方針にズレが生じた。
ヨツバの7名をすぐにでも逮捕し殺人を止めようという夜神さん側、一人のキラをあぶりだそうというのが竜崎の方針だった。
…正直、私はそばで聞いていて、ゆづきちゃんどう思う!?と、いつかの日のように松田さんに聞かれなくてよかったと思った。
夜神さんたちの言うことも最もで分かる。人命第一、殺人をやめさせよう。
竜崎の言うこともわかる。特定のキラが分からなくなるかもしれない、その上殺し方もわかってない。
…難しすぎる会話は、私は入れなかった。
が、ミサという重要な人物の協力を得てまた作戦が開始されることとなる。
「あれ、ゆづきちゃんはミサミサの部屋、行かないの?」
「ああ…あまりに難しいし、ちょっと…」
竜崎と月くんは今、ミサの部屋で彼女の意思を聞いている。
竜崎の考える作戦か、彼女が乗るかどうかの。
竜崎の作戦はこうだ。
コイルと名乗るアイバーから、ヨツバに連絡する。「弥海砂がLが正体を知ってるかもしれない」と。
ヨツバは食いついてミサに接触するだろう。cmに起用するに違いない。そしてミサからは、キラをとても崇拝している!と言わせる…
月くんはこの作戦に反対だった。ミサに危険が及ぶかもしれないから。
…やっぱり、変わったよなぁ…月くん。
私は監視カメラでミサの部屋の様子を見ている。
きっと、彼女はやる!と言うだろうなと思いながら…
「…そういえば、松田さん、すごい活躍でしたね。今更ですが」
いつのまにか隣に座って映像を見ていた松田さんに話しかける。
「結局は松田さんのおかげでぐっとヨツバに近づけたし…」
「いやぁ…勝手なことするなって竜崎に注意もされたけどね…」
「でも、無事でよかったです。私はそれが一番です」
彼をみて笑う。
「…前ゆづきちゃんに話したけど、僕にも出来ることを証明したくなっちゃって…結局は竜崎の作戦で命拾いしたんだけど」
やはり。劣等感から生まれた衝動だったか。
「松田さんは十分役に立ってますよ…ミサのマネージャーだって、信頼されてるから任されたんですよ?」
私なんて。
じっと、映像を見る。
「…捜査に関係のないミサまで凄く役に立ってるのに…私何もしてない。」
ぽつんと、呟いた。
いつのまにか背後に来ていた夜神さんが、私に尋ねる。
「あれ以降、予知はないんだな?」
「ええ…ちっとも。消えてしまったんでしょうね。なんで今なんでしょう…キラ事件が終わってから消えたらいいのに…」
捜査員に、竜崎の死の未来のことは話していない。
「ゆちゃん…」
「みんな優しいから、なんていってくれるのかは想像付きます。でもどうしても、心苦しい…」
私、役に立ててるかな。
竜崎の死を、避けられるのかな。
…見えない
『あなたは…何も…悪くないのよ…』
差し出された細い腕。
お母さん