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彼の向かいへ腰掛けた。
竜崎は月くんから離れた隣で寝息を立てている。
「ありがとうございます」
「こんな遅くまで捜査?」
「うん、少し気になることがあって…」
月くんはそう言ったが、すぐにパソコンを閉じた。目が疲れているのか、少し目の上を押さえる。
「そういえば、ミサが凄く喜んでた。ゆづきさんと仲良くなれたって」
「ああ…私も嬉しいな、仲良い女の子なんていなかったから…」
「予知能力とかあると、やっぱり大変かな」
彼は綺麗な指先でマグカップを取り、一口啜る。
「あ、ミサには言ってないけど、ゆづきさんの力のこと。今は消えてるみたいだし、あえて言う必要ないかなって」
「あ、ありがとう…」
「言ってどうこうなるとも思えないけど。ミサはもうゆづきさんにすごく懐いてるし」
「あはは、嬉しいな」
話しててやはり思う。
以前の月くんとは違う。
刺もなく、穏やかで、真っ直ぐな目。
「こうしてゆづきさんと2人でお茶したってバレたら、明日竜崎にどやされそうだな…」
「そんなことないでしょ…」
「いや、十分ありえる。竜崎の執着心はすごいから」
「ミサもね…」
「実はあの2人似てるのかな?」
「案外息ぴったりって、前に思ってた!」
私たちは顔を合わせて笑う。
しかしすぐ、月くんは真剣な表情になる。
「でも、申し訳ない…ゆづきさんも、こうして竜崎との時間もなくなってるわけだし…」
「えっ…そんな、月くんが申し訳なく思う必要ないよ、竜崎がやり始めたんだし…」
「でも、キラである疑惑を晴らせなかった僕の責任だ。状況的に僕が疑われるのは仕方ないと思ってる。監禁を申し出た時は無罪を主張するためだったけど…間違ってたな。本当のキラを捕まえてこそ、僕の疑惑が晴れるんだ」
強い口調で月くんが決意を話す。
そこに偽りはないと感じた。
やっぱり、彼はキラだと思えない。
私はそっと微笑む。
「月くんは…夜神さんに似てるね」
私が唐突に言ったためか、彼は驚いたようにこちらを見た。
「え、そうかな…」
「顔とかじゃなくて。他人にも自分にも厳しい正義感が。真っ直ぐで、固い思いが。夜神さんによく似てる」
夜神さんも、そう言う人。
共に捜査をしてきてわかる。
正義感の塊みたいな人。
「僕は…ずっと父の背中を見て育ってきたから。」
「自慢の息子だろうなぁ」
「キラ容疑者だけどね」
「なかなか使えない自虐ね」
私たちはまた顔を見合わせて笑う。
「私ね、両親がいないけど…」
「あ、そうだったね…」
「夜神さんの事、勝手に第二のお父さんにしてるの。
捜査員の人たちはみんな家族みたいな感じだから」
「え?じゃあ、僕たち兄弟かな」
「弟くん!」
月くんはまた声を上げて笑った。
「なるほど、竜崎は旦那さんだね」
「…えっ!!」
突然言われて、私は驚く。
意外そうに月くんが私を見た。
「え?家族って言うなら…竜崎の立ち位置はそこでしょう。」
「え、あ、そ、そうなるか…」
何を赤くなってるんだ私は。中学生でもあるまいし。
上昇する顔の温度を下げようと必死に冷静さを取り戻す。
私、年下のミサより絶対恋愛偏差値低い…
「そこは考えてなかったや…はは」
照れて気まずく笑う私を見て、月くんも笑った。
「ゆづきさんて普段すごく大人っぽいのに、突然少女みたいになるよね」
「れ、恋愛免疫ないだけです…」
「いや、とてもいいと思うよ。竜崎もそういうところに惹かれたと思うし。だって…あの竜崎を落としたって、すごいと思うよ?」
月くんがちらと目線をやった。竜崎は未だ気持ちよさそうに寝息を立てている。
「どうみても、竜崎ってあまり人に興味なさそうっていうか…捜査で頭の中一杯にしてそうだから…その世界の名探偵をここまで骨抜きにしてるの、素直に凄いと思う。」
「や、やめてくれる…恥ずかしいから…」
確かに、世界で活躍する人と恋人でいるって、信じられない奇跡だとはおもう。
初めて会った時の竜崎は近寄り難くて、どこか冷たい、ちょっと苦手な人だった。
…何処でこうなったんだろう。
竜崎は私のどこを見て好きになってくれたんだろう。
聞くのは、さすがに恥ずかしいけど。
月くんが目を細めて微笑む。
…そんな笑顔、今まで見たことなかったなぁ。
「…でも、月くんも凄いと思うよ」
「え?」
「あの竜崎と唯一渡り合ってるし…彼に、友達って呼ばせたくらいだから。2人は正反対に見えるけど、似てるところもあるんだと思う」
「うーん…まあ。負けず嫌いなところかな」
「あはは、それは間違い無いね」
私はもうだいぶ冷めてきたホットミルクを飲み干す。
それを見た月くんが言った。
「もう遅いし、休んだ方がいいんじゃないかな。ほんと明日、僕は竜崎に何をされるか分からないから」
「な、なにもしないと思うけど…つい話し込んじゃった、ごめんね邪魔して」
「ううん、僕もゆづきさんと話せて楽しかったよ。あ、僕が洗っとくから置いといて」
手に取ったマグカップをそっと奪うと、優しく笑った。
こういうところ、すごく素敵だと思うな。
……もしかしたら、まえいっていた、
無自覚にキラだーっていう話、案外正しいのかもしれない。ここ最近、本当に思ってる。
「…ありがとう月くん、じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみなさい、ゆづきさん」
私は竜崎の寝顔をちらりと見て、捜査室をあとにしたのだった。
竜崎は月くんから離れた隣で寝息を立てている。
「ありがとうございます」
「こんな遅くまで捜査?」
「うん、少し気になることがあって…」
月くんはそう言ったが、すぐにパソコンを閉じた。目が疲れているのか、少し目の上を押さえる。
「そういえば、ミサが凄く喜んでた。ゆづきさんと仲良くなれたって」
「ああ…私も嬉しいな、仲良い女の子なんていなかったから…」
「予知能力とかあると、やっぱり大変かな」
彼は綺麗な指先でマグカップを取り、一口啜る。
「あ、ミサには言ってないけど、ゆづきさんの力のこと。今は消えてるみたいだし、あえて言う必要ないかなって」
「あ、ありがとう…」
「言ってどうこうなるとも思えないけど。ミサはもうゆづきさんにすごく懐いてるし」
「あはは、嬉しいな」
話しててやはり思う。
以前の月くんとは違う。
刺もなく、穏やかで、真っ直ぐな目。
「こうしてゆづきさんと2人でお茶したってバレたら、明日竜崎にどやされそうだな…」
「そんなことないでしょ…」
「いや、十分ありえる。竜崎の執着心はすごいから」
「ミサもね…」
「実はあの2人似てるのかな?」
「案外息ぴったりって、前に思ってた!」
私たちは顔を合わせて笑う。
しかしすぐ、月くんは真剣な表情になる。
「でも、申し訳ない…ゆづきさんも、こうして竜崎との時間もなくなってるわけだし…」
「えっ…そんな、月くんが申し訳なく思う必要ないよ、竜崎がやり始めたんだし…」
「でも、キラである疑惑を晴らせなかった僕の責任だ。状況的に僕が疑われるのは仕方ないと思ってる。監禁を申し出た時は無罪を主張するためだったけど…間違ってたな。本当のキラを捕まえてこそ、僕の疑惑が晴れるんだ」
強い口調で月くんが決意を話す。
そこに偽りはないと感じた。
やっぱり、彼はキラだと思えない。
私はそっと微笑む。
「月くんは…夜神さんに似てるね」
私が唐突に言ったためか、彼は驚いたようにこちらを見た。
「え、そうかな…」
「顔とかじゃなくて。他人にも自分にも厳しい正義感が。真っ直ぐで、固い思いが。夜神さんによく似てる」
夜神さんも、そう言う人。
共に捜査をしてきてわかる。
正義感の塊みたいな人。
「僕は…ずっと父の背中を見て育ってきたから。」
「自慢の息子だろうなぁ」
「キラ容疑者だけどね」
「なかなか使えない自虐ね」
私たちはまた顔を見合わせて笑う。
「私ね、両親がいないけど…」
「あ、そうだったね…」
「夜神さんの事、勝手に第二のお父さんにしてるの。
捜査員の人たちはみんな家族みたいな感じだから」
「え?じゃあ、僕たち兄弟かな」
「弟くん!」
月くんはまた声を上げて笑った。
「なるほど、竜崎は旦那さんだね」
「…えっ!!」
突然言われて、私は驚く。
意外そうに月くんが私を見た。
「え?家族って言うなら…竜崎の立ち位置はそこでしょう。」
「え、あ、そ、そうなるか…」
何を赤くなってるんだ私は。中学生でもあるまいし。
上昇する顔の温度を下げようと必死に冷静さを取り戻す。
私、年下のミサより絶対恋愛偏差値低い…
「そこは考えてなかったや…はは」
照れて気まずく笑う私を見て、月くんも笑った。
「ゆづきさんて普段すごく大人っぽいのに、突然少女みたいになるよね」
「れ、恋愛免疫ないだけです…」
「いや、とてもいいと思うよ。竜崎もそういうところに惹かれたと思うし。だって…あの竜崎を落としたって、すごいと思うよ?」
月くんがちらと目線をやった。竜崎は未だ気持ちよさそうに寝息を立てている。
「どうみても、竜崎ってあまり人に興味なさそうっていうか…捜査で頭の中一杯にしてそうだから…その世界の名探偵をここまで骨抜きにしてるの、素直に凄いと思う。」
「や、やめてくれる…恥ずかしいから…」
確かに、世界で活躍する人と恋人でいるって、信じられない奇跡だとはおもう。
初めて会った時の竜崎は近寄り難くて、どこか冷たい、ちょっと苦手な人だった。
…何処でこうなったんだろう。
竜崎は私のどこを見て好きになってくれたんだろう。
聞くのは、さすがに恥ずかしいけど。
月くんが目を細めて微笑む。
…そんな笑顔、今まで見たことなかったなぁ。
「…でも、月くんも凄いと思うよ」
「え?」
「あの竜崎と唯一渡り合ってるし…彼に、友達って呼ばせたくらいだから。2人は正反対に見えるけど、似てるところもあるんだと思う」
「うーん…まあ。負けず嫌いなところかな」
「あはは、それは間違い無いね」
私はもうだいぶ冷めてきたホットミルクを飲み干す。
それを見た月くんが言った。
「もう遅いし、休んだ方がいいんじゃないかな。ほんと明日、僕は竜崎に何をされるか分からないから」
「な、なにもしないと思うけど…つい話し込んじゃった、ごめんね邪魔して」
「ううん、僕もゆづきさんと話せて楽しかったよ。あ、僕が洗っとくから置いといて」
手に取ったマグカップをそっと奪うと、優しく笑った。
こういうところ、すごく素敵だと思うな。
……もしかしたら、まえいっていた、
無自覚にキラだーっていう話、案外正しいのかもしれない。ここ最近、本当に思ってる。
「…ありがとう月くん、じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみなさい、ゆづきさん」
私は竜崎の寝顔をちらりと見て、捜査室をあとにしたのだった。