5
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ミサは私と竜崎を交互に指差した。
「ゆづきちゃんならもっと良い人いるよぉー!!!」
「どう言う意味ですかミサさん」
「そう言う意味よ!」
「ゆづきに相応しいのは私しかいませんよ」
「すっごい自信ね!!」
「当たり前です。というわけでゆづきと4人でデートです。その間も月くんたちは監視しますが」
「ええ…やっぱ変態じゃない!」
「月くん、ミサさんを黙らせてください」
なんだかんだ、息があってる気がするのは気のせいだろうか。
竜崎とミサは言葉早く言い合っている。
月くんは困ったように小さく息を吐いた。
「ミサ、わがまま言うな。ビデオを送った君だというのは確定的なのにこうして自由にしてもらえただけでもありがたいと思うべきだ」
「えっ?月まで何言ってるの?
ミサは彼女でしょ?恋人を信用してないの?」
「か…彼女と言っても…君が『一目惚れした』と言っていつも一方的に押しかけて来ているだけで…」
歯切れの悪い月くん。
でもその姿を見て、ひどく違和感を感じた。
月くんが、今までの月くんらしくない。
なんかこう、丸くなった、人間らしくなった感じ…
「その一目惚れですが」
その様子を見ていた竜崎がミサさんに言う。
「5月22日の青山なんですよね?ミサさん」
「はい」
「その日何故青山に行ったんですか?何を着て行きましたか?」
「だからー、何となく行ったんだって何度言わせるの?あの日の気持ちとか着てた服なんて本当に覚えてないの!
理由がなければミサが青山フラフラしちゃいけないわけ?」
幾度となく交わされた会話だった。
私自身も、囚われてるミサに何度もきいた。
答えは変わらない。
とても不自然な答えだ。
竜崎もやはり不思議そうだった。
じっと考える私に、ミサがこちらを見つめる。
目があうと、にこっと笑った。
人懐こい、可愛い笑みだった。
その後、今後ミサにはマネージャーとして松田さんがつくことになった。
松田さんかマネージャーなことに、ミサは不満気だった。
しかし、そんなミサに痺れを切らしたのか、相沢さんがミサを追い出した。
「ホモだとかデートだとかキスだとかミサミサだとか、いい加減にしてくれ!」
イライラした様子で、ミサを隣の部屋へ放り込む。
「あーん、ゆづきちゃん、ミサの部屋遊びにきてね!待ってるからー!」
ミサは名残惜しそうに、そう叫んだのだった。
竜崎はそのあと、私たちにあるものを見せた。
それは、今後キラ捜査本部と変わるビルの画像だった。
都心に建設された地上23階、地下2階の立派なビル。 屋上には2台のヘリを常備。
今後みんな泊まり込みで、ミサも含めそこで生活するという。
そんなビルの存在を私は聞いてもいなかったため目をチカチカさせた。
一体どんだけ資産あるんだよ…
そこにいた全員が、竜崎に抱いた感想だった。
数日後。
私たちはビルに捜査本部をうつした。
ビルにはあらゆるところに監視カメラが設置しており、ミサの部屋に至ってはいつでも監視できるようになっていた。
私はホテルよりもバージョンアップしたキッチンに心躍らせながら、ケーキを焼いていた。
竜崎と月くんは、相変わらず繋がったまま生活を共にしている。
「ゆづきどうですか、キッチンの使い心地は」
離れたところから、竜崎が声をかける。
私は笑顔で答えた。
「凄いです!まだまだ使いこなせてませんが…ホテルのも十分でしたけど、更に広くて使うのワクワクしますね!」
「よかったです。これからもあなたのお菓子が私の命綱です。よろしくお願いします」
「い、命綱って…」
月くんがこちらを振り返る。
「竜崎にとっては恋人の作ったお菓子はなにより動力になるんだよ。元々ゆづきさんの料理はすごく美味しいけどさ」
「よくわかってますね月くん」
「竜崎がゆづきさんにベタ惚れなのは、ここに来て日が浅い僕でも分かるよ…」
月くんが苦笑して言った。
「ところでゆづき、こちらへ来てください」
竜崎に言われたので、私は区切りのよいところでキッチンを離れる。
「…なんでしょう竜崎」
私は恐る恐る聞く。
しかし竜崎は答えず、私の腕をぐいと引っ張った。
そして、自分の両足の間に挟み抱きしめる。
隣で月くんが呆れたように見ていた。
「今日の充電です。」
私は顔を覆う。
ここ最近、竜崎は人前で戸惑いなく私にスキンシップをはかるようになった。
まだミサが監禁されていた頃、許してしまった私も悪い。
彼曰く、当分二人きりになれないのだから、と主張した。
相沢さんと松田さんはもう慣れたと言わんばかりに、捜査の話を遠くでしている。
「これをしないと私の推理力が落ちてしまいますので」
「それは困るな」
「でしょう月くん。」
適当にあしらってくれてる月くんにも気づかず、竜崎はひたすら私を力一杯抱きしめながら話している。
…私は恥ずかしいよ…
「竜崎、私は恥ずかしいです、もういいですか」
「まだいけません。私の充電は1%です」
「充電遅!」
「あなたと二人になれないことがどれほど私のストレスか…」
「それは月くんとミサも一緒ですよ」
「いいですよ、月くんもミサさんをだきしめてもらっても」
「僕は人前ではそういうことできないな」
「そうですか。私は本当は人前であろうが抱きしめるだけではなくもっとイロイロやりたいですが我慢し」
「竜崎黙ってもらえますか」
このくっつき虫をどう離そうか。
昨日は2時間ほどもこの状態だった。それも、私が隙をついて逃げ出して。
悩んでいると、どこからか私を呼ぶ声が聞こえる。
「ゆづきちゃーん!ゆづきちゃーん!!」
ふとみれば、数あるモニターの中から聞こえる。
ミサだった。
監視カメラの中の一つに向かって声をあげている。
「ゆづきちゃんに会いたいー!遊ぼー!」
私がミサに会ったのは、彼女が初めてここに来たあのときが最後。
捜査本部の引越しなどでバタバタしていた。
と…いうか、彼女を訪室してもよいのだろうか。まだ第二のキラ容疑はかかっている。
ちらりと竜崎を見る。
意外にも竜崎はあっさり言った。
「いいですよ、行ってきても。今彼女は殺人能力がないと見てますし、あってもあなたをどうこうするメリットはありませんから。ゆづきも年の近い女性と話して気分転換になるでしょう」
「…じゃあ、ちょっと話に行こうかな」
隣で月くんが微笑んだ。
「ミサ喜ぶよ。だいぶゆづきさんに懐いてるみたいで、会いたい会いたいって言ってたから」
竜崎は私をそっと離す。
ミサには私もゆっくり会いたかったし、竜崎のスキンシップも恥ずかしかったから一石二鳥。
私が立ち上がると、竜崎が言った。
「監視カメラは止めませんので会話は聞かれてしまいますので」
「それは分かってます」
「あと、帰ってきたらまた充電タイムです」
「……」
簡単には終わらないか…
私は心の中で小さくため息をつくと、捜査本部を後にした。
「ゆづきちゃんならもっと良い人いるよぉー!!!」
「どう言う意味ですかミサさん」
「そう言う意味よ!」
「ゆづきに相応しいのは私しかいませんよ」
「すっごい自信ね!!」
「当たり前です。というわけでゆづきと4人でデートです。その間も月くんたちは監視しますが」
「ええ…やっぱ変態じゃない!」
「月くん、ミサさんを黙らせてください」
なんだかんだ、息があってる気がするのは気のせいだろうか。
竜崎とミサは言葉早く言い合っている。
月くんは困ったように小さく息を吐いた。
「ミサ、わがまま言うな。ビデオを送った君だというのは確定的なのにこうして自由にしてもらえただけでもありがたいと思うべきだ」
「えっ?月まで何言ってるの?
ミサは彼女でしょ?恋人を信用してないの?」
「か…彼女と言っても…君が『一目惚れした』と言っていつも一方的に押しかけて来ているだけで…」
歯切れの悪い月くん。
でもその姿を見て、ひどく違和感を感じた。
月くんが、今までの月くんらしくない。
なんかこう、丸くなった、人間らしくなった感じ…
「その一目惚れですが」
その様子を見ていた竜崎がミサさんに言う。
「5月22日の青山なんですよね?ミサさん」
「はい」
「その日何故青山に行ったんですか?何を着て行きましたか?」
「だからー、何となく行ったんだって何度言わせるの?あの日の気持ちとか着てた服なんて本当に覚えてないの!
理由がなければミサが青山フラフラしちゃいけないわけ?」
幾度となく交わされた会話だった。
私自身も、囚われてるミサに何度もきいた。
答えは変わらない。
とても不自然な答えだ。
竜崎もやはり不思議そうだった。
じっと考える私に、ミサがこちらを見つめる。
目があうと、にこっと笑った。
人懐こい、可愛い笑みだった。
その後、今後ミサにはマネージャーとして松田さんがつくことになった。
松田さんかマネージャーなことに、ミサは不満気だった。
しかし、そんなミサに痺れを切らしたのか、相沢さんがミサを追い出した。
「ホモだとかデートだとかキスだとかミサミサだとか、いい加減にしてくれ!」
イライラした様子で、ミサを隣の部屋へ放り込む。
「あーん、ゆづきちゃん、ミサの部屋遊びにきてね!待ってるからー!」
ミサは名残惜しそうに、そう叫んだのだった。
竜崎はそのあと、私たちにあるものを見せた。
それは、今後キラ捜査本部と変わるビルの画像だった。
都心に建設された地上23階、地下2階の立派なビル。 屋上には2台のヘリを常備。
今後みんな泊まり込みで、ミサも含めそこで生活するという。
そんなビルの存在を私は聞いてもいなかったため目をチカチカさせた。
一体どんだけ資産あるんだよ…
そこにいた全員が、竜崎に抱いた感想だった。
数日後。
私たちはビルに捜査本部をうつした。
ビルにはあらゆるところに監視カメラが設置しており、ミサの部屋に至ってはいつでも監視できるようになっていた。
私はホテルよりもバージョンアップしたキッチンに心躍らせながら、ケーキを焼いていた。
竜崎と月くんは、相変わらず繋がったまま生活を共にしている。
「ゆづきどうですか、キッチンの使い心地は」
離れたところから、竜崎が声をかける。
私は笑顔で答えた。
「凄いです!まだまだ使いこなせてませんが…ホテルのも十分でしたけど、更に広くて使うのワクワクしますね!」
「よかったです。これからもあなたのお菓子が私の命綱です。よろしくお願いします」
「い、命綱って…」
月くんがこちらを振り返る。
「竜崎にとっては恋人の作ったお菓子はなにより動力になるんだよ。元々ゆづきさんの料理はすごく美味しいけどさ」
「よくわかってますね月くん」
「竜崎がゆづきさんにベタ惚れなのは、ここに来て日が浅い僕でも分かるよ…」
月くんが苦笑して言った。
「ところでゆづき、こちらへ来てください」
竜崎に言われたので、私は区切りのよいところでキッチンを離れる。
「…なんでしょう竜崎」
私は恐る恐る聞く。
しかし竜崎は答えず、私の腕をぐいと引っ張った。
そして、自分の両足の間に挟み抱きしめる。
隣で月くんが呆れたように見ていた。
「今日の充電です。」
私は顔を覆う。
ここ最近、竜崎は人前で戸惑いなく私にスキンシップをはかるようになった。
まだミサが監禁されていた頃、許してしまった私も悪い。
彼曰く、当分二人きりになれないのだから、と主張した。
相沢さんと松田さんはもう慣れたと言わんばかりに、捜査の話を遠くでしている。
「これをしないと私の推理力が落ちてしまいますので」
「それは困るな」
「でしょう月くん。」
適当にあしらってくれてる月くんにも気づかず、竜崎はひたすら私を力一杯抱きしめながら話している。
…私は恥ずかしいよ…
「竜崎、私は恥ずかしいです、もういいですか」
「まだいけません。私の充電は1%です」
「充電遅!」
「あなたと二人になれないことがどれほど私のストレスか…」
「それは月くんとミサも一緒ですよ」
「いいですよ、月くんもミサさんをだきしめてもらっても」
「僕は人前ではそういうことできないな」
「そうですか。私は本当は人前であろうが抱きしめるだけではなくもっとイロイロやりたいですが我慢し」
「竜崎黙ってもらえますか」
このくっつき虫をどう離そうか。
昨日は2時間ほどもこの状態だった。それも、私が隙をついて逃げ出して。
悩んでいると、どこからか私を呼ぶ声が聞こえる。
「ゆづきちゃーん!ゆづきちゃーん!!」
ふとみれば、数あるモニターの中から聞こえる。
ミサだった。
監視カメラの中の一つに向かって声をあげている。
「ゆづきちゃんに会いたいー!遊ぼー!」
私がミサに会ったのは、彼女が初めてここに来たあのときが最後。
捜査本部の引越しなどでバタバタしていた。
と…いうか、彼女を訪室してもよいのだろうか。まだ第二のキラ容疑はかかっている。
ちらりと竜崎を見る。
意外にも竜崎はあっさり言った。
「いいですよ、行ってきても。今彼女は殺人能力がないと見てますし、あってもあなたをどうこうするメリットはありませんから。ゆづきも年の近い女性と話して気分転換になるでしょう」
「…じゃあ、ちょっと話に行こうかな」
隣で月くんが微笑んだ。
「ミサ喜ぶよ。だいぶゆづきさんに懐いてるみたいで、会いたい会いたいって言ってたから」
竜崎は私をそっと離す。
ミサには私もゆっくり会いたかったし、竜崎のスキンシップも恥ずかしかったから一石二鳥。
私が立ち上がると、竜崎が言った。
「監視カメラは止めませんので会話は聞かれてしまいますので」
「それは分かってます」
「あと、帰ってきたらまた充電タイムです」
「……」
簡単には終わらないか…
私は心の中で小さくため息をつくと、捜査本部を後にした。