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夜。
私は、どうしても今日、Lと話したかった。
キラと第二のキラが繋がってしまった。
頭の回らない私にだって、これがLにとってどれほど危険が迫っているのかは分かった。
彼と、二人で話したい。
やはりここ最近、なかなかLと二人にはなれなかった。
青山での監視カメラを全部自分で調べると言って、眠りもせず画面を見つめていた。月くんと第二のキラが接触してないか見るためらしかった。
どうやら、収穫はないようだけどー
眠りもせず働くLに、私はコーヒーを入れることしかできず、
もちろん会話も殆どできていない。
私と話してる時間などないことはわかってる。
でも、ほんのすこし。3分でいい。
彼と、話したい。
普段通り先に上がらせてもらった私だったが、数時間仮眠をとって夜中に起きた。
0時近く、捜査員の誰かが帰宅する音が聞こえた。
今日は、誰か泊まり込みをするだろうか。
話せないだろうか。
なんとか、すこし…
私が悶々と一人で考えているところに、ノックの音が響いた。驚いて飛び上がる。
「光さん、起きてますか」
Lの声が響く。
私は急いでドアを開けた。
Lはいつものように、猫背でそこに立っていた。
Lは私の顔を一目見て、言った。
「…なんて顔してるんですか」
Lが私に問う。
「…今日は、会いたいって…思ってたんです…タイミングを、待ってたところに、あなたが…」
私が途切れ途切れに言うと、Lはすぐに部屋に入り扉をしめた。
そして、勢いよく私を抱きしめた。
「すみません…最近、あなたとの時間を取れなくて」
「そんなこと気にしないで下さい、それどころじゃないのは分かってました。ただ、今日は…」
私が言いかけているところに、Lのキスが降ってくる。
深く、長く、交わす。
「…光さん。心配かけてすみません」
「そんなこと…」
「第二のキラの身元が、分かりました」
はっと、彼を見る。
「えっ…」
「送られてきたビデオや封筒から、証拠が出てきました。第二のキラは弥海砂。モデルをやってる女性です」
「L…!」
ぱっと、私は笑顔になった。
第二のキラが誰か判明した。そこから、キラもわかるかもしれない。
キラ事件が、終わりになるかもしれない!
「すごいですL!よかった…」
私がいいかけているところで、Lが真顔で言った。
「もし私が近日中に死ねば、月くんがキラです」
私の笑顔が、止まった。
…今、なんて…
「月くんと弥 海砂の繋がりはすでに確認出来ています。あとは明日、弥を確保します。そしてキラの正体を吐き出させる…」
「ま、って…なんで…」
「確保前に月くんに先を越されるか…どうなるのか、正直私にも分かりません」
「待ってL!」
私は声を張り上げた。
「そんなこと…言わないで…死ぬだなんて…」
「…光さん、私も言いたくないです、それにまだ可能性があるだけです…」
「あなたは死なないと私に言った。キラに勝つと言った。だったら最後まで…そう、私に言い続けてください…!もし自分が死んだらなんて、そんな台詞を吐くような男を好きになった覚えはない!」
Lが目を見開く。
私はこぼれそうになる涙を必死に止めた。
泣かない。泣いちゃダメだ。
ここで泣いちゃだめなんだ。
「気休めでいい…あなたは最後まで、私を信じさせて…あなたの言葉なら、私はどんなものでも信じますから…世界中が信じなくても、私だけは…」
L。あなたが好きです。
あなたを失えば、私には何も残らない。
きっと私はまた死に場所を求めるだけ。
だったら、ほんの少しでも長く夢を見させて。
あなたは負けないんだと信じさせて。
絶望は、最後までとっておいて。
「…あなたは、本当に…面白い人ですね…」
Lは少しだけ笑うと、私の額にキスをする。
「光さん。明日、第二のキラの確保にうつります。私はきっと成功させます。待っていてください」
私は彼の頬に触れると、踵を上げて背伸びをし、Lの頬にキスをした。
驚いたように目を丸くする。
「待ってます…L」
「…初めてあなたからキスをされました。これで私は無敵です。何がなんでも成功させます」
そう、L。あなたのそんな自信家なところ。
とっても、愛しい。
私たちは見つめ合い、微笑んだ。