4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから2日後。第二のキラから返事がきた。
みんなでパソコンからを囲んで見る。
私はちょうど竜崎の真後ろに立っていた。
「キラさん.お返事ありがとうございます。私はキラさんの言う通りにします」
その言葉が聞けたとき、捜査室からはやった!という歓声が沸いた。
しかしすぐ、続く言葉で静かになる。
「私はキラさんに会いたい。キラさんは目を持ってないと思いますが私はキラさんを殺したりはしません。
安心してください」
目…??
目を持ってない??
みんなの頭が?になる。
隠語だろうか。
更に続く。
「お互いの”死神”を見せ合うことで確認できます」
その言葉が流れた瞬間、竜崎の体がぐっとこちらに倒れてきた。
私は驚きつつも、反射的にそれを支え、椅子に押し返す。
「死神…!そんな物の存在を認めろとでも言うのか…」
どうやら、死神という言葉に驚き、いつかのように椅子から落ちそうになったらしい。
「死神?まさか…」
「そうだよ竜崎、死神が存在するなんてありえない」
松田さんと月くんが言う。
しかし私の頭に浮かぶ。
『死神は りんごしかたべない』ー
「ゆづきさん、何か甘いものはありますか」
月くんが言う。
「はい、今日は生チョコと…アップルパイがありますよ」
「生チョコいいな。少しつまんで良いですか」
私は冷蔵庫から朝作っておいた生チョコを取り出す。
月くんが捜査に参加してから、第二のキラへのメッセージだったり、それに返事だったり…
かなりバタバタしていて、彼が私に話しかけてきたのはあの自己紹介以来だった。
どこか、私を探ってるような視線を送られてる気もしてた。
ただ、予知力がある、となれば大概の人は初めそう言った反応なので、特に珍しいことではなかった。
私は紅茶も入れて月くんへだす。
「ありがとうございます」
「いえ。どうぞ」
彼はいくつか摘み、紅茶を飲んだ。
「うん美味しい。本当に料理上手ですね」
「ありがとうございます」
「思ってましたけど、僕に敬語はいりませんよ。僕の方が年下でしょう?」
月くんがにこやかに言う。私も釣られて微笑む。
「そう…ですか。じゃあ、そうしようかな。月も、そんな堅苦しくなくていいよ。」
「はは、心掛けます」
月くんが綺麗な動作で食べるのを私はなんとなく眺めていた。
「まだ、予知はないんですか」
「うーん、私の予知は見える頻度がバラバラで…月くんがきてからは何も見えてないかな」
「へえ…大変だろうな、そういう力も」
「今までは辛いことも多かったけど、ここにきてからは皆さん受け入れてくれるから気が楽だよ」
「それはよかった。まあ、これだけ料理上手で気配りな人、そんな力なくても十分この場には必要ですよ。こういう人が奥さんだったらいいな。」
…んん、今の発言は。
いつぞやの松田さんのー
「月くん、ゆづきを口説かないでもらえますか」
やはり、聞こえていたのかタイミングよく竜崎が近寄ってきた。
…デジャヴ?
しかし、違ったのは月くんの反応だった。
「いいじゃないか口説いても。竜崎に止める権利があるのか?」
慌てて否定した松田さんと違い、彼は相変わらず爽やかに竜崎に反応した。
彼が慌てる、とか焦る、という姿は想像できないな、と思った。
「あります。彼女は私のです。」
…やっぱりデジャヴかな。
私は苦笑する。
月くんは驚いたように目をみひらいた。
「え、竜崎…?こんな綺麗な人が、君と?」
「どういう意味ですか月くん」
「いやすまない、変な意味じゃない…」
月くんは私を見る。何も言わず、私は微笑んだ。
彼はすぐに察したのか、はははと笑う。
「なんだそうだったのか。隅に置けないやつだな」
話を聞いていたのか、松田さんが近寄って月くんに耳打ちする。
「本当に竜崎は嫉妬深いから要注意だよ…」
「聞こえてますよ松田さん」
「ぎゃ!」
月くんがさらにはははと笑う。
「残念だけど、竜崎の相手となっちゃ手は出せないな」
「その通りです。彼女にはあまり近寄らないでください。それでなくとも最近二人の時間が取れなくて私はイライラしています」
Lは月くんに断りもなく、彼のお皿にある生チョコを手で取って食べた。
…そう、第二のキラが出現以降、私はなかなか竜崎と過ごせていない。
捜査員の方達は遅くまで残業していたり、泊まり込みで働くことも多々あったからだ。
月くんが腕を組んで、感心したように言う。
「世界のLでも、そういう人間らしい一面があるんだな…」
「当たり前です、私も人間です」
再び月くんのお皿に手を出したのを、私が掴んで止めた。
「竜崎、あなたの分もちゃんとあります、行儀の悪いことしないでください」
竜崎は拗ねたように親指を噛む。
「へえ…凄い。あの竜崎を一声で黙らせるなんて」
「ね?凄いよね?竜崎の扱いはゆづきちゃんに任せた方が無難だよ」
「松田さん聞こえてますよ」
「ぎゃ!」
竜崎はしれっと言うと、ズボンを引きずりながらソファへ戻っていく。
月くんは残ったチョコレートを食べ切ると、お皿を運んでくれた。
「あ、ありがとう、月くん」
「いや、これくらい」
シンクにお皿を置いたところで、彼は私にだけ聞こえるようなほんの小さな声で言った。
「でも、本当に残念だよ…」
そう、艶っぽく笑った。
私はそれを見て、なんだかひどい違和感に襲われた。
…なんだろう。
第三者からみたら、ぱっと見彼が私を気に入ってちょっかい出してるように見えるかもしれない。
でも、私はそうは思わなかった。
彼の目はーどこか、闇が見える気がする。
本気じゃない。そう、思える。
「月くんこちらへきてください」
竜崎に話しかけられ、月くんはそちらへ行った。
私はその後ろ姿を、ただ見つめた。