4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
2日後。
Lは今日、月くんとテニスをして親睦を深めると言って出かけていった。
以前見た予知は、今日だったか…
予知の中でも少し見れたけど、やっぱりLがテニスしているところ、生で見たかったなあ。
普段ほとんど動く事のないあのLが、機敏な動きをするところなんて貴重すぎる。
いつかキラ事件が解決したらやりたいことリストに加えておこう。
彼のテニス姿をみること、と…
「竜崎今日も大学ですかー」
松田さんが時計を見ながら言う。
私はキッチンで差し入れするためのコーンスープを作りながら答えた。
「今日は月くんとテニスするらしいですよ」
「テニス!?竜崎できるのか!?」
模木さんが驚いたように言う。
「これがなんと、イギリスのジュニアチャンピオンだったことがあるんですって」
「い、意外すぎる…」
呟くのを聞いてつい笑ってしまった。確かにね、誰でも驚きますよね。
「にしてもゆづきちゃん本当髪ばっさりだねー!いまだに見慣れない!綺麗だけどね!」
「シャンプーするの凄く楽でびっくりしました…元が長く伸びすぎてたんですけどね」
「前が結構長かったもんね、今でも十分僕らからしたら長いけど…」
「ここ最近美容院なんて行ってなかった から…リフレッシュ出来ました」
最後に行ったのはいつだったか。
母が亡くなってから、一度だけ行った気がする。
あの頃はどうもそんな気分になれなくて、そう思えば私も随分立ち直った。
「夜神さん、遅いですね?警視庁に行ってるんですよね?」
私はふといつも夜神さんが座ってる椅子を見て言う。
彼は警視庁に欲しい資料があるからと、何時間か前に出かけていったのだ。
「そうだなぁ、確かにおそいな…」
みんなで首を傾げた時だった。
やや慌てた様子のワタリさんが、足早に部屋に来たのだ。
「失礼します」
「ワタリさん、どうしました」
「夜神さんが倒れました」
みんなの動きが止まる。
私も持っていたおたまを落とした。
まさか、この前の…!
穏やかだった部屋の雰囲気が一気に強張る。
「でも、この前の検査結果は何も異常なかったんじゃ…!」
「今詳しいことを検査中です。」
「ぼく達もいきましょう!」
松田さんが慌てて立ち上がる。私も鍋の火を止めた。
それを、相沢さんが冷静に止めた。
「待て、ここを無人にしてはまずい。ゆづきさんも、
悪いがここで待機してくれるか」
「でも…!」
「気持ちはわかるが、月くんも駆けつけるだろう。竜崎がキラと疑ってる者と君を勝手に接触させるわけにはいかない。何かあればすぐ連絡するから。」
言われて、私はうつむきながらも頷いた。
「模木。ここを頼む」
模木さんのみここに残り、相沢さんと松田さんがワタリさんと共に病院へ駆けつけていった。
警視庁にいた宇生田さんも、病院へかけつけるらしい。
バタバタとした足音を見送る私の肩に、模木さんがぽんと手を置いた。
「予知では命に別状はなかったんだろう?この前全身を検査したところだし、大丈夫だよ」
「そう…ですよね。」
「さ、君まで倒れたら大変だ。ゆっくり座っていよう。部屋に戻っても構わないぞ」
「ありがとうございます…」
私は言われるように、ソファへこしかけた。
いつも竜崎が座ってる場所だった。今彼はいない。
きっとワタリさんから竜崎にも連絡が行っているはず。
…彼がいないと…こんなにも不安でたまらない…
早く帰ってきて欲しい、竜崎…
ぼうっとしてると、目の前に温かいお茶が置かれた。
はっとすると、模木さんがにこっとした。
「たまには人が入れたお茶もいいだろう」
「す、すみません…!ありがとうございます…!」
私はお言葉に甘えて、いれたての熱いお茶をすすった。
「美味しいです…」
「それはよかった」
短く言うと、模木さんは座って腕を組んだ。
ただひたらすら、私たちは誰かからの連絡を待っていた。
夜神さんは過労からくる心臓発作だった。しばらく入院すると言う。
心臓発作という単語に体が震えた。しかしやはり、キラではなくただの偶然らしい。
待機していた私と模木さんはほっと一息ついた。
ようやく安心したところで、二人で軽食をとり、お茶を飲んでいたところへ竜崎とワタリさんが帰ってきた。
相沢さんたちはその場で今日は解散、模木さんも帰路についたのだった。