相合傘
about you
主人公設定白鳥さんの部下(室長補佐)だったり
カップルだったり夫婦だったり……
作品によって変えます
完璧に見えてスポーツ苦手な傾向にあり
大体168cmぐらい
今のところ年齢や身長以外の見た目は指定なしです
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ぽつぽつと降り始める雨。
それを見て、気付いた。
圭輔さん、今日傘持って行ってない。
折り畳み傘も持ってないのかも。
玄関へ行って慌てて確認すると、
傘は2種類ともあった。
「雨降ってるし……傘、持って行かなきゃ」
2本分の傘を持ち、私は圭輔さんの元へ向かった。
まだ圭輔さんはいない。
お仕事長くなったのかな……
そう思いながら待っていると、携帯が鳴り始めた。
「もしもし、梓ちゃん?」
「圭輔さん!」
「雨降ってきたんだけど……僕、
今日傘持ってきてなくてさぁ」
「それなら大丈夫ですよ!外で今、
傘持って待ってますから」
え!?本当!?
そう返ってきたので、本当ですよと言った。
良かった、行き違いにも
待ちぼうけにも至らなくて。
「じゃあ今から行くから!知らない人に声とか
掛けられても着いて行っちゃダメだからね!」
「子供じゃないんですから」
電話が切れたので私も切ると、かなり急いだのか
息切れした圭輔さんがドアから出てきた。
キョロキョロと辺りを見回す彼に手を振る。
私を見つけた彼も私に手を振る。
私は駆け寄り、傘を差し出す。
「ありがとう、助かったよ」
「いえいえ!急に雨が降って来たので
心配になっちゃって……」
圭輔さんは私の傘と、自分の傘を見比べた。
暫く考えこんだ後、私を近くに寄せて
あっという間に私から傘を奪った。
「えっ、ちょっと……?」
「相合傘って言うのも、悪くないんじゃないの〜?梓ちゃんは僕よりちっちゃいから、僕が持ってあげるよ」
「あ、ありがとうございます。早く帰りましょう」
相合傘……
圭輔さん、かっこいいな。
あれ?
「肩、濡れてますけど……」
「ん?あー、気にしなくていいよ。
梓ちゃんが濡れる方が僕にとって問題だからさ」
「で、でも!」
「も〜、そんなに言ってるとここでキスしちゃうよ?」
人前で、キス。
そんなの、絶対無理!
キスは嫌じゃないけど、人が見てるところでなんて……!
「それに、梓ちゃんが風邪引くのも問題かな」
「ど、どうしてですか?」
「……えっちなこと、できなくなるから?」
ぶわっ、と一気に顔に熱が集まる。
しかも、耳元で言われた。
ずるい、ずるい人だ。
「でも熱に魘されてる梓ちゃんも……」
「圭輔さんの意地悪!!」
「ひっど〜い、冗談だよ、じょーだん」
「……今日の夜ご飯はハンバーグですよ」
圭輔さんの大好きなお肉。
一応健康の為にお野菜とかも食べさせてる。
「え、ほんと!?僕、梓ちゃんの
ハンバーグ好きなんだよね〜」
「温かいハンバーグ食べたかったらこれ以上
変なこと、言わないでくださいね」
「うん!言わない!」
たまにはこんな日も悪くないな。
相合傘しながら帰る雨の日も。