心配
about you
主人公設定白鳥さんの部下(室長補佐)だったり
カップルだったり夫婦だったり……
作品によって変えます
完璧に見えてスポーツ苦手な傾向にあり
大体168cmぐらい
今のところ年齢や身長以外の見た目は指定なしです
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
圭輔さんが中々帰って来ない。
電話を何度もしても出てくれない。
田口先生なら何か知っているだろうと思い、
電話をしてみることにした。
「もしもし、田口先生ですか?」
「あっ、梓さん!今大変なことになって……!」
後ろでは慌ただしいのか、足音が何度も聞こえる。
きっと何かまた、事件が起こったのだろう。
それで忙しくなって帰れないんだ。
「……え?」
"白鳥さんが逆上されて、ナイフで
刺されたので東城医大まで来てください"
それを聞いた途端、急いで身支度をして家を出た。
東城医大に着くと、田口先生が待っていた。
「圭輔さんが刺されたって……!」
「今、速水先生が応急処置をしてます!」
田口先生に着いていき、手術室のような、
救命救急センターと言うのだろうか、その
前で待つことになった。
このまま、圭輔さんがいなくなったら……
私はどうすればいいんだろう。
「梓さん、大丈夫です。白鳥さんはナイフで
刺されたぐらいで死ぬ人じゃありません」
「でも……っ!」
口に出して言うと、何だか実現しそうで
怖くなって、はばかられた。
深呼吸をして、椅子に座る。
大丈夫、大丈夫……
「……終わったぞ」
「速水先生!白鳥さんは……」
「意識は回復してないが、何とか持ち堪えた」
「良かった……」
後は意識を回復するのを待つ他ないらしい。
目覚めないことはないだろうと言われた。
一先ず、安心しておいた方が良い。
「梓さん、毎日ずっと来てますけど……
休んだ方がいいと思いますよ」
「それはわかってるんですけど……早く
目が覚めてほしいなって思うと……」
未だに目覚めない圭輔さん。
目覚めた時、私がいなかったら心配するだろう。
勝手にそう思ってるだけなんだけど……
「白鳥さんの様子を見に来ただけなので失礼します」
「あ、はい……」
周りには誰もいない。
頭を撫でてみる。
相変わらず寝癖は直ってないみたいだ。
そっと、顔を近づけてみる。
すると、圭輔さんの目が徐々に開かれた。
何しようとしてたのか、それを知られたくなくて
思わず引き下がる。
「うわっ!」
「愛しの旦那様が目覚めたって言うのにうわっ!って
なんなの、梓ちゃん」
「いや……だって……きゅ、急に目覚めるから……」
心臓がバクバク言っている。
息も絶え絶えで、驚き過ぎたかもしれない。
「ナースコール押さなきゃ……」
「良いよ、どうせ速水がすぐ来るだろうし。
ね、さっき何しようとしてたの?」
言える訳がないよなぁ。
童話の真似事して目覚めるか確かめようとして、
圭輔さんにキスしようとしたんだから。
「人の寝込み襲っちゃうなんて、いつから
そんなに大胆になっちゃったの〜?」
「べ、別に襲ってなんか……!」
「ねえ、さっきしようとしてたことしてよ」
意地悪く笑みを浮かべながら迫る圭輔さん。
黙っていればカッコイイのに、なんで
こうなっちゃうの……!?
「おい、何イチャイチャしてんだお前ら」
「速水〜、相変わらずタイミングが最悪だねぇ」
「最悪で結構だ。何しでかすかわかんねーからな」
どうやら速水先生が後は見てくれるらしい。
仲がいいのか悪いのか、わからない。
そして、無事に退院することになった。
「あ〜、痛かった」
「呑気ですね、刺されたのに」
「僕が梓ちゃんを1人にする訳ないでしょ?
こんなにも好きなんだから」
思いがけない告白に、思わず顔が赤くなる。
「今日のご飯、肉にしようよ〜」
「人を挑発し過ぎないって約束できるなら
お肉にしてあげますよ」
「それはちょっと無理かなぁ」
「じゃあこちらも無理で〜す」
圭輔さんを置いてスタスタを歩く。
後ろから急ぐ足音が聞こえてきた。
「……退院祝いってことで、特別ですよ」
「じゃあ退院祝いってことで夜は……」
「傷が痛みますよ、良いんですか」
こんなにも心配してるのに、この人は
私の心配をいつの間にか消し去っている。
ある種、魔法使いなのかもしれない。