過去は忘れる性なの
about you
主人公設定白鳥さんの部下(室長補佐)だったり
カップルだったり夫婦だったり……
作品によって変えます
完璧に見えてスポーツ苦手な傾向にあり
大体168cmぐらい
今のところ年齢や身長以外の見た目は指定なしです
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今日は久しぶりに圭輔さんとデート。
いつも忙しいから中々お出かけなんてできない。
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」
「わかりました。待ってますね」
待つ、と言っても何をして待とうか。
スマホ弄るのも何だし、かと言って
近くを歩くのも心配させちゃうし……
「あ、黒鳥さん……」
「……お久しぶりです」
他人行儀な元恋人。
まあ、あんな事して笑顔で会える訳ないもんね。
「やっぱり、俺……黒鳥さんじゃなきゃ無理。
他の子は皆、黒鳥とは違うし」
何時ぞやのメールでも、君はそう言ってたね。
その後メアド変えたからメール来なかったけど。
他の子は皆どう違うの?
今更言い訳を並べに声を掛けて来た訳?
「だから……」
「だから俺とやり直そう、って言いたいんですか」
結局、私は貴方にとって都合のいい女だった。
本当に好きだったのに……裏切っておいて、
頭下げるのはどうして?
イライラが積りに積もる。
「貴方にとって私は、ただの都合のいい女。
よく平気な顔して会えるよね。浮気した癖に」
「それは……!」
「あれ〜?お取り込み中だった?」
圭輔さんは私の隣に来ると、誰?と指さした。
「浮気しておいて私に平気な顔してやり直そうって
言ってくるただの元彼です」
「……ふーん。じゃあ、君は知らないよね。
説明しておくけど、彼女は僕の妻だから」
顔色を変える目の前の男。
顔すら見たくないのに。
「だから君、よーく考えて発言した方が良いよ」
「お前……!俺の連絡拒否して別れて、
もう結婚したのかよ!?」
この時、私の中で何かが割れた。
次の瞬間、私は思いっきりソイツの頬を
平手打ちしてやった。
あまりの痛さからなのか、半泣きでこちらを見る。
情けなさ過ぎ。
「お前が浮気したから別れたんだろうがよ……
良い歳して言い訳並べてやり直そうとか言ってんじゃねーぞ」
睨みつけると、小動物並に怖がり始める。
「二度と声掛けんなよ、マジで不快だわ。
私、今凄く幸せだから壊さないでくれる?
それが分かったら近付くなよ」
「……は、はい……」
圭輔さんの手を繋ぎ、歩き始める。
「懐かしいなぁ、梓ちゃんのあの感じ」
「すみません、凄くイラついてました」
「僕だって、アレの経験者だしね」
「……やめてください。本当にアレは」
過去に一度、私は圭輔さんにキレた事がある。
それもまあ、結婚前の医者をしてた時の話。
ちょっとした圭輔さんの発言で、私は
医者として思いっきり平手打ちをして、
あんな風に怒ったことがあった。
「痛かったんだよ?凄く」
「冷静になった時謝ったじゃないですか!
過去のことは忘れましょうよ、私も忘れますから」
可哀想なあの男に言っておくが、私は
過去の事は忘れる性なんだ。
だから、貴方がした浮気の事は今日で忘れます。
兎に角、二度と私達に近付くなよ。