リボンを添えて
about you
主人公設定白鳥さんの部下(室長補佐)だったり
カップルだったり夫婦だったり……
作品によって変えます
完璧に見えてスポーツ苦手な傾向にあり
大体168cmぐらい
今のところ年齢や身長以外の見た目は指定なしです
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医者は忙しい。
自分の誕生日でさえ、手術をしなければならない。
夜遅く帰ることなんてザラだし、
帰りたい時刻に帰れないし、
朝早い日だってある。
「はあ……」
「黒鳥先生、どうしたんですか?」
私は都合上、仕事中は旧姓を名乗っている。
白鳥先生なんて急に呼ばれても反応できない。
患者さんも急に変わったら呼びにくいだろう。
「ああ……その、今日誕生日だな、と思って」
「おめでとうございます!早く帰れると良いですね」
「そうなんですよ。早く家に帰らないと、
主人にも申し訳なくって……」
一緒に祝いたい、なんて言ってるのに
私は仕事が入っている。
着々と帰宅の準備を進めていると、
「黒鳥先生!川田さんの容態が……!
緊急オペをしなくちゃいけないと……」
「わかりました。すぐ向かいます」
私は携帯で遅くなります、とメッセージを送った。
そして、オペの為に足を早めた。
待ってくれている圭輔さんに、申し訳なかった。
オペが無事に終わり、帰ったのは日付が変わる頃。
髪もボサボサ、息遣いも乱れて疲れきっている。
ドアを開けると、リビングから良い匂いがした。
「すみません……!オペが入っちゃって」
「おかえり、梓ちゃん」
「あ、あの……これ……」
目を見張る程の美味しそうな料理。
これ全部、圭輔さんが作ってくれたの?
「僕が作ったんだよ〜」
「ありがとうございます、お腹空いてて」
「いいのいいの。誕生日なのにオペで
忙しい黒鳥先生の為だもんね」
「ごめんなさい……」
支度をして席に座ると、圭輔さんが箱を取り出す。
「お誕生日おめでとう、梓ちゃん」
箱を開けると、腕時計が入っていた。
有名なブランドの、時計らしい。
「ありがとうございます」
「梓ちゃんの腕時計が壊れてるから、
新しいの買おうと思ってたんだ〜」
「どうしてそれを……」
「梓ちゃんが難しそうに腕時計見るからかな」
嬉しかった。
帰るの遅くなって、結構待たせたのに
怒らずにご飯も準備してくれて。
「嬉しいです。結婚して良かったです」
「そうでしょ?僕も、梓ちゃんと
結婚して良かったよ」
かっこよくて、話を逸らす為に
いただきますと手を合わせた。
どれも美味しかった。
「美味しいです」
「良かった……ちょっと自信無かったんだよね」
「大丈夫ですよ。圭輔さんの作った料理、
これからも食べたいです」
「僕は梓ちゃんのご飯食べたいんだけどなぁ」
時計はもう、12時過ぎを指していた。
誕生日は過ぎてしまったけど、それでもいい。
圭輔さんに祝ってもらえるのなら。
パジャマを着て寝室に向かうと、
頭にリボンを着けた圭輔さんがいた。
「どうしたんですか?」
「僕、一個やりたいことがあってさ」
「なんですか、そのやりたいことって」
「頭にリボンを乗せて、プレゼントは僕で〜すって」
だから頭にリボンを……
ちょっと吃驚しちゃった。
「梓ちゃんが僕としたいこと、
何でもいいから教えて?」
「……休みなので、デート、しませんか」
「梓ちゃんとデートなんて、久しぶりだなぁ」
「早く寝ましょうよ。デートに備えて」
電気を消して、私たちは眠りについた。
サイドテーブルには、リボンが乗っていた。