傷だらけの白鳥
about you
主人公設定白鳥さんの部下(室長補佐)だったり
カップルだったり夫婦だったり……
作品によって変えます
完璧に見えてスポーツ苦手な傾向にあり
大体168cmぐらい
今のところ年齢や身長以外の見た目は指定なしです
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朝、目覚めると圭輔さんが私を抱きしめていた。
出ようとするにも出られない。
このまま寝てもいいかもしれないけれど、
ベッドから出たいので彼の肩を優しく叩く。
「んー……」
睡眠は時間の無駄、と普段言っておきながら
なかなか起きてくれない。
また優しく叩く。
「梓……ちゃん……行かないで」
夢の中の私は、彼に対して非情らしい。
行かないで、という言葉が出ると彼は
更に抱きしめるのだ。
寝言に返事をしてはいけない、とよく
言うので言葉の代わりに背中を撫でる。
「ん……梓……ちゃん?」
途切れ途切れに言葉を発する彼は、
瞼を徐々に開けて私を見た。
「起こしちゃいました?」
「ううん……悪い夢を見たから、
起こされて良かったかも」
「それより、キツいんですけど」
「ごめんね」
そう言って彼は腕に込めていた力を緩める。
この人はどんな夢を見ていたんだろう。
「梓ちゃんがいなくなる夢見ちゃった。
全く、僕らしくない夢だよね」
この人は本当に傷だらけだと思う。
目に見えない、心の傷ばっかり。
「心配しないでください。私は圭輔さんに
黙っていなくなるような女じゃないですから」
「……本当?」
いつもは強気なのに、弱気な圭輔さん。
そんなに夢の中の私はいつもより酷いの?
「本当ですよ、信じてください」
「うん……」
「不安なら、また眠りますか?」
「睡眠は僕にとって時間の無駄だからいいや。
現実の優しい梓ちゃんがいれば充分だよ」
「朝ご飯の準備、してきますね」
「うん」
圭輔さんは傷だらけの白鳥。
私はその傷を治す獣医になれたらいいな。
「今日はずっと、梓ちゃんといたいな」
「はい。そうしましょう」
貴方の傷が癒えるなら、私はずっといますよ。