合コンに誘われて
about you
主人公設定白鳥さんの部下(室長補佐)だったり
カップルだったり夫婦だったり……
作品によって変えます
完璧に見えてスポーツ苦手な傾向にあり
大体168cmぐらい
今のところ年齢や身長以外の見た目は指定なしです
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「黒鳥ちゃん、今夜空いてる?」
「どうしたんですか」
何だか嫌な予感がする。
白鳥室長に何か頼まれると災難が起こる。
あんまり関わりたくないんだけど……
白鳥室長のことは好きだから断りづらい。
「合コンでもどうかな〜って」
「じゃあ行きません」
「ちょっと待ってよ!人数足りなくてさ……
数合わせだけでも良いから!お願い!」
大学の時の友達みたい。
数合わせの為だけの合コン。
恋愛関係には発展しない。
「……仕方ないですね」
「来てくれるの?」
「オシャレぐらいはさせてほしいですが」
「うん!わかった!!ありがとう!」
これじゃただの都合の良い女じゃないかな。
自分で考えて何だけどちょっと哀しい。
白鳥室長と合コンすると
大体室長が調子乗ってるからなぁ……
かっこいいからモテるし。
役に立ってるから咎められないし。
室長と待ち合わせをして会場へ入る。
皆綺麗な人なんだよな、これが。
「こっち座りなよー!」
「ほら、行っておいで」
「は、はい」
情報収集目的じゃないんだ、これ。
なんで白鳥室長は合コンに?
訳が分からないまま席に座る。
「初めまして。僕は神代って言います」
「初めまして。黒鳥です」
「一緒に入ったあの人とはどういう関係なんですか?」
思ったよりグイグイ来る人なんだな……
仮に、恋人がいるとして。
合コンに行く理由あるのかな?
「職場の上司です」
「へえ、どんな仕事なさってるんですか?」
「厚生労働省で、あの人の補佐やってます。
神代さんは、どういったお仕事を……?」
「僕は、デザイナーやってるんです。
官僚の方と話すのなんて初めてですよ」
思ったより良い人そう?
うーん……わからないなぁ。
「神代!お前だけ美人独り占めすんなよなー」
「ごめんごめん。コイツは友人の結城で、
僕と同じデザイナーを」
「よろしくお願いしまーす!」
デザイナー2人いるんだ。
ファッション関係かな。
それとも別のデザイナー……
「それにしても、あの人!モテまくりだよなぁ」
「黒鳥さんの上司なんだって」
「マジで?あんな上司いるとかやべーな」
まぁ色々とヤバいんですけどね……ウチの部署。
官僚って忙しくて大変だし。
「イケメンとかズルいわー」
「でも、性格がちょっと……」
「性格悪い方なんですか?」
「あー……その、人を怒らせる天才なんですよ」
室長に聞こえないように小声で話す。
相変わらず、綺麗な人達に囲まれている。
何だかモヤっとした。
「飲んでますか?」
「ええ……」
突然隣の人が話しかけてきた。
ゆるっとした雰囲気の人。
「あそこの男性の周り、凄い騒がしいですね」
「まあ、モテるんじゃないですか?」
「えっとー……君は……」
「石井です、看護師してます」
「看護師さんなんすか!?」
突然結城さんが石井さんに絡み始める。
看護師が好きなのね……
「黒鳥さんは、どうして今日ここに?」
「数合わせ……みたいな」
「数合わせですか……綺麗な人なのに?」
「見た目は関係ないじゃないですか」
お酒を飲んでいると、ふと室長と視線が合った。
ウィンクしてくる……ちょっとやだなぁ。
暫くするとまた室長は女の人に話しかけた。
なんでウィンクなんか……
合コンも終わり、二次会の話が出た。
室長はタクシーに女性達を乗せていた。
二次会は行くのだろうか。
「黒鳥さん」
「神代さん」
「二次会行くんですか?」
「実は迷ってて」
もう少しお酒を飲んでも良いんだけど……
疲れて帰りたい気持ちも混じっていて。
「僕達だけで二次会なんて、どうですか?」
「2人だけで……ですか」
「はい。お酒飲みながら、愚痴でも」
「……ごめんなさい。明日も仕事があるので」
握られていた手をそっと除けた。
私は、神代さんのこと好きじゃないから。
「なんだよ。その気がないなら来るなよ」
「……え」
うわっ、本性表してきた。
そんな露骨に表す?普通。
「綺麗だから話しかけたのに、損したわ。
まあいいや、無理にでも連れてけばいいし」
「えっ、ちょっと、やめてください!」
引っ張られそうになる。
力では勝てないのが当たり前で。
「はい、ストップストップ」
「室長?」
「邪魔すんなよ!」
「邪魔?僕がそんなことする訳ないじゃない。
それより、僕の大切な部下に何してくれちゃってんの」
大切な部下、か。
引き離されて背中に隠される。
「この女がその気も無いのに……」
「そりゃそうだよ〜、彼女、数合わせで
来てるんだから。気がある訳ないって」
また人の神経逆撫でしちゃってる。
逆上されて襲われたりしないかな?
この人、凄く怖いし。
「はあ!?」
「兎に角、警察呼ばれたくなかったら
もう彼女に関わらないこと!わかった?」
男は舌打ちすると、引き返していった。
助けられた、でいいんだよね。
「ありがとうございました」
「気にしないでよ。黒鳥ちゃん危なそうだったし」
「白鳥室長……二次会行かないんですか?」
「行かないよ〜。今日の合コンは失敗したし」
失敗した……?
何かやらかしたのかな。
たまにやらかすから侮れない。
「黒鳥ちゃんのこと危ない目に合わせたし、
何よりその格好!こんなに可愛いんじゃ危険だよ」
「……可愛いだなんて、そんな」
お得意の社交辞令。
口が達者なんだから、気を付けないと。
「本心から言ってるんだからね、これ」
ちょっとは自意識過剰になってもいいのかな。
私からでも大丈夫かな。
「……白鳥室長」
「ん?」
「あの、好きです。綺麗な女の人に囲まれてて、モヤっとしちゃって……それに、危ない所を
助けてくれたりもして、かっこいいなとか……」
その、私と付き合ってくれませんか。
「僕も好きだよ。黒鳥ちゃんのこと。
だから、付き合おう」
「……嬉しいです」
「どうする?飲み直す?」
「今日は、ゆっくり帰って眠りたいです」
「家まで送ってあげるよ」
白鳥室長の頼み事は災難のサイン。
それでも、今日は良い事があった。
それでチャラにしよう。