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ONE PIECE

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苗字 ※鬼滅の刃で使いますがデフォルトでも支障はないと思われます
苗字2 ※キメツ学園、旧姓、鬼灯の冷徹で使用

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カタカナ推奨ですが漢字でも問題ありません

サクラは夜中、誰かのうなり声で目を覚ました。
何気なく横を見るとソファでドフラミンゴがスーツのまま寝ていたがひどく魘されている。

思わず駆け寄り、取りすがってみるが目を覚まさない。

「畜生、あいつが、あいつがあんなことをしなければ」
寝言、なのだろうか。
とりあえず起こした方がいいだろうとは思ったが揺さぶるのはためらわれた。
何かないかとあたりを見渡すと、テーブルの上に濃い赤色の果物が無造作にゴロンと置いているのが目に入る。

りんご?なぜ1つだけ?しかも大きい。

せめて水か何かを若様に、いや、この果物を切って食べさせるのもいいかもしれない。
悪くなっていないか確認したほうがいいだろう。
ネグリジェの袖で表面をこする。つやつやとして、ひどく甘い香りがの鼻をくすぐった。

毒見のつもりでそっとかぶりついた。
甘い?苦い?いや、酸っぱい!
口の中にすべての甘みと苦味と酸味が大量かつ同時に襲い掛かり、サクラは気を失った。
遠くでドフラミンゴの声を聞きながら……。





目の前をすごい早さで映像が流れる。
高い城壁のようなところに磔にされている幼い男の子2人と男性、火が燃え盛り、遠くから多くの群集が罵声を浴びせ、矢を射掛けている。
自分のものではない苦しみと悲しみ、そしてすさまじい怒りの感情が体の中を駆け巡る。

てんりゅうびと?ころされた?

そしてきゅるきゅると逆回しのように人間たちが動き、画面がすっかり変わった。
やつれているが美しい女性が粗末なベッドに横たわり、先ほどの男性と子どもたちがその周りで泣き崩れている。
そして残飯を漁り、大人に殴られ、屋敷に火を放たれて追われ、元天竜人であると宣言し、立派な屋敷にたどり着き、船に乗り、てんりゅうびとの面汚しといわれ、立派な街から旅立つとき、男性は言った。
「人間ですよ、昔から。」

体の線がぐにゃりと曲がったような感触と内臓が持っていかれるような遠心力にぐるりと1周振り回された後、柔らかい布地に包まれている感覚に包まれた。
はっと気がつき、がばりと起き上がる。
ベッドの上だったが周りを見渡しても知らない調度品ばかり、自分が知っているよりずっと高級なものだった。
しかしどこか懐かしい雰囲気を感じてもいた。

さらにベッドサイドのソファーには先ほどまでいたはずのドフラミンゴではなく、変わった服と髪型をした、優しそうな男女が座っていて、こちらを柔らかく見つめている。
目が合った。
どこかで会ったような懐かしい目をしている、と思った。
先ほど映像で見た夫婦は、この人たちだ。

男性はにっこりと微笑んだ。
「おや、もう起きても大丈夫かい?」
女性も隣でニコニコと笑っている。
どうやら害意はないようだ。
それに女性はとても偶然とは思えないほどサクラの母にそっくりであった。
もちろんこの女性には母よりずっと品があり、上流階級であると見て取れたのだが。
似ているだけにその違いは際立って見えた。
違うと分かっていても、それでもサクラは喉の奥がきゅうっと詰まって泣きたくなった。

こぼれそうになる涙をこらえ、サクラは礼を言い、名を名乗り、自分がどうしてここにいるのか理解できないと率直に伝えた。そして記憶が曖昧であるということも申し添えてみた。単なる狂人と思われないために何も分からない、かわいそうな子どものフリをした。
サクラも幼いとは言え海賊団に属する身、その程度には強かであった。
彼らは何の疑いもなくそれを信じたようだった。

男性が言うにはサクラはこの夫婦と2人の息子が屋敷の庭で散策していたところ、急に空中に表れ、そのまま倒れたということだった。
良くなるまで客人としてゆっくりするよう促す夫婦に感謝したが警戒心のないところに少々呆れもした。
自分は幼い子どもとはいえ、ファミリーの一員であり、訓練も受けている。
夫婦は強そうには見えなかった。

とはいえ、助けてもらった恩がある。
先ほどの悲劇の映像も気にかかる。
このままでは気が引けると何か出来ることはないか夫婦に訴えた。
夫婦は当初困ったような顔をしていたがサクラの勢いに根負けしてこう語りだした。
「私たちは天竜人なんだ。尤も元、が付くけれど。君は天竜人を知っているかい?」
サクラは少し困惑しながらもうなずいた。しかし、ちらと話に聞いたことがあるが、こんなに優しい人たちでも、こんなに整った容姿の人達でもなかったはずだ。

男は微笑む。
「天竜人というのはちょっとだけ世界を司っているんだがとても窮屈なんで、私たちは人間になった。どうだい、何かしたいというのなら私たちに人間を教えてくれないか。」

人間を教える?
サクラは思わず尋ねた。
「あなた方は、天竜人はかみさま、なの?」
男はフッと笑った。
「いや、自分たちを神様と思い込んでいる、人間さ。」

この家族はつい先ほどこの国にたどり着いたということだった。
まだまだ自分たちが無知なことは承知している、知識を得ないまま来てしまったとのんきそうに笑う。

そして夫婦からまだ友人のいない2人の息子の遊び相手になって欲しいとも頼まれた。
サクラはコクリと頷いた。
男は満足そうに微笑み、今日のところはゆっくり休むように優しく声を掛け、女と一緒に部屋を出て行った。
「重ね重ね申し訳ありません、よろしければお名前をお聞かせ願えますか。」
男はにっこりと笑って名を告げる。

男は、ドンキホーテ・ホーミング、と名乗った。

サクラは自分がいったいどうなってしまったのかと目の前が真っ白くなるのを感じ、横になっているのにめまいを覚えた。
ドンキホーテ・ホーミング、若様とコラさんの父親の名前だ。

まずは回復をしないと、しかしうとうとしかけているとドアを開ける音がする。
「いてっ。」ガツンと何かに躓く音が聞こえる。
「バカロシー、騒ぐと起きてしまうえ。」
少し甲高い子どもの声だ。
「ごめん、兄上~。」
かわいらしい声もする。
少し薄目を開けて様子を窺う。
どちらも同じくらいか少し年下のようである。

兄上と呼ばれている子どもは少し離れた椅子にドカリと腰を降ろし、偉そうにふんぞり返っている。
弟と思われる子どもはそっとベッドに近づき、
こちらの顔を覗き込んだ。
サクラはあわてて目を閉じる。
「僕、女の子って初めて見たよ。きれいな顔をしているね。」
弟の素直なほめ言葉は少々照れくさい。
「ふん、そうかえ、女ならあちこちにいるえ。……まあ、きれいな顔というのはわからない訳でもないえ、人間の割りに。」

わあ目、開けにくい。

それにしてももし、私の予想通りならこの2人は、と思考をめぐらせたところで、
「わあ。」と声がして自分の上にドスン、と何かが転がった。
ぐっとこらえてゆっくりと目を開けるとうるうると泣きそうな目をした子どもがこちらを見つめている。
おそらくロシーが足を滑らせてしまったのだろう。
兄もあわてて手を伸ばして助けようとしたらしく、ベッドサイドのすぐそばまで来ていた。

同時に軽くノックの音がして先ほどの女性が飲み物を乗せたお盆を持って部屋に入ってきた。
そして目の前に広がる状況に目を丸くする。
横たわったまま目を見開いているサクラ
その上に乗っかっているロシー。
ロシーの腕をつかんで引き摺り下ろそうとしている兄。

「まあ、ドフィ、ロシー、女の子の部屋に無断で入るなんていけませんよ。」
女性が2人を並ばせて、めっというように叱っている。
なんと見覚えがある、ほのぼのした風景だろう。
「だってろしーが、」「あにうえだってみにいこうって、」
口々に言い訳をしてわたわたする様子が本当に微笑ましい。
そして同時に母を思い出して苦しくなった。

ああ、ダメ、我慢できない。

サクラは声を上げて笑った。
ぽかんと見つめる二人、くすくす笑う母上。

「あら、サクラは許してくれたようね、良かったわ。」
サクラは笑いすぎて出た涙と、母を思い出して出た涙を拭きながらこう答えた。
「はい奥様、私は怒ってはいませんよ。ただ、ノックはして欲しかったですね。」
柔らかく、しかしはっきりと2人の顔を見て告げる。
「そうね、これからはそういうことも教えてもらわなきゃ。……ドフィ、ロシー?」
「ごめん、なさい。」
弟がうるうるしながら答える。
兄はそっぽを向いているが頬が赤い。
みんなそっと見つめて言葉を待つ。
そしてそっぽを向いたまま、こう言った。
「悪かった。申し訳ない。……次からは気をつけるえ。」
そしてドフィの顔は耳まで赤くなった。
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