ONE PIECE
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※ロー視点
コラソンは子ども嫌いだ。
俺は初めて会ったときにごみの山までぶっ飛ばされたし、バッファローやベビー5も何度も殴られている。
俺の後に何人かファミリーに入りたいといった子どもも例外なく殴られ、そのまま3日も持たず辞めて行く。
ドフラミンゴもファミリーもわざわざそれを追うことはしない。
でも俺が刺したとき、あいつはドフラミンゴに言わなかった。
言えば俺はファミリーから追い出されるのはもちろん、殺されたことだろう。
あいつは嫌いな子どもが一人でも減って清々するはずだ。
俺の弱みを握って何かさせる気かと思ったが今のところその気配がない。
そのうち最初に殴るのはファミリーに入るのにふさわしいか、選別のためじゃないかと思えてきた。
確かに殴られた程度で泣いて逃げるようなやつは海賊団ではやっていけない。かえって足手纏いだ。
しかしそれにも少し疑問が沸いた。
サクラが来たばかりのときの事だ。
最初はひどく弱っていたようでドフラミンゴの部屋から出たことはなかったが、ようやく回復して起き上がれるようになった頃、いつもドフラミンゴに抱きかかえられていた。
ドフラミンゴの左腕と胸に背中を預けて横抱きが基本。
時折ドフラミンゴがサクラの頬に自分の頬を摺り寄せ、サクラは恥地雷ながらも同じ仕草で応える。仲睦まじくてこっちが恥ずかしくなるほどだ。
ある時サクラが自分で歩けると抗議しているところを見かけた。
なるほど起き上がれるようになってからそれなりに日が経つし、少々おぼつかないかもしれないが歩けはするのだろう。
ドフラミンゴはサクラの頭の天辺に口付けをしてから、
「お前が転んで怪我でもしたらオレのハートがつぶれちまうだろ。ふらつかずに歩けるようになるまではだめだ。」と言って決して首を縦に振らなかった。
書類仕事や食事のときは膝の上。
食事はドフラミンゴが手ずから与える。
サクラが食べ物を含む唇をじっと見つめ、飲み込むのをしっかり確認してから次を差し出すのだ。
それはとても甲斐甲斐しく思えるはずなのになぜか見ていることが出来なかった。
サクラが食べ終わってからドフラミンゴが食事を始める。
サクラがドフラミンゴに先に食べて欲しいと言っていたが、フッと微笑んだ後
「オレァお前がきちんと食べたのを見届けないと食事が喉を通らねェんだ。わかるな、サクラ。」と聞いたこともないような甘い声で耳元に囁いていて、これ以上誰も何も言えなくなった。
サクラは今の状況を良しとしてはいなかったのだろう。
事実、仕事の差し障りを懸念したセニョール・ピンクから頼まれ、遊びに連れ出すフリをして俺達と一緒に訓練を行った。
弱いくせにサクラは一言も弱音を吐かなかった。
俺達と同じ訓練の末、人並みかそれ以上の動きが出来るまでに回復した。
サクラが動けるようになってからもドフラミンゴは良く抱き上げていたが仕事のときはさすがに連れて行かなかった。
示しが付かないという自覚があったのだろう。
それでも必ず船までは同行させ、船の中でコラソンに預けていた。
ドジを踏むことを心配したのか俺たちも待機させられることがよくあった。
そのときに俺は初めて気付いたんだ。
コラソンはサクラを殴らない。
サクラと一緒に居るとき、コラソンは俺達を殴らない。
それに気付いてから俺もバッファローもベビー5も出来るだけサクラと一緒に居るようになった。
最初はサクラがドフラミンゴのお気に入りだから手を出さないんだろうと思っていた。
でも違った。
俺たちの目があるとき、コラソンはサクラがそばに居ても表情は固く、必要以上に触れることはなく、サクラと出来るだけ目を合わさなかった。
サクラが不安そうにコートの端を持ったり、袖を引いて初めてその長身を折り曲げて視線を合わせる。
そのときの表情は決して俺たちには向けない困ったような微笑だ。
それときはまだ、へえ、と思っただけだった。
今回の仕事は夜になっても終わらなかったようでドフラミンゴもファミリーも誰も戻らなかった。
連れ立って遊んでいた俺たちも夜になれば別々に眠る。
サクラはコラソンが護衛も兼ねて一緒に眠ることになっている。
床についた後、オレは水差しに水を入れ忘れたことに気付き、台所に出向いた。
そしてそういえばサクラの部屋の水差しも空なのではないかと思い、もう寝てるかもしれなかったが部屋に向かった。
サクラは怖がりで俺たちの中では一番幼く、力も弱い。
だから、俺たちが面倒を見てやらなければならなかった。
寝苦しかったのか単に風を通すためかドアは少し開いていた。
サクラに声をかけようとドアノブに手を伸ばした瞬間、サクラの笑い声が聞こえた。
「もう、くすぐったいわ、ロシー。」
俺は手を引っ込めた。
ロシー、というのは確かコラソンの愛称である。
俺はそっと中を窺った。
そこではコラソンがベッドの上に胡坐をかいて、サクラを膝の上に抱き、髪を優しい手付きで梳いていた。
サクラは笑いながらもおとなしく膝の上に収まり、時折うつらうつらとして今にも眠る寸前だ。
コラソンは蕩けた愛おしそうな目でサクラを見つめていたのだ。
俺はなんだかとてもくすぐったいような落ち着かないようなもどかしいような訳の分からない感情が込み上げ、あわてて部屋に戻った。
ベビー5が何か言ったが布団にもぐりこんで返事をしなかった。
コラソンは子ども嫌いだ。
しかしサクラに対しては違うのかもしれない。
コラソンは子ども嫌いだ。
俺は初めて会ったときにごみの山までぶっ飛ばされたし、バッファローやベビー5も何度も殴られている。
俺の後に何人かファミリーに入りたいといった子どもも例外なく殴られ、そのまま3日も持たず辞めて行く。
ドフラミンゴもファミリーもわざわざそれを追うことはしない。
でも俺が刺したとき、あいつはドフラミンゴに言わなかった。
言えば俺はファミリーから追い出されるのはもちろん、殺されたことだろう。
あいつは嫌いな子どもが一人でも減って清々するはずだ。
俺の弱みを握って何かさせる気かと思ったが今のところその気配がない。
そのうち最初に殴るのはファミリーに入るのにふさわしいか、選別のためじゃないかと思えてきた。
確かに殴られた程度で泣いて逃げるようなやつは海賊団ではやっていけない。かえって足手纏いだ。
しかしそれにも少し疑問が沸いた。
サクラが来たばかりのときの事だ。
最初はひどく弱っていたようでドフラミンゴの部屋から出たことはなかったが、ようやく回復して起き上がれるようになった頃、いつもドフラミンゴに抱きかかえられていた。
ドフラミンゴの左腕と胸に背中を預けて横抱きが基本。
時折ドフラミンゴがサクラの頬に自分の頬を摺り寄せ、サクラは恥地雷ながらも同じ仕草で応える。仲睦まじくてこっちが恥ずかしくなるほどだ。
ある時サクラが自分で歩けると抗議しているところを見かけた。
なるほど起き上がれるようになってからそれなりに日が経つし、少々おぼつかないかもしれないが歩けはするのだろう。
ドフラミンゴはサクラの頭の天辺に口付けをしてから、
「お前が転んで怪我でもしたらオレのハートがつぶれちまうだろ。ふらつかずに歩けるようになるまではだめだ。」と言って決して首を縦に振らなかった。
書類仕事や食事のときは膝の上。
食事はドフラミンゴが手ずから与える。
サクラが食べ物を含む唇をじっと見つめ、飲み込むのをしっかり確認してから次を差し出すのだ。
それはとても甲斐甲斐しく思えるはずなのになぜか見ていることが出来なかった。
サクラが食べ終わってからドフラミンゴが食事を始める。
サクラがドフラミンゴに先に食べて欲しいと言っていたが、フッと微笑んだ後
「オレァお前がきちんと食べたのを見届けないと食事が喉を通らねェんだ。わかるな、サクラ。」と聞いたこともないような甘い声で耳元に囁いていて、これ以上誰も何も言えなくなった。
サクラは今の状況を良しとしてはいなかったのだろう。
事実、仕事の差し障りを懸念したセニョール・ピンクから頼まれ、遊びに連れ出すフリをして俺達と一緒に訓練を行った。
弱いくせにサクラは一言も弱音を吐かなかった。
俺達と同じ訓練の末、人並みかそれ以上の動きが出来るまでに回復した。
サクラが動けるようになってからもドフラミンゴは良く抱き上げていたが仕事のときはさすがに連れて行かなかった。
示しが付かないという自覚があったのだろう。
それでも必ず船までは同行させ、船の中でコラソンに預けていた。
ドジを踏むことを心配したのか俺たちも待機させられることがよくあった。
そのときに俺は初めて気付いたんだ。
コラソンはサクラを殴らない。
サクラと一緒に居るとき、コラソンは俺達を殴らない。
それに気付いてから俺もバッファローもベビー5も出来るだけサクラと一緒に居るようになった。
最初はサクラがドフラミンゴのお気に入りだから手を出さないんだろうと思っていた。
でも違った。
俺たちの目があるとき、コラソンはサクラがそばに居ても表情は固く、必要以上に触れることはなく、サクラと出来るだけ目を合わさなかった。
サクラが不安そうにコートの端を持ったり、袖を引いて初めてその長身を折り曲げて視線を合わせる。
そのときの表情は決して俺たちには向けない困ったような微笑だ。
それときはまだ、へえ、と思っただけだった。
今回の仕事は夜になっても終わらなかったようでドフラミンゴもファミリーも誰も戻らなかった。
連れ立って遊んでいた俺たちも夜になれば別々に眠る。
サクラはコラソンが護衛も兼ねて一緒に眠ることになっている。
床についた後、オレは水差しに水を入れ忘れたことに気付き、台所に出向いた。
そしてそういえばサクラの部屋の水差しも空なのではないかと思い、もう寝てるかもしれなかったが部屋に向かった。
サクラは怖がりで俺たちの中では一番幼く、力も弱い。
だから、俺たちが面倒を見てやらなければならなかった。
寝苦しかったのか単に風を通すためかドアは少し開いていた。
サクラに声をかけようとドアノブに手を伸ばした瞬間、サクラの笑い声が聞こえた。
「もう、くすぐったいわ、ロシー。」
俺は手を引っ込めた。
ロシー、というのは確かコラソンの愛称である。
俺はそっと中を窺った。
そこではコラソンがベッドの上に胡坐をかいて、サクラを膝の上に抱き、髪を優しい手付きで梳いていた。
サクラは笑いながらもおとなしく膝の上に収まり、時折うつらうつらとして今にも眠る寸前だ。
コラソンは蕩けた愛おしそうな目でサクラを見つめていたのだ。
俺はなんだかとてもくすぐったいような落ち着かないようなもどかしいような訳の分からない感情が込み上げ、あわてて部屋に戻った。
ベビー5が何か言ったが布団にもぐりこんで返事をしなかった。
コラソンは子ども嫌いだ。
しかしサクラに対しては違うのかもしれない。