ONE PIECE
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※セニョール・ピンク視点
サクラは若様と俺が連れてきた。
スパイダーマイルズとドレスローザの中間のそこそこ栄えた街にある娼館で母親の代わりに差し出されたのがサクラだった。
母親は娼婦ではなかった。
どこかの貴族の屋敷で下働きをしていて、そこの貴族と懇ろになり、サクラを身篭った。
身分違いの恋に身を引いてこの街に落ち着いた。
たいそう美しい顔をしていたようだ。
娼館のオーナーがドフラミンゴファミリーと繋がりを持つために母親をだまし、娼婦にするよう画策していたようだが母親はあっけなく死亡。
遺されたのは母親に生き写しの少女。
オーナーは最初こそあせっていたようだがやがて娘に価値を見出したのだろう。
不本意だがドフラミンゴファミリーは子どもを集めているという噂もそれを後押ししたように思う。
下卑た笑いを浮かべながら、初物だといって若様と俺の前に少女を差し出してきた。
泣き疲れた顔、真っ赤に腫らした目、しかしこちらをまっすぐに見る瞳は確かに美しかった。
俺は恐る恐る若様の様子を伺った。
若様は獲物を前にした猛獣のような笑顔を浮かべていたんだ。
俺は寒気を覚えた。
若様は壊れ物を扱うような優しい手つきで少女の頬に触れた。
「目を閉じろ、オレがいいというまで開けるな。」
少女は素直に目を閉じた。
オーナーもそれが始まりの合図だと思ったのだろう。
「それではごゆっくり。」と言って俺と一緒に外に出ようとした。
俺は吐き気を催した。
これから始まる残酷な出来事に対して。
これを許容する限り、俺は、俺たちはこの下種と同じ穴の狢なのだ。
俺が偉そうなことを言えたものではない。
ドアを閉めようとしたとき、若様がオーナーを呼び止めた。
刹那、音もなく男の体は崩れ落ち、事切れていた。
俺は自分を恥じた。
若様はこれを見せないために少女の目を閉じさせたのだ。
そのまま若様はそっと少女の耳に唇を寄せ、何事かささやいた。
少女は小さく頷く。
ここから連れ出す承諾を得たのだろう。
そのまま若様は少女を優しく抱きかかえ、窓から飛んだ。
少女はアジトに着いて、若様がいいというまで本当に目を閉じたままだった。
アジトについて最初に出迎えたのは珍しい事にコラソンだった。
少女を見て、ひどく動揺している。
口をパクパクさせ、何か言おうとし、慌てて紙とペンを漁っている。
若様は無表情のまま、
「何も言うな、何も聞くな。……こいつはオレが世話をする。オレが育ててやる。」と告げた。
コラソンは心配そうに少女を見ていたがやがてコクリと頷いた。
コラソンは子ども嫌いのはずだがいつもとあまりにも態度が違っていたのでよく覚えている。
ファミリーに迎えることに問題はなかったが、
当初若様は当然のようにサクラと同室にすると言って譲らず、随分ともめた。
コラソンだけは賛成も反対もしなかった。
ただ静かに見守っていた。
最初だけ、慣れるまでという約束で同室を勝ち取った若様はそれはそれは機嫌が良かった。
そう、最初のうちはな。
サクラは若様と俺が連れてきた。
スパイダーマイルズとドレスローザの中間のそこそこ栄えた街にある娼館で母親の代わりに差し出されたのがサクラだった。
母親は娼婦ではなかった。
どこかの貴族の屋敷で下働きをしていて、そこの貴族と懇ろになり、サクラを身篭った。
身分違いの恋に身を引いてこの街に落ち着いた。
たいそう美しい顔をしていたようだ。
娼館のオーナーがドフラミンゴファミリーと繋がりを持つために母親をだまし、娼婦にするよう画策していたようだが母親はあっけなく死亡。
遺されたのは母親に生き写しの少女。
オーナーは最初こそあせっていたようだがやがて娘に価値を見出したのだろう。
不本意だがドフラミンゴファミリーは子どもを集めているという噂もそれを後押ししたように思う。
下卑た笑いを浮かべながら、初物だといって若様と俺の前に少女を差し出してきた。
泣き疲れた顔、真っ赤に腫らした目、しかしこちらをまっすぐに見る瞳は確かに美しかった。
俺は恐る恐る若様の様子を伺った。
若様は獲物を前にした猛獣のような笑顔を浮かべていたんだ。
俺は寒気を覚えた。
若様は壊れ物を扱うような優しい手つきで少女の頬に触れた。
「目を閉じろ、オレがいいというまで開けるな。」
少女は素直に目を閉じた。
オーナーもそれが始まりの合図だと思ったのだろう。
「それではごゆっくり。」と言って俺と一緒に外に出ようとした。
俺は吐き気を催した。
これから始まる残酷な出来事に対して。
これを許容する限り、俺は、俺たちはこの下種と同じ穴の狢なのだ。
俺が偉そうなことを言えたものではない。
ドアを閉めようとしたとき、若様がオーナーを呼び止めた。
刹那、音もなく男の体は崩れ落ち、事切れていた。
俺は自分を恥じた。
若様はこれを見せないために少女の目を閉じさせたのだ。
そのまま若様はそっと少女の耳に唇を寄せ、何事かささやいた。
少女は小さく頷く。
ここから連れ出す承諾を得たのだろう。
そのまま若様は少女を優しく抱きかかえ、窓から飛んだ。
少女はアジトに着いて、若様がいいというまで本当に目を閉じたままだった。
アジトについて最初に出迎えたのは珍しい事にコラソンだった。
少女を見て、ひどく動揺している。
口をパクパクさせ、何か言おうとし、慌てて紙とペンを漁っている。
若様は無表情のまま、
「何も言うな、何も聞くな。……こいつはオレが世話をする。オレが育ててやる。」と告げた。
コラソンは心配そうに少女を見ていたがやがてコクリと頷いた。
コラソンは子ども嫌いのはずだがいつもとあまりにも態度が違っていたのでよく覚えている。
ファミリーに迎えることに問題はなかったが、
当初若様は当然のようにサクラと同室にすると言って譲らず、随分ともめた。
コラソンだけは賛成も反対もしなかった。
ただ静かに見守っていた。
最初だけ、慣れるまでという約束で同室を勝ち取った若様はそれはそれは機嫌が良かった。
そう、最初のうちはな。
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