ドラゴンクエスト10オフライン
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「で、オレのところに逃げてきたって訳か。」
ナブレットは目の前で拗ねたように口を尖らせ、ぷいと横を向いたアンジェラを見つめた。
「違います〜。向こうが逃げて帰って来なかっただけです〜。」
せっかく逃してやったのに、よりによってオレのところになあ。
彼女は仲間の前では気を張っているのか頼りになる人間を演じている。
その分自分の前では気が抜けるらしく子供らしさを隠さない。
だからこそそう言う目でみないようにしていたんだがなあ。
ナブレットは戻ってきた獲物をどうしてやろうかと思案した。
彼女と出会ったのは妹のアルウェの遺言が切っ掛けだった。
ザイガスを倒す為15年間待ち焦がれていた旅人。
仲間を連れていたがこちらをまっすぐ見つめる瞳が印象的だった。
アルウェがあんまり強そうではない、とか髪型がイマイチとか言っていたがまあ予想の範囲内ではあった。
オーガと言えば種族としては力自慢が特徴でもっと自信に満ち溢れているものだとばかり思っていたが彼女はそうでは無かった。
得意の種族当て、鉄板の掴みだと言うのに、確かにオーガだと当てたのに、彼女は明らかに落胆し、悲しそうですらあったのだ。
ついていてやりたい、と思った。
連れの中にプクリポはおらず、年齢も性別もバラバラだ。
しかもアルウェが言っていたの三日月の紋章のプクリポが自分だと分かり、ますます一緒にいくのは自分だと思っていた。
サーカスをやめ、団長を辞め、町長を退き、彼女について行くつもりだった。
しかしどうにも違和感が付き纏う。
アルウェは自分が旅に出るとは言わなかった。
「旅人さん」とずっと一緒だとも言わなかった。
気軽な独り身のはずが今はプディンがいる。
旅仕度の手が止まった。
案の定、彼女と旅に出る事は無かった。
選ばれたのはラグアスだった。
オレじゃ無かった。
プーポッパン王が亡くなり、王子も自分について行くと言うことに何よりメギストリスを心配していたのは彼女だった。
「幸い僕には政に長けたナブレットという伯父がいます!」
と高らかに告げるラグアスに
「そうなんだ。本当にあの人はなんでも出来るね。
……だったら安心だ。」
そう言ってくれたことを聞いた。
ついでと言ってはなんだがその時にドワーフの旦那がムキーという奇声をあげていたらしいことも聞いた。
ザマアミロ。
そして彼女がラグアスを選んだのではなく、天啓を受けたのだと言うことがオレの支えとなった。
他の仲間を選んだのもその天啓とやらのようだ。
「私ね、初めはナブレットさんが来てくれるものと思っていたんですよ。」
彼女が微笑む。
その時の仲間にプクリポが居なかったというのもあるが、オレが責任を取って町長を辞めると言った時にテンションが上がったらしい。
ただ、フォステイルに出会った時もテンションが上がったと言っていたので単なるプクリポ好きなだけかも知れなかった。
ただラグアスがついてきたのは意外だったらしい。
ラグアスのことは可愛がってくれているが父親を亡くしたばかりの子供をこんな旅路に連れ回すなんてと頗る悩んだそうだ。
そしてオレに国政を押し付けることになったことにも。
彼女の気遣いが嬉しかった。
それに、彼女はオレがいる時によくオルフェアに立ち寄ってくれた。
レベルを上げるのだと言って、自分でも作れるだろうにわざわざオルフェアで大量の料理を買い込みに来た。
スーパースターの衣装を見に身に纏い、
「ナブレットさんはスーパースターだったのですね!見てください、お揃いです!」
と興奮した様子でわざわざ見せに来てくれた。
同じ衣装でも彼女が着ると愛らしく感じられた。
美容院の開業に合わせて多くの染料を集めたと聞いた時はとうとう色気付いたのかと思った。
誰を思ってのことだろう、あの男前のウェディだろうか?
そう思っていたのに彼女が美容院で施術を受けることは無かった。依頼を受けてせっせと集めて渡すだけ。
若い娘だ、そういうことに全く興味がないってえことはないだろう。
オレが聞くとこっそりと話してくれた。
兄がいる。村が滅ぼされた時以来会っていない。
自分が時渡りの術で逃したので必ず生きている。
もし会えた時に元の自分と変えてしまっていたら、気付かないかもしれない。
そんな訳あるか、と思った。
聞けば仲の良い兄妹であり、若干過保護なようでもある。
一緒の冒険に出た際に少し怪我をしただけで毎回ホイミをかけるなんざその最たるものだ。
兄が妹のことを忘れるものか。でも、
「まあアンタはそのまんまでも十分魅力的だからな。会えるまで変えなくても良いんじゃないか。」
本人の意思は尊重したい。それに彼女に変に注目が集まるのも避けたかった。
頬を染めて喜ぶ彼女はやはり可愛らしかった。
冥王ネルゲルを倒したがレンダーシアに渡れるようになるまでには時間がかかるようだった。
いろいろな職業を極め、様々な衣装を身につけ、各国の問題を解消して行く彼女は眩しかった。
急に料理のレシピを集め、材料を揃え出した時は誰に食わせてやる気なのかと焦りを感じたが、それもレンダーシアに行くための準備だと知った時は胸を撫で下ろしたもんだ。
ようやく人心地ついた彼女を休ませてやりたかった。
彼女の休息地として仲間がそれぞれ自身の故郷をあげた。
ウェディの若者は乗り気では無く、エルフの娘っ子は控え目だったが、オーガの娘は同じ種族だからとひどく乗り気だった。
特にラグアスが王子としてメギストリスを強く推したのを応援したかった。
しかしそれをいつの間にかあのドワーフの旦那が掻っ攫ったのだ。
いや、いつの間にかでもないか。
あの男は彼女をいつも目で追っていた。
役に立つことや物や人が嫌いという変人だが実際できるお人だ。
彼女が彼を話題に出すことは多くはなかったが彼の話をする時にはいつも笑っていた。
人を和ませたり、笑わせたりするのが得意な御仁でもあるのだろう。
ちょっと対抗心が湧いたな。
で、その視線にも気づかず、もしくは気付いていてものらりくらりとかわしていたのに相手が直接的な言動を出してきた、と。
彼女の様子を窺う。まだ拗ねているように見える。
彼女も気に入っている様子だったから、“そう”なっちまっても仕方がないと思っていた。
彼女の気持ちを無視して無理強いをすることはないだろう、変人だが彼女をいつも気にかけて、彼女の変化に敏感に反応し、さりげなく手助けをして、大事にしているのは見て取れる。
彼のそんな対応に彼女が無意識に慕っているのは見て取れた。
一応仕方ないと思える程度には仲睦まじかったんだ。
「アンタもあのドワーフの旦那のこと気に入っていただろう?帰ってくるまで待ってやっても良かったんじゃないか。」
奇行はいつものことだし。
「だって、チリちゃんとポツコンが二人でがなんか盛り上がって変なこと言い出すし。」
おや?
「なんかちょっと……ダストンさんが、怖かった、し。」
あーいやーそうかー。見た目と形は大人でもまだまだ子供だな。
参ったぜ。
まだそういうのには慣れてないってなると、オレとしてはどうしたもんか。
「よしわかった、ちょっとそこ座ってくれ。」
メギストリス城の一角に与えられた自室にはふかふかのソファが備え付けられている。
オーガが座っても十分で、さらにプクリポが寝転んでもあまりある大きさだ。
ソファに彼女の体が沈み込む。思ったよりも軋まないのはやはり彼女が見た目通りではないせいかも知れなかった。
「失礼するぜ。」
彼女の膝に自身の頭を乗せる。
きゅ、と彼女の膝に緊張が走るのがわかった。
「どうだ、嫌かい?」
こちらも本当は緊張している。しかしできるだけソレを悟らせないようにいつも通りの軽い口調で言ったつもりだ。
帽子は取った。彼女の目の前には滅多に見せないオレの猫耳が揺れている。
「撫でてくれて良いんだぜ。」
コクリと頷いて恐る恐る触れる彼女の手は遠慮がちながら心地良い。
さらには頭の下の想像よりずっと柔らかい膝と、眼前に広がる彼女の顔と……後はまあ色々と男には刺激が強すぎる光景に目を瞑った。
「ふふ、気持ちいいです。」
それで良い。
彼女を怖がらせたくはない。それに気になる相手に対してもこういうことが出来るのはプクリポの利点であり、役得だからなあ。
男として見てもらえない欠点でもあるけれどな。
安心する、頼りになる、一緒にいると落ち着く、でもドキドキする。
そう思ってもらえるようになるのが肝要だが随分な苦労だ。手間も掛かろうってもんだ。
彼女の柔らかさを堪能している時点でドワーフの旦那よりオレのほうが怖いんだぞと思いつつ、心地よさが勝って、二人はいつしか眠りについた。
メギストリスの衛兵を掻い潜り、ナブレットにあてがわれた部屋に珍客がたどり着くまで後何分?
ナブレットは目の前で拗ねたように口を尖らせ、ぷいと横を向いたアンジェラを見つめた。
「違います〜。向こうが逃げて帰って来なかっただけです〜。」
せっかく逃してやったのに、よりによってオレのところになあ。
彼女は仲間の前では気を張っているのか頼りになる人間を演じている。
その分自分の前では気が抜けるらしく子供らしさを隠さない。
だからこそそう言う目でみないようにしていたんだがなあ。
ナブレットは戻ってきた獲物をどうしてやろうかと思案した。
彼女と出会ったのは妹のアルウェの遺言が切っ掛けだった。
ザイガスを倒す為15年間待ち焦がれていた旅人。
仲間を連れていたがこちらをまっすぐ見つめる瞳が印象的だった。
アルウェがあんまり強そうではない、とか髪型がイマイチとか言っていたがまあ予想の範囲内ではあった。
オーガと言えば種族としては力自慢が特徴でもっと自信に満ち溢れているものだとばかり思っていたが彼女はそうでは無かった。
得意の種族当て、鉄板の掴みだと言うのに、確かにオーガだと当てたのに、彼女は明らかに落胆し、悲しそうですらあったのだ。
ついていてやりたい、と思った。
連れの中にプクリポはおらず、年齢も性別もバラバラだ。
しかもアルウェが言っていたの三日月の紋章のプクリポが自分だと分かり、ますます一緒にいくのは自分だと思っていた。
サーカスをやめ、団長を辞め、町長を退き、彼女について行くつもりだった。
しかしどうにも違和感が付き纏う。
アルウェは自分が旅に出るとは言わなかった。
「旅人さん」とずっと一緒だとも言わなかった。
気軽な独り身のはずが今はプディンがいる。
旅仕度の手が止まった。
案の定、彼女と旅に出る事は無かった。
選ばれたのはラグアスだった。
オレじゃ無かった。
プーポッパン王が亡くなり、王子も自分について行くと言うことに何よりメギストリスを心配していたのは彼女だった。
「幸い僕には政に長けたナブレットという伯父がいます!」
と高らかに告げるラグアスに
「そうなんだ。本当にあの人はなんでも出来るね。
……だったら安心だ。」
そう言ってくれたことを聞いた。
ついでと言ってはなんだがその時にドワーフの旦那がムキーという奇声をあげていたらしいことも聞いた。
ザマアミロ。
そして彼女がラグアスを選んだのではなく、天啓を受けたのだと言うことがオレの支えとなった。
他の仲間を選んだのもその天啓とやらのようだ。
「私ね、初めはナブレットさんが来てくれるものと思っていたんですよ。」
彼女が微笑む。
その時の仲間にプクリポが居なかったというのもあるが、オレが責任を取って町長を辞めると言った時にテンションが上がったらしい。
ただ、フォステイルに出会った時もテンションが上がったと言っていたので単なるプクリポ好きなだけかも知れなかった。
ただラグアスがついてきたのは意外だったらしい。
ラグアスのことは可愛がってくれているが父親を亡くしたばかりの子供をこんな旅路に連れ回すなんてと頗る悩んだそうだ。
そしてオレに国政を押し付けることになったことにも。
彼女の気遣いが嬉しかった。
それに、彼女はオレがいる時によくオルフェアに立ち寄ってくれた。
レベルを上げるのだと言って、自分でも作れるだろうにわざわざオルフェアで大量の料理を買い込みに来た。
スーパースターの衣装を見に身に纏い、
「ナブレットさんはスーパースターだったのですね!見てください、お揃いです!」
と興奮した様子でわざわざ見せに来てくれた。
同じ衣装でも彼女が着ると愛らしく感じられた。
美容院の開業に合わせて多くの染料を集めたと聞いた時はとうとう色気付いたのかと思った。
誰を思ってのことだろう、あの男前のウェディだろうか?
そう思っていたのに彼女が美容院で施術を受けることは無かった。依頼を受けてせっせと集めて渡すだけ。
若い娘だ、そういうことに全く興味がないってえことはないだろう。
オレが聞くとこっそりと話してくれた。
兄がいる。村が滅ぼされた時以来会っていない。
自分が時渡りの術で逃したので必ず生きている。
もし会えた時に元の自分と変えてしまっていたら、気付かないかもしれない。
そんな訳あるか、と思った。
聞けば仲の良い兄妹であり、若干過保護なようでもある。
一緒の冒険に出た際に少し怪我をしただけで毎回ホイミをかけるなんざその最たるものだ。
兄が妹のことを忘れるものか。でも、
「まあアンタはそのまんまでも十分魅力的だからな。会えるまで変えなくても良いんじゃないか。」
本人の意思は尊重したい。それに彼女に変に注目が集まるのも避けたかった。
頬を染めて喜ぶ彼女はやはり可愛らしかった。
冥王ネルゲルを倒したがレンダーシアに渡れるようになるまでには時間がかかるようだった。
いろいろな職業を極め、様々な衣装を身につけ、各国の問題を解消して行く彼女は眩しかった。
急に料理のレシピを集め、材料を揃え出した時は誰に食わせてやる気なのかと焦りを感じたが、それもレンダーシアに行くための準備だと知った時は胸を撫で下ろしたもんだ。
ようやく人心地ついた彼女を休ませてやりたかった。
彼女の休息地として仲間がそれぞれ自身の故郷をあげた。
ウェディの若者は乗り気では無く、エルフの娘っ子は控え目だったが、オーガの娘は同じ種族だからとひどく乗り気だった。
特にラグアスが王子としてメギストリスを強く推したのを応援したかった。
しかしそれをいつの間にかあのドワーフの旦那が掻っ攫ったのだ。
いや、いつの間にかでもないか。
あの男は彼女をいつも目で追っていた。
役に立つことや物や人が嫌いという変人だが実際できるお人だ。
彼女が彼を話題に出すことは多くはなかったが彼の話をする時にはいつも笑っていた。
人を和ませたり、笑わせたりするのが得意な御仁でもあるのだろう。
ちょっと対抗心が湧いたな。
で、その視線にも気づかず、もしくは気付いていてものらりくらりとかわしていたのに相手が直接的な言動を出してきた、と。
彼女の様子を窺う。まだ拗ねているように見える。
彼女も気に入っている様子だったから、“そう”なっちまっても仕方がないと思っていた。
彼女の気持ちを無視して無理強いをすることはないだろう、変人だが彼女をいつも気にかけて、彼女の変化に敏感に反応し、さりげなく手助けをして、大事にしているのは見て取れる。
彼のそんな対応に彼女が無意識に慕っているのは見て取れた。
一応仕方ないと思える程度には仲睦まじかったんだ。
「アンタもあのドワーフの旦那のこと気に入っていただろう?帰ってくるまで待ってやっても良かったんじゃないか。」
奇行はいつものことだし。
「だって、チリちゃんとポツコンが二人でがなんか盛り上がって変なこと言い出すし。」
おや?
「なんかちょっと……ダストンさんが、怖かった、し。」
あーいやーそうかー。見た目と形は大人でもまだまだ子供だな。
参ったぜ。
まだそういうのには慣れてないってなると、オレとしてはどうしたもんか。
「よしわかった、ちょっとそこ座ってくれ。」
メギストリス城の一角に与えられた自室にはふかふかのソファが備え付けられている。
オーガが座っても十分で、さらにプクリポが寝転んでもあまりある大きさだ。
ソファに彼女の体が沈み込む。思ったよりも軋まないのはやはり彼女が見た目通りではないせいかも知れなかった。
「失礼するぜ。」
彼女の膝に自身の頭を乗せる。
きゅ、と彼女の膝に緊張が走るのがわかった。
「どうだ、嫌かい?」
こちらも本当は緊張している。しかしできるだけソレを悟らせないようにいつも通りの軽い口調で言ったつもりだ。
帽子は取った。彼女の目の前には滅多に見せないオレの猫耳が揺れている。
「撫でてくれて良いんだぜ。」
コクリと頷いて恐る恐る触れる彼女の手は遠慮がちながら心地良い。
さらには頭の下の想像よりずっと柔らかい膝と、眼前に広がる彼女の顔と……後はまあ色々と男には刺激が強すぎる光景に目を瞑った。
「ふふ、気持ちいいです。」
それで良い。
彼女を怖がらせたくはない。それに気になる相手に対してもこういうことが出来るのはプクリポの利点であり、役得だからなあ。
男として見てもらえない欠点でもあるけれどな。
安心する、頼りになる、一緒にいると落ち着く、でもドキドキする。
そう思ってもらえるようになるのが肝要だが随分な苦労だ。手間も掛かろうってもんだ。
彼女の柔らかさを堪能している時点でドワーフの旦那よりオレのほうが怖いんだぞと思いつつ、心地よさが勝って、二人はいつしか眠りについた。
メギストリスの衛兵を掻い潜り、ナブレットにあてがわれた部屋に珍客がたどり着くまで後何分?