キメツ学園
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※軽くではありますが寄生されている虫の話が出ます。
※女性に月1で来るやつの話も出ます。
お腹が痛い。薬を飲み忘れた。
軽い時は軽いので大変油断していた。
動けない。
月に一度のお客様はなぜ私を苦しめるのか。
もう部活動している生徒以外は誰もいないし、友達に助けも求められない。
うう、と唸って蹲った私に影が差す。
足元からゆっくりと見上げるとそこにいたのは、射撃部の部活途中であろう玄弥くんだった。
私と玄弥くんの出会いは遡る事小学5年生。
私が家族と共に今の街に引っ越して来た時だった。
そのときたまたま隣に住んでいたのが不死川さんだった。
不死川さんは7人兄弟だ。
一番上の実弥先生はその時大学生で学業とアルバイトに忙しく、自宅には休み以外なかなか帰って来なかった。
2番目の玄弥くんとは同い年で、下の子たちがだいぶ歳が離れて小さく、実弥兄ちゃんが大学に行ってしまったせいもあってか私たちは格好の遊び友達となった。
毎日一緒に学校に行き、一緒に帰り、帰ってからも互いの家を行き来して勉強したり、遊んだりした。
小学校までは、本当に仲が良かった。
小6のGW、いつものように公園で遊んでいた私たちは葉っぱの影に青虫を見つけた。
何匹かいる中で一匹だけあまり動かず、体を震わせていた。
「こいつ、どうしたのかな。」
心配そうに私に尋ねる玄弥くんに私は胸を張って答えたのだ。
「きっとサナギになるんだよ。図鑑で見たもの。」
私たちは来るべきその瞬間をワクワクして待っていた。
しかし、いくら待ってもその瞬間は来なかった。
その震えていた青虫の体を食い破り、たくさんの寄生蜂の子が生まれたからだ。
それを見た私は情けないことに気分が悪くなり、立てなくなってしまった。
「大丈夫か牡丹、しっかりしろ!」
玄弥くんは声をかけながら必死に私を家まで連れ帰ろうとしてくれていた。
しかし私はもう一歩も動けなくなってしまった。
玄弥くんはなんとか私を負ぶって行こうとしたが数歩で力尽きてしまう。
私は玄弥くんを困らせているのが申し訳なくて、自分が情けなくて、涙をポロポロ流してしまった。
それでも私は動けなかった。
「どうした玄弥?……牡丹!」
なかなか帰らない私たちを心配した実弥兄ちゃんが私たちを見つけた。
実弥兄ちゃんはあっという間に私を横抱きにして、家に連れ帰ってくれた。
走っているのに全く揺れないのを不思議に思いつつ、見上げた実弥兄ちゃんは必死な顔をしていた。
あまり似ていないと思っていたけど、やっぱり兄弟なんだなあと思った。
少し休んだらすぐによくなったので大事には至らなかったが、それ以降、玄弥くんはとてもよそよそしくなった。
話しかけても「おう」としか返事しないし、一緒に登下校もしなくなった。
きっと玄弥くんはそんなことくらいで座り込んでしまった私のことが嫌いになってしまったのだろう。
悲しかったけど仕方がなかった。
しばらくして社会科の研究で同じ班になったけれどもこちらを全く見ようともしない。
少し悲しくなって下を向いていたら同じ班の男子の一人がとんでもないことを言い出した。
「何だよ不死川、お前平坂とあんなにべったりフーフみたいに仲良かったくせに、喧嘩でもしたのかよ。」
二人共ばっと顔を上げてその男子を見た。
「そんなんじゃねえよ。」
玄弥くんは顔を真っ赤にして怒っている。
その男子はニヤニヤしながらさらにこう言った。
「不死川おまえ、平坂の事好きなんだろー。」
ガタンと音を立てて玄弥くんが立ち上がる。
顔を真っ赤にして拳を震わせていた。
いけない、私、何か言わなくちゃ。
口を開こうとした時、思わぬ助け舟が飛び込んで来た。
「何を言っているんだ、平坂は優しいし、みんなと仲が良い。おまえも好きだろう?」
「「は?」」
同じ班になった竈門くんだった。
竈門くんは近所でも評判のパン屋さんの息子で、面倒見も良い。
「な、何言ってんだよ竈門、あ、そうかあ、お前、平坂の事好きなのか、将来結婚したいんだろ?」
ああ竈門くんまで何かよく分からないイザコザに巻き込んでしまった。
慌てる私を見ながら竈門くんはにっこりと笑う。
「今はそこまで考えていないよ。でも、将来的には分からないかな。」
その時の私は竈門くんの笑顔にほっとするばかりだったが今にして思えば何という包容力。長男ってすごい。末恐ろしい炭治郎だ。
そういうとこだぞ竈門炭治郎。
今度はそう言われた男子の方が顔を赤くして口を噤んでしまい、そのあとは多少ぎこちないながらも滞りなく社会科研究は終わった。
しかしやはり玄弥くんとはその後も変わりなく、挨拶はするものの話しかけようとしても逃げられ、そのうちに疎遠になり、結局中学の間はずっとまともに話せなかった。
その玄弥くんが私を見下ろしている。
あの頃と同じ私に呆れているんだろうか、怒っているのだろうか。
しばらくして目の前に背中が現れた。
私の方が少し大きかったあの時と違う、大きな背中だ。
私は彼の意図がわからず首を傾げた。
玄弥くんはこちらを見て、「ん。」と言って顎をしゃくる。
乗れ、という事で良いのだろうか。
私の都合に良い解釈だったらと逡巡しつつ、そうっと彼の肩に手を掛ける。
「失礼します。」
そう言って体重をかけると玄弥くんはゆっくりと立ち上がった。
「カバン、取りに行く。」
独り言のように言って揺らさぬようにゆっくりと歩いてくれる。
玄弥くんが話しかけてくれたことが嬉しかった。
教室が近づくにつれて、この背中から離れなければならないことが何だかひどく寂しく感じた。
「ありがとう。」
教室について、私の席に降ろしてくれた玄弥くんにお礼を言う。
玄弥くんはまだ何か言いたげに私を見下ろしていた。
私は彼を安心させようと言葉を絞り出す。
「薬飲んで、ちょっと休んだら大丈夫だと思うから、ごめんね。」
チッと舌打ちをして玄弥くんはそっぽを向く。
「あの時の俺とは違う。」
言ってることが分からず、首を傾げる。
また玄弥くんは舌打ちをして今度は頬を掻いた。
「今度こそ、お前をちゃんと連れて帰る。あー、部活引き上げてくるから、……送ってくから、待ってろ。」
玄弥くんはそれだけ言うと返事も待たずに走って教室を出て行ったた。
チラッとだけ見えた玄弥くんの耳は赤かった。
多分私もそれ以上に赤いだろう。
※女性に月1で来るやつの話も出ます。
お腹が痛い。薬を飲み忘れた。
軽い時は軽いので大変油断していた。
動けない。
月に一度のお客様はなぜ私を苦しめるのか。
もう部活動している生徒以外は誰もいないし、友達に助けも求められない。
うう、と唸って蹲った私に影が差す。
足元からゆっくりと見上げるとそこにいたのは、射撃部の部活途中であろう玄弥くんだった。
私と玄弥くんの出会いは遡る事小学5年生。
私が家族と共に今の街に引っ越して来た時だった。
そのときたまたま隣に住んでいたのが不死川さんだった。
不死川さんは7人兄弟だ。
一番上の実弥先生はその時大学生で学業とアルバイトに忙しく、自宅には休み以外なかなか帰って来なかった。
2番目の玄弥くんとは同い年で、下の子たちがだいぶ歳が離れて小さく、実弥兄ちゃんが大学に行ってしまったせいもあってか私たちは格好の遊び友達となった。
毎日一緒に学校に行き、一緒に帰り、帰ってからも互いの家を行き来して勉強したり、遊んだりした。
小学校までは、本当に仲が良かった。
小6のGW、いつものように公園で遊んでいた私たちは葉っぱの影に青虫を見つけた。
何匹かいる中で一匹だけあまり動かず、体を震わせていた。
「こいつ、どうしたのかな。」
心配そうに私に尋ねる玄弥くんに私は胸を張って答えたのだ。
「きっとサナギになるんだよ。図鑑で見たもの。」
私たちは来るべきその瞬間をワクワクして待っていた。
しかし、いくら待ってもその瞬間は来なかった。
その震えていた青虫の体を食い破り、たくさんの寄生蜂の子が生まれたからだ。
それを見た私は情けないことに気分が悪くなり、立てなくなってしまった。
「大丈夫か牡丹、しっかりしろ!」
玄弥くんは声をかけながら必死に私を家まで連れ帰ろうとしてくれていた。
しかし私はもう一歩も動けなくなってしまった。
玄弥くんはなんとか私を負ぶって行こうとしたが数歩で力尽きてしまう。
私は玄弥くんを困らせているのが申し訳なくて、自分が情けなくて、涙をポロポロ流してしまった。
それでも私は動けなかった。
「どうした玄弥?……牡丹!」
なかなか帰らない私たちを心配した実弥兄ちゃんが私たちを見つけた。
実弥兄ちゃんはあっという間に私を横抱きにして、家に連れ帰ってくれた。
走っているのに全く揺れないのを不思議に思いつつ、見上げた実弥兄ちゃんは必死な顔をしていた。
あまり似ていないと思っていたけど、やっぱり兄弟なんだなあと思った。
少し休んだらすぐによくなったので大事には至らなかったが、それ以降、玄弥くんはとてもよそよそしくなった。
話しかけても「おう」としか返事しないし、一緒に登下校もしなくなった。
きっと玄弥くんはそんなことくらいで座り込んでしまった私のことが嫌いになってしまったのだろう。
悲しかったけど仕方がなかった。
しばらくして社会科の研究で同じ班になったけれどもこちらを全く見ようともしない。
少し悲しくなって下を向いていたら同じ班の男子の一人がとんでもないことを言い出した。
「何だよ不死川、お前平坂とあんなにべったりフーフみたいに仲良かったくせに、喧嘩でもしたのかよ。」
二人共ばっと顔を上げてその男子を見た。
「そんなんじゃねえよ。」
玄弥くんは顔を真っ赤にして怒っている。
その男子はニヤニヤしながらさらにこう言った。
「不死川おまえ、平坂の事好きなんだろー。」
ガタンと音を立てて玄弥くんが立ち上がる。
顔を真っ赤にして拳を震わせていた。
いけない、私、何か言わなくちゃ。
口を開こうとした時、思わぬ助け舟が飛び込んで来た。
「何を言っているんだ、平坂は優しいし、みんなと仲が良い。おまえも好きだろう?」
「「は?」」
同じ班になった竈門くんだった。
竈門くんは近所でも評判のパン屋さんの息子で、面倒見も良い。
「な、何言ってんだよ竈門、あ、そうかあ、お前、平坂の事好きなのか、将来結婚したいんだろ?」
ああ竈門くんまで何かよく分からないイザコザに巻き込んでしまった。
慌てる私を見ながら竈門くんはにっこりと笑う。
「今はそこまで考えていないよ。でも、将来的には分からないかな。」
その時の私は竈門くんの笑顔にほっとするばかりだったが今にして思えば何という包容力。長男ってすごい。末恐ろしい炭治郎だ。
そういうとこだぞ竈門炭治郎。
今度はそう言われた男子の方が顔を赤くして口を噤んでしまい、そのあとは多少ぎこちないながらも滞りなく社会科研究は終わった。
しかしやはり玄弥くんとはその後も変わりなく、挨拶はするものの話しかけようとしても逃げられ、そのうちに疎遠になり、結局中学の間はずっとまともに話せなかった。
その玄弥くんが私を見下ろしている。
あの頃と同じ私に呆れているんだろうか、怒っているのだろうか。
しばらくして目の前に背中が現れた。
私の方が少し大きかったあの時と違う、大きな背中だ。
私は彼の意図がわからず首を傾げた。
玄弥くんはこちらを見て、「ん。」と言って顎をしゃくる。
乗れ、という事で良いのだろうか。
私の都合に良い解釈だったらと逡巡しつつ、そうっと彼の肩に手を掛ける。
「失礼します。」
そう言って体重をかけると玄弥くんはゆっくりと立ち上がった。
「カバン、取りに行く。」
独り言のように言って揺らさぬようにゆっくりと歩いてくれる。
玄弥くんが話しかけてくれたことが嬉しかった。
教室が近づくにつれて、この背中から離れなければならないことが何だかひどく寂しく感じた。
「ありがとう。」
教室について、私の席に降ろしてくれた玄弥くんにお礼を言う。
玄弥くんはまだ何か言いたげに私を見下ろしていた。
私は彼を安心させようと言葉を絞り出す。
「薬飲んで、ちょっと休んだら大丈夫だと思うから、ごめんね。」
チッと舌打ちをして玄弥くんはそっぽを向く。
「あの時の俺とは違う。」
言ってることが分からず、首を傾げる。
また玄弥くんは舌打ちをして今度は頬を掻いた。
「今度こそ、お前をちゃんと連れて帰る。あー、部活引き上げてくるから、……送ってくから、待ってろ。」
玄弥くんはそれだけ言うと返事も待たずに走って教室を出て行ったた。
チラッとだけ見えた玄弥くんの耳は赤かった。
多分私もそれ以上に赤いだろう。