一章
夢小説設定
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土方さんたちのいる小樽の隠れ家へと戻る。
何だか自分の家に帰ってきた錯覚さえ感じる。
「名字と牛山、ただいま戻りました」
迎え出てくれたのは永倉さんだった。
外は寒かっただろうとにこやかに迎えてくれたからふっと肩の力が抜けた。
「そうですね。少し寒かったです。今ご飯作ります」
「すまない」
「家永は、お粥の方がいい?」
「そうしてくれると助かります」
「わかった。牛山、家永を寝かせてあげて」
荷物を置いて台所に立つ。
簡単な料理を作っていると後ろから視線を感じる。
「…?」
包丁を一度置き、振り向くとそこには知らない青年二人がいた。
ここにいると言うことは土方さんの許可を得ている…はずよね。
「あなたたちは?」
聞くに、土方さんたちが行っていた茨戸での刺青人皮騒動で出会った夏太郎と亀蔵という名前のチンピラらしい。
私と状況は違えどあの人に拾ってもらったようなものか。
「そうなの、じゃあ料理の量もう少し増やさないとね」
「手伝いますか?」
「うーん…運ぶときに手伝ってもらえる?」
「はい!」
二人が元気よく返事をする。
こういう子たちは久しく見ていなかったからなんだか楽しい。
「あ、亀蔵くん、先にこのお粥牛山に渡してくれる?」
「わかりました!」
お粥を渡し、再度包丁を握る。
少しすれば料理は完成する。
「こんな感じかな。でもちょっと味が薄いような……」
「名前さん?どうしたんですか?」
「味が薄いような気がするの。少し味見してみてくれる?」
味見皿を丁度きた夏太郎くんに渡す。
彼はそれを口に含み丁度いいと思いますよと答えた。
「そう。ならこれでいいかな。運ぼうか。あっちの話は終わった?」
ちら、と見るとどうやら終わっている様子。
三人で料理を運ぶと、これまた火鉢の近くに知らない顔が。
「土方さん、拾いすぎじゃありませんか」
「自分から拾われに来た奴が何を言う」
と笑う。
……はあ、悪かったですね。別にやきもち妬いてるわけではないんですからいいでしょう。
「青い目のアイヌの男……」
「見たことがあるのか?」
「…いえ、そんな人がいたら忘れないだろうなって思っただけです」
店で働いている頃。
買出しに出た時に一度だけそんな男を見たような気がする。
気のせいかもしれない。
味噌汁をすすって男のことを忘れることにした。
私の勘違いでこの金塊戦争に混乱を起こしてはいけない。
ほんの少しの迷惑も土方さんにはかけたくないから。
何だか自分の家に帰ってきた錯覚さえ感じる。
「名字と牛山、ただいま戻りました」
迎え出てくれたのは永倉さんだった。
外は寒かっただろうとにこやかに迎えてくれたからふっと肩の力が抜けた。
「そうですね。少し寒かったです。今ご飯作ります」
「すまない」
「家永は、お粥の方がいい?」
「そうしてくれると助かります」
「わかった。牛山、家永を寝かせてあげて」
荷物を置いて台所に立つ。
簡単な料理を作っていると後ろから視線を感じる。
「…?」
包丁を一度置き、振り向くとそこには知らない青年二人がいた。
ここにいると言うことは土方さんの許可を得ている…はずよね。
「あなたたちは?」
聞くに、土方さんたちが行っていた茨戸での刺青人皮騒動で出会った夏太郎と亀蔵という名前のチンピラらしい。
私と状況は違えどあの人に拾ってもらったようなものか。
「そうなの、じゃあ料理の量もう少し増やさないとね」
「手伝いますか?」
「うーん…運ぶときに手伝ってもらえる?」
「はい!」
二人が元気よく返事をする。
こういう子たちは久しく見ていなかったからなんだか楽しい。
「あ、亀蔵くん、先にこのお粥牛山に渡してくれる?」
「わかりました!」
お粥を渡し、再度包丁を握る。
少しすれば料理は完成する。
「こんな感じかな。でもちょっと味が薄いような……」
「名前さん?どうしたんですか?」
「味が薄いような気がするの。少し味見してみてくれる?」
味見皿を丁度きた夏太郎くんに渡す。
彼はそれを口に含み丁度いいと思いますよと答えた。
「そう。ならこれでいいかな。運ぼうか。あっちの話は終わった?」
ちら、と見るとどうやら終わっている様子。
三人で料理を運ぶと、これまた火鉢の近くに知らない顔が。
「土方さん、拾いすぎじゃありませんか」
「自分から拾われに来た奴が何を言う」
と笑う。
……はあ、悪かったですね。別にやきもち妬いてるわけではないんですからいいでしょう。
「青い目のアイヌの男……」
「見たことがあるのか?」
「…いえ、そんな人がいたら忘れないだろうなって思っただけです」
店で働いている頃。
買出しに出た時に一度だけそんな男を見たような気がする。
気のせいかもしれない。
味噌汁をすすって男のことを忘れることにした。
私の勘違いでこの金塊戦争に混乱を起こしてはいけない。
ほんの少しの迷惑も土方さんにはかけたくないから。