一章
夢小説設定
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ホテルに帰ると不思議とホテルが冷え切っているように感じた。
「……寝よう。やっぱり今日は場の空気に流されて悪酔いした」
ベッドで眠ることおそらく数分、部屋の戸をドンドンと荒々しく叩かれ目が覚める。
苛立ちながら戸を開けるとそこには知った顔、白石がいた。
「しらっ、は?なに?」
寝ぼけた頭では即座に情報を処理できずに間抜けな声が出る。
「ここの旅館の女将が入れ墨の囚人なんだよ!早くここから出るぞ!」
「…わざわざ私のところに来たの?」
「あぁ?…あんたが死んだら土方歳三がうるさそうだろ。それに綺麗なお姉さんを見殺しになんかできないのね、俺」
この人、根は良い奴なんだろうな。まだ二回しか会ってないけれどそんな気がする。
「じゃあ私は一足先に外に出させてもらうね。ありがとう白石由竹」
少ない荷物を持って外に出る。
外に出てすぐにホテルから煙が上がる。
「……焦げ臭い」
私が呟いたとき、ホテルはド派手に爆散した。
驚きで目を瞑ってしまう。
「……爆……は?」
再度思考が停止する。
玄関から出てきた面々の姿は酷いものだった。
ここは、大きな怪我がなくてよかったと安心するべきか。
「チンポ先生は?まだ出てきてない!」
「チンポ先生?」
「牛山のこと、あれが死ぬとは思えないんだけど……」
ホテルがさらにガラガラと崩れる。
常人だったらまず生きているわけがない。牛山はどうだろうか。
「チンポ先生え~~!!!」
…嫌なことを考えるのはよそう。
だけど、もう私の知っている人が死ぬのは嫌。
牛山、絶対生きてて。私のお父さんのように死なないで。お願いだから。
「はッ、チンポ先生…」
少女がはんぺんを手に取り悲しみの声を漏らす。
悲しんでいるところ悪いけどお嬢ちゃん。それは牛山じゃない。はんぺんだよ。
さて、私はどうしようか。この時間じゃ下手に宿もとれないような気がするけど……。何とかなるか?
結果的に言うとなんとか宿はとれた。
――翌朝、宿を出ると見慣れた背中を見つける。
「牛山!」
「名前生きてたか」
「それは私のセリフ、あの状況でよく生きてたね、さすがは不敗の牛山」
「お前が俺を素直に褒めるとはな」
「なに?貶してほしかった?」
「まさか」
「でしょう?……あ、ねえ牛山、あの女将は?白石があの女将が入れ墨の囚人だって言ってたけれど」
「生きてる。着いてこい」
着いていった先は小さな病院だった。
病院とはいえ場所を借りているだけらしい。
「…生きてる」
「信じてなかったのか?」
「そういうことじゃない、ただすごいなって、そう思っただけ」
眠る家永を見つめながら椅子に座る。
数日後に土方さんたちと再会するらしい。
部屋に置いてあった本のページをめくりながら髪の毛をくくりなおそうとする。なんだか、心なしか髪が少しだけ短くなっているような気がする。
自身の髪を触りながらもう一度家永を見る。
こいつ、妙に毛艶がいいな。
「私の髪、食べたな…?」
「あまりに綺麗な髪だったのでつい」
「お菓子感覚で人の髪を食べないでくれる?次やったら殴るからね」
「ふふふ、覚えておきます」
次は髪全部持っていかれそうだ。
合流したらしばらくの間は永倉さんと一緒の部屋で寝よう。
「……寝よう。やっぱり今日は場の空気に流されて悪酔いした」
ベッドで眠ることおそらく数分、部屋の戸をドンドンと荒々しく叩かれ目が覚める。
苛立ちながら戸を開けるとそこには知った顔、白石がいた。
「しらっ、は?なに?」
寝ぼけた頭では即座に情報を処理できずに間抜けな声が出る。
「ここの旅館の女将が入れ墨の囚人なんだよ!早くここから出るぞ!」
「…わざわざ私のところに来たの?」
「あぁ?…あんたが死んだら土方歳三がうるさそうだろ。それに綺麗なお姉さんを見殺しになんかできないのね、俺」
この人、根は良い奴なんだろうな。まだ二回しか会ってないけれどそんな気がする。
「じゃあ私は一足先に外に出させてもらうね。ありがとう白石由竹」
少ない荷物を持って外に出る。
外に出てすぐにホテルから煙が上がる。
「……焦げ臭い」
私が呟いたとき、ホテルはド派手に爆散した。
驚きで目を瞑ってしまう。
「……爆……は?」
再度思考が停止する。
玄関から出てきた面々の姿は酷いものだった。
ここは、大きな怪我がなくてよかったと安心するべきか。
「チンポ先生は?まだ出てきてない!」
「チンポ先生?」
「牛山のこと、あれが死ぬとは思えないんだけど……」
ホテルがさらにガラガラと崩れる。
常人だったらまず生きているわけがない。牛山はどうだろうか。
「チンポ先生え~~!!!」
…嫌なことを考えるのはよそう。
だけど、もう私の知っている人が死ぬのは嫌。
牛山、絶対生きてて。私のお父さんのように死なないで。お願いだから。
「はッ、チンポ先生…」
少女がはんぺんを手に取り悲しみの声を漏らす。
悲しんでいるところ悪いけどお嬢ちゃん。それは牛山じゃない。はんぺんだよ。
さて、私はどうしようか。この時間じゃ下手に宿もとれないような気がするけど……。何とかなるか?
結果的に言うとなんとか宿はとれた。
――翌朝、宿を出ると見慣れた背中を見つける。
「牛山!」
「名前生きてたか」
「それは私のセリフ、あの状況でよく生きてたね、さすがは不敗の牛山」
「お前が俺を素直に褒めるとはな」
「なに?貶してほしかった?」
「まさか」
「でしょう?……あ、ねえ牛山、あの女将は?白石があの女将が入れ墨の囚人だって言ってたけれど」
「生きてる。着いてこい」
着いていった先は小さな病院だった。
病院とはいえ場所を借りているだけらしい。
「…生きてる」
「信じてなかったのか?」
「そういうことじゃない、ただすごいなって、そう思っただけ」
眠る家永を見つめながら椅子に座る。
数日後に土方さんたちと再会するらしい。
部屋に置いてあった本のページをめくりながら髪の毛をくくりなおそうとする。なんだか、心なしか髪が少しだけ短くなっているような気がする。
自身の髪を触りながらもう一度家永を見る。
こいつ、妙に毛艶がいいな。
「私の髪、食べたな…?」
「あまりに綺麗な髪だったのでつい」
「お菓子感覚で人の髪を食べないでくれる?次やったら殴るからね」
「ふふふ、覚えておきます」
次は髪全部持っていかれそうだ。
合流したらしばらくの間は永倉さんと一緒の部屋で寝よう。