バレンタインデー 智司夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「圭子、今年のバレンタインって、誰かにあげたりすんの?」
「んー、お兄ちゃんくらいかな」
「フフフ、そりゃ楽しみだなー。美和子、お前は?」
いつもと変わらない伊藤家の朝食時。
3兄妹が食卓を囲んで食事を摂っていた。
そんな中、2月に入ると決まって兄である真司からバレンタインデーの話題が振られる。
去年までの私であれば妹の圭子と同じくチョコを渡すのは兄だけだと即答するが……今年は違った。
「……えっと、ね」
思わず口を紡いでしまった。
バレンタインデー
伊藤美和子 、17歳。
特にズバ抜けてイケてる風貌でもなければ、輝かしい功績があるでもない。
敢えて自分の特徴を上げるとするなら……あの軟葉高校で有名な伊藤真司の妹である事くらいかな。
兄と同じ軟高に通っているせいで、あの伊藤の妹見たさにわざわざ見物しに来ては騒ぐ者も少なくなかった。
そんな事があるからなのか、ただのシスコンかわからないけど兄は過保護で結構ウザかったりする。
そしてカナリしつこくて、ねちっこい。
「ねえ、教えてくれたっていいじゃんか。俺はオマエの兄ちゃんなんだからさ?教えてくれよなぁ」
学校から帰って来るなり私の部屋へ入って来たかと思えば、今朝のバレンタインの話の続きが始まった。
今年は違う人にあげると知ったらこれだ。兄のこれは好奇心なんかじゃない。所謂、嫉妬だ。
正直すごーく、面倒くさい。
……本当、着替えもせず学ラン姿のまんまで真剣な顔しちゃってさ。
どうだっていいじゃん、私がどこの誰にチョコあげようとさ。
お兄ちゃんには一切関係ないんだから。
「お兄ちゃんさぁ、京子さんから貰えるんでしょう?だったらそれでいいじゃんか。本当うるさい」
「や、マァそーなんだけどね。それとこれとは別。美和子の兄として心配しとるのだ。妹が変なヤツにやるんじゃないかって。兄心ってやつよ」
口を開けば兄アニあにって……本当、鬱陶しい。
ウンウン1人で頷いては持論に酔っちゃってる、バカな兄だ。
小さい頃はただ頼り甲斐があって良かったんだけど、もう年頃の妹なんだから少なくとも恋愛に関しては放っておいて欲しい。
「そんな言いにくい相手なの?」
「いちいち干渉されるのが嫌なの」
そんなに顔を顰めなくたっていいじゃんか。
「一応聞いておこう。まさかとは思うが、金ちゃんじゃねーだろーな?」
いやいや、違いますけれども……。
「違うよ、金ちゃんは。……兎に角、この話はもうおしまい。はーい、お兄ちゃんは出てってー」
「え、何でだよ!…‥お、おーい!!」
兄の襟首を掴み、半ば……いや、かなり強引に部屋から引き摺り出した。
……もう、放っておいて欲しい。
どうせ相手が誰でも心配するんだから。
1/7ページ
