夢で会えたら3
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「腹が減っては戦ができぬ~♫」
ギュッギュッ
「……。」
「愛情込めて握りましょう~♩」
ギュッギュッ
「あっという間に出来上がり~!!我ながら美しい握り具合だわ。飛影~!!ご飯だよ~って…あれ、居たんだ。」
コテージの様な木製の小さな家の前。
林の中と言えどその家の周りは草木が無く、そこには我こそはと存在感を醸し出す物が一つ。
BBQセット。
網の上では肉や野菜がじゅうじゅうと音を立て食欲をそそる香りを放っていれば、四人がけの簡易テーブルに椅子が備えられている。
そしてその隣で握り飯、異、おにぎりを皿の上一杯に積み上げた愛音。
少年がどこかの木の上で寝ていると思っていた彼女だった為、背後に立っていた彼に一瞬驚き目を丸くすも、すぐに頬が緩む。
「匂いにつられてきたな、この食いしん坊め。」
「……。」
この子ったら。と、てへっと満面の笑みを向ける彼女に、赤い瞳を細める少年。
その瞳には呆れた色が映る。
「世話焼くのが趣味なのか、お前…。」
そう呟きながら椅子に座り、皿の上に置かれたおにぎりを一つ手に取り見つめる。
「焼きたくもなるわよ、成長期の子供が偏食なんて。何でも食べれたらいいってもんじゃないのよ?だからそんなにちいー…」
「一回死んどくか、貴様。」
「剣怖い、向けないで!剣怖いから!!」
剣先を突きつけられ思わず後ずさる。
飛影は鼻でふんっと笑い、手に持つおにぎりにかじりつく。
「……ちゃんとした整備があったら、色々作りたいんだけどね。」
(さすがにキッチンまで持ってこれないしね…)
この世界にお邪魔する様になりすでに10回以上。
こちらに来る度に在中時間が延び、飛影の食事も多々目にする様になった。
もちろん彼女も時間が延びれば空腹を唱える事もある。だからこそちゃんとした物を食べたいのだ。
彼は食べてないわけではない。
食べていてもかなり偏っているのだ、酒が主で、あとは酒のアテになるようなものばかり。まだ10歳かそこらの子供がかなりよろしくない食事内容だ。
これではいけないと、もしかしたらと思い寝る時に縄の先に食材とBBQセットを括り付けその縄を自分の体に巻きつけて寝た彼女。
その様子は酷く間抜けな姿だが、この世界に持ってこられたから結果オーライだ。
パクパクとおにぎりを口にいれていく少年、そして焼かれた肉に野菜も同じ様に食べていく。
美味しいのか次から次へと平らげていく。
稀に見ないがっつきようだ。
「…たりる??」
「十分だ。握り飯だけでもいいくらいだぜ。」
その割には肉も野菜もばくばくと口に入れて行く。
「……。」
「…なんだ?」
「ううん。」
ふるふると首を振る。
だが頬は緩む。
それに気持ち悪い奴だな…と悪態をつく飛影だが愛音は今度はちゃんとした「料理」を作ろうと決意したのだった。
(そんな風に食べてくれたら俄然作る気出てくるじゃない!!)
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