夢で会えたら2
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どうも俺は頭のおかしい女と出会った。
成人していると思われるその女は自分を人間だという…
そして、自分の事を知っているというのだ。
少々の自分の情報くらいならばどこかで漏れていてもおかしくはないだろう。
それなりに血に飢え妖怪を葬ってきた自分。
だが、絶対知りえない事まで知っているには驚いた。
自分に妹が居る事
そしてその妹の名は「雪菜」
己自身も知らない事。
女はそれを言った後「原作変わっちゃわないかなぁ…これって皆とちゃんと出会うのかなぁ…」等と言った側からどこか焦っているようにも見えた。
作り話にしては的を得ている。
自分しかしならない氷河の国での出来事。
ばばぁ達の会話。
ルイが自分を下界に投げ捨てたことまで-…
どうも、この女の世界では自分はある書物の登場人物として名が挙がっているらしい。
信じられないが、そうも言ってられない。
現に、この女は以前自分の前からいきなり消えたのだから…。
…それにしても、力になるとは一体なんだというのか…
ぺらぺらと勝手に話しやがって-…
駆け引きの下手な女だと心底思った。
氷河の国は空を漂流している。
場所など分かるはずもない。
共に探すのなら女は確実に足手まといだ…
なのに-…
「言っちゃった!!!言っちゃった!!!ゆっくり知るはずの事を言っちゃったよ、私。」
今だこんな様子だ。
馬鹿は置いていこうか-…
いや、ここで殺してしまおうか??
「というわけで、よろしくおねがいします!!!飛影!!!!」
へらへら笑みを浮かべ、手を出す女に驚いた。
-…俺は一体こいつらの世界ではどんな妖怪だと記されているのだろうか??
そんな甘い妖怪だと記されているのだろうか。
「あ、敬語じゃなくて、いいよね??飛影より私、だいぶん年上だし。」
にこにこ笑う女。
先程まで恐怖に顔を歪ませ、自分にあれほど怯えていたというのに-…
「勝手にしろ。」
ふんっと顔を背け、伸ばされた手を無視する。
「うん!よろしく!!私愛音!!」
何がよろしくだ。
女は俺の手を掴みブンブンと降る。
「……。」
血で染まった真っ赤な手。
きっと自分の世界に帰ってから手の血に気付き悲鳴を上げるのだろう。
真っ直ぐに己に向ける自分を信用しての笑みがどこか歯がゆい。
そして戸惑うことなく触れた己の手に、その細く華奢な手にどこか酷く頼りなく感じたのは決して錯覚などではない。
女であり人間にこの魔界で生きていくのは酷く難しいのだ。
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