夢で会えたら15
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
さわさわと窓から入る風が寝ている彼女の髪を揺らす
そんな彼女を静かに見据える飛影。
不安気に揺れる赤い瞳。
微かに飛影の口が言葉を発しようと開くも、それは歯を噛み締め終わる。
そっと彼女の手を握る。
何の為に己は強くなろうとするのか。
何の為にこれの側に居たいと思うのか…
居ても守れないなら意味がない。
強さも足りない。
離れた方がこれを守れるのだろうか。
否、すでにここまで関わった以上、離れれば逆効果
それとも、選択肢に入れたくない己の弱さだろうか。
弱くなったと改めて思う。
こんなに昔は弱くなかった。
「愛音…」
女々しい自分に吐き気がする。
昔の盗賊仲間が見たら「腑抜け」と笑うに違いない。
無くしたくないんだ。
これだけは。
温かな体温に心が休まる。
「……。」
赤い瞳がゆるりと開く。
ーーー…
ーーーー…
夢を見たー…
あの子と出会った時の夢。
幼くも可愛い子
自分より酷く大きな真っ黒なマントに身を包み涙を流していた子供
胸元にある氷泪石を見つめながらただ静かに貴方は泣いていた
あの時は殺され掛けたけど
今はもう違う
泣いていた貴方に私は近付いた
「飛影」と呼んで近付いた
ふっくらとしたピンクに染まった頬に潤んだ大きな愛らしい瞳
あぁ、何度見ても可愛いな
初めのあの頃の恐怖が嘘のよう
素直に甘えない貴方を抱きしめる
小さな小さな貴方の体
一瞬震えるもすぐに素直になる子供の貴方
そろそろと背中に手を回してくれる小さな小さな手
愛らしくて
可愛くて
出会った時を思い出せばこんな風に出来るはずもないけれど
それでもどこかで思う
始まりのあの時に今戻れたら私は貴方を抱きしめたいのだと
泣かないで
私がいるよ
ずっとそばにいるから
いたいからー…
もうー…泣いたりしないで
.