夢で会えたら15
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殺してやるつもりだった
「やめろ!飛影!!落ち着け!」
必死に俺を止める幽助に蔵馬。
目の前には馬鹿みたいにベットの上でブルブルと震える人間。それの肩からは赤い鮮血がどくどくと流れている。
たった今俺が刺した傷。
そのまま切り刻んでやるつもりだったのに
「離せ。」
「ばっきゃろ!!離したらおめぇ殺すだろーが!!しかも俺の部屋だぞ!やめてくれ!?!」
「なら外に連れて行く、離せ。」
ギロリと睨めば一瞬青ざめる幽助だが、イヤイヤだめだ!と掴んだ腕を離そうとはしない。
そして、いつの間にか御手洗の傷口の手当てをする蔵馬。
ー…こいつも一緒に殺すか。
「飛影…少し落ち着いてください。彼も被害者なんだ。話を聞けばー…」
「関係ないな、こいつはあいつを殺そうとした。」
「ひぃっ!!」
「飛影、落ち着けって!!」
やれやれと首を振る蔵馬にさらに必死に飛影を止める幽助。
御手洗は真っ青になりながらごめんなさいと何度も飛影に謝りながら震えている。
よほど恐ろしいのだろう。
「とりあえず皆無事なんだ。桑原君が彼女と彼を助けたんだ。彼を殺すなら桑原君に承諾もらってからにしてくれないか?」
「そんなものいらん。」
「…彼女を助けたのが桑原君だと言っている。まだ説明が必要か?君は恩を仇で返すのか?」
「……。」
無言になり眉を寄せる飛影に、分かってくれたかー…と苦笑する蔵馬。
「まず桑原君が起きたらー…」
どか!!
「飛影!?」
「おい起きろ潰れ顔。」
爆睡する桑原を蹴り起そうとする飛影。
「こらこらこらこら!!」
気を抜いていた幽助が再び、止める。
「……。はぁ。」←蔵馬
「頷いたぞ、これでいいな。」
今だ爆睡の桑原が何に頷いたというのだろうか。
振り返り再び剣を御手洗に向けるどや顔の飛影。
「ひぃぃぃ!!」
「はぁ…。」←蔵馬
「こらこらこら飛影!って蔵馬、お前何諦めてんだよ!?」
「死ね。」
「やめろ!飛影!!!それにここは俺の部屋だ~!!!」
「ひぃぃぃぃ!!!」
「はぁ~…」
この室内ではたった一人、桑原だけが、夢の中で幸せであった。
ーー…
ーーー……
数時間前ー…
愛音が意識を無くした直後、なんらかの反動で目覚めた桑原。
驚く御手洗目掛けて、手に作られた霊剣を振り下ろした。
死んでもおかしくなかった。
と桑原は思った。
意識が無くなる直前に何かに揺さぶられた
揺さぶられたのは感覚か
目に見えない何かが内に響いた
諦めるなと
根性見せろと
己を律する言葉が感覚となり伝わった気がした
すぐ側で感じる温かな力に意識が引っ張られたのだ
「さんきゅう。感謝するぜ。」
仲間と御手洗、そして彼女も一緒に担ぐ。
野郎どもと同じですまねぇな、と思いながら帰路に向かう桑原だった。
そして、愛音の帰りが遅い事に痺れを切らせた飛影が邪眼を開き様子を探れば、意識を失った彼女が幽助の家にいるという状況。
慌てた飛影が向かい事情を聞いた所から冒頭に戻る。
ちなみに隣の部屋には彼女が寝ている、のだが。
結局、暴走する飛影に蔵馬が満面の笑みで言った次の台詞にてその場はおさまる。
「愛音さんが今の貴方を見たらさぞ悲しむでしょうね、そしてきっと自分を責めるんでしょうね。」
その瞬間、毛を逆立てていた黒猫は渋々大人しくなり彼女のいる隣の部屋に行ったのだー…。
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