夢で会えたら9
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これは…まさか…
知っている様な気がする…
うん、やっぱり知ってるわ…!!!
仕事帰りにそれを見上げる愛音。
微かな記憶の断片。
異質な洋館。
これは-…
「……。…本当に、禁句(タブー)の家なの?…うそ、まじで??」
はっきりとは覚えていない。
家の作りなんかは本当に適当なもので確信は持てない…だけど…
-…ネットにさえない、飛影の情報。
幽白の漫画さえない世界。
「ここは…」
否。まだ確定ではない。
なぜなら、すべてがおかしいからだ。
自分の住む場所もあれば、環境も同じ。
友人も家族も何もかも同じ…
居場所がある。
住んでる場所だって…
はっとなれば、すぐさまケータイを開く。
考えもしなかった…
気にさえしなかった…
自分のいる住所は以前と同じだ。
だけど-…
検索結果が出る。
隣は「蟲寄市」。
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『飛影…』
………
『飛影…ったら、もう朝だよ。』
…あぁ、あいつがまた来たのか…
今回は、随分と長かった…
「飛影…起きてくだ-…。」
「…愛音か、こっちへこい。」
布団から出る手が無造作に近くの腕を掴む。
そして、引っ張れば自身の上に倒れるそれに…
違和感…
否にごつごつしてる。
「……飛影、俺、そういう趣味無いんですが。」
薔薇の香りが掠めれば呆れた狐の声と共に、布団から顔を出す飛影の表情も一変。
一瞬丸くなった赤い瞳も現実を把握すれば一気に冷める。
「……どけ。」
「あ、ひどい。飛影から引っ張ったのに。」
ふざける様に言う狐に呆れた様に赤い瞳を細めた時だった。
がちゃり…
「さぁさ、朝だわさ!二人とも起き…」
「「……。」」
「………。も、もう少ししたらくるだわさ~。」
がちゃり…
本日、暗黒武術会も無事終わり、帰る日。
朝からぼたんの妄想の対象になったとは言うまでも無い。
「…あはは。誤解されましたね。困ったなぁ…。」
「おまえ楽しんでるだろ。」
いいかげんどけ。と睨み、狐が退くのと同時に身を起こす飛影。
「………また、彼女の夢ですか?」
狐は自身のジャケットの裾を軽く直しながら彼を見下ろす。
「……。」
「貴方も面倒な人ですね。」
呆れた様に苦笑する狐は、飛影の内に住む女性の存在を少なからず知っていた。
もちろん本人と面識はないが。
「……。」
「人間でしょう?」
彼が仲間以外に心を開ける存在がいる事は大いに良いことだ。
家族というものに縁が遠い彼にとって、甘える対象がいる事はとても良い。
だが、人間という生き物が引っ掛かる。
「飛影…人は-…」
「蔵馬。」
赤い瞳が鋭く狐を見据える。
一瞬目を見開く狐…
「…いくぞ。」
マントを身に纏い身を翻す。
まるで聞く気がないといった窓辺に向かう飛影に…
蔵馬は苦笑しながらも、頬をぽりぽりと掻くのだった。
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