夢で会えたら8
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「なんでかなぁ…やっぱり私のせいなのかなぁ…」
それはとある漫画喫茶。
愛音は困ったように眉を寄せ本棚を眺めていた…
****************
漫画の世界から現実世界の夜中に帰ってきたあの日。
色々あり過ぎて疲れた彼女だったが、とりあえずそのまま寝付けるわけもなく風呂に入る。
体につけられた傷、打撲痕…
女の体になんて酷い事を…と思う彼女だったが、本当に飛影が来てくれて助かったのだと改めて感じる。
あのまま彼が来てくれなかったら…と思うと恐ろしい。
だが-…
お風呂に沈みながら思い出す。
自分を責めていた飛影。
負担になりたくないのに、彼には目的もこれからしなければいけないことも沢山あるのに。
己の失態で彼を傷つけたのだ。
嬉しくない訳がない
己の姿を見て怒ってくれた事は本当に嬉しいし少しでも彼にとって意味のある存在になれたことは本当に嬉しいのだ
だけど、だからこそ傷つけたくなかった
支えたいのに
温めてあげたいだけなのに
親の愛情といかなくてもそれに近いものを彼に与えたいのに…
あの時の彼の表情が頭から離れない
あんなにショックを受けるとは思わなかった…
あの時己の脳に微かに映った映像は
赤子が空から投げられた、あの悲しい映像だった
自分を呪った
己の弱さを
未熟さを
まだ妖力も完全に戻ってない彼を危険にもさらしてしまった…
(私、親失格だわ。)
結局時計は現実世界を離れてから数時間しか進んでいなかった。
それはよかった。
だけど次の日からの仕事は困難だった。
事務職な為、前回どこまで何をしたか、何の書類を提出して何を頼まれていたか…
全く覚えていない。
必死に記憶を巻き戻そうとフル回転して夜を過ごした…
そして…
無事仕事も終え
冒頭に戻るののだが-…
「ないわ、やっぱり…。」
次第に青ざめて行く愛音。
以前は確かにあったあの漫画がないのだ。
本屋にもない、中古本もない。
飛影の存在がないのだ。
ホームページで検索しても何の情報もない。
作者は健在。
(…飛影は、もう…いない?)
自分が何かを変えてしまったのではないのだろうか…
自分が影響しているのではないのだろうか。
少しくらいならば己の存在位で変わることなどないと思っていた
飛影の邪眼もそうだった
シナリオ通りだった
違うといえば時期が少し違ったようにも感じたが…
結局は同じ道を辿るのだと思っていた。
(まさか…あの後…!!!!)
自分がこちらに戻ってきてから何かその後、彼の身に何か起こったのかもしれない。
自分が捕まえられなければ決して起こりえなかった出来事が。
「行かなきゃ…」
青くなりつつ、最悪の想像をしながら愛音は呟く。
いかなければ…
彼の元に。
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