夢で会えたら5
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『あの女、連れていくのが不安ならここにしばらく置いていけ。』
時雨が俺にそう言ったー…
『今のおまえは自分一人で精一杯だ。他人を守れまい。死なすのが惜しいなら置いていけ。』
なんでおまえが言う…
そもそもあいつは予告なしに消えて現れる女だ。
しかも絶対俺の側に現れる。
だから、時雨の案にはどう考えても賛同出来ない。
それに…
『なかなかの器量の持ち主だ。家事全般はおろか、なかなか見た目も悪くない。しばらく預かってやるぞ?』
ニヤリと笑う時雨に胸の奥がざわめく。
釈然としない感覚。
それでも分かるのは己が不快に感じていると言う事実だ。
結構だ、とそう言えば時雨はほう…と楽しげに瞳を細めた。
『おまえの優先順位は変わることもあるのか。なら報酬は妹に名を名乗らない、などではなく、あの女を手放すにすればよかったな。』
軽口だと分かっていても不快さは増す。
冗談だ、と笑う時雨。
イライラする感覚
あの女が一体なぜこの男の家の家事全般をするのか
俺のせいか?
俺がここにしばらく留まる為にあいつが働く事を望んだのだろうか。
しかし、それもすぐ分かる。
鍛錬後に眠るのは最近では日常だ。だから知らなかった…
あいつが俺が寝ている間に時雨に剣術を習っていた事など
その条件として家事をしていた等
知ったのはあいつの手に出来た痣。
そして所々剥けた皮を見たときだ。
酷く己の愚かさに苛立った。
邪眼に対応できるだけの力がない今。
酷く体力が奪われる為、睡眠は酷く重要なものとなっていた。
だから、その間に愛音が訓練を受けていることなど気付くわけもなかったのだ。
『…キッチンの使い方が私の世界のと違うから…ちょっと火傷しちゃって。』
火傷では無いこと位明確。
なぜ隠そうとする。
意味の分からない苛立ちはよけいに積もる。
今の俺では守れないのだと…そういうことだろうか。
だが、苛立つ原因は決してそれだけでない。
『…気をつけろ。』
もやもやする感覚。
酷く不愉快だ。
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