夢で会えたら4
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漫画を読んだから知っている-…
『邪眼の移植を頼む…』
彼が時雨にそう頼んだことも
彼が死ぬほどの痛みを追う事も
妹に名乗れなくなることも
妖力が赤子同然になることも
全部知っている
『あなたの妹は人間界にいる』
私はあなたにそう言ったけど
結局は邪眼からは逃れられないんだね、飛影
「……どうした、お前。」
今日は野宿。
火を起こし、その上にかけた鍋に野菜を入れことことと煮ていく愛音。
いつもならペラペラ話しながら料理をしていく彼女だが今日は無言だ。
それに側の草木の上で寝転ぶ飛影は不思議そうに彼女に声をかける。
「別に、何も無い。」
怒っているわけではなさそうだが、些か不機嫌そうだと彼女の表情からそれなりの感情が読み取れるようになった飛影は首を傾げる。
「俺か?」
「……。」
「……(俺か…。)」
無言でぐるぐると鍋の中をかき混ぜる彼女。
首を捻る飛影。
しばらくすれば、愛音が呟く。
「いつ…邪眼の手術するの?」
「……明後日だ。」
見ていたのか…と息をつく飛影。
「うん…。内容まで聞こえなかったけど…私、知ってるからさ。時雨さんと会ってる時点でそうなるんだろうなって思って。」
飛影がちょうど時雨の家から出てきたときにこちらに来た愛音。
内容は聞かなくても知っている。
それしか用事がない。
「どうしておまえがそんなに凹む。」
「…そう、だよね。」
なんでだろう。
原作はこれで良いのだ。
邪眼があるからこそ色んな試練も乗り越え仲間達とも出会ったのかもしれない。
原作通り事が進む事を本当は喜ばしく思わないといけないのに。
なんだか酷く悲しくもなる。
きっと彼がもうすぐ激痛を伴うとわかっているからだろう
「…時雨さんの所でしばらく滞在するんだよね?」
「まさか。手術後はすぐに退院だ。」
「……。」
時雨は引き止める。
患者にすぐ死なれては困ると…
彼に剣術までも教える。
「…私も-…」
「??」
「明後日、私も着いて行くからね!!」
意気込んで言う愛音に飛影は一瞬目を大きく見開くもすぐに呆れた様に目を細めれば「うざい女だ。」と呟くのだった。
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