Another world 8
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頭が真っ白になったんだ
彼女が八つ手に腕を食いちぎられた瞬間
否、あいつが彼女目掛けて飛び出した瞬間…
油断していた、わけではないが…
飛影とのコンビネーションであの時やれると確信していたのは事実。
過信だった
迂闊すぎた
まさか最後のあがきで、命を取り留め彼女を喰らおうとするとは…
その後の八つ手の様子など皆無だ
ただ、あの瞬間彼女を助けることしか頭になかった
苦しむ八つ手に対しての疑問や違和感など、あの時の俺の頭には一切なかった。
ただ、空を死なせない。
それだけだった。
事実、ショック死してもおかしくなかった。
青白くなって血の気のなくなって行く体にただただ必死に治療をした。
神経を、皮膚を、血液を…
蔵馬の知識を最大限に使った。魔界の植物をまだ呼び出せない俺では人間界の植物を使うしかなかった。
しかも短時間での治療。
跡は確実に残る。
副作用が出る可能性もある。
出来る限りの治療、手術を施した。
彼女の目が覚めるまで、心臓が動いていても安心なんかできなかった。
このまま、目を覚まさないのではないかとどれだけ不安になったか。
どうやら俺は人間界に来てから、今まで触れようとしなかった沢山のものに触れすぎたらしい。
母親…家族というもの…
そして、……
空は、なんだろう。
大切だと思う。死なせたくなかった、絶対。
だが、友人という響きはしっくりこない。
妹??…うん、違うな…
好きな女?いや、好みではない。
……一番近いのは、理解者?だろうか。唯一、素でいれる相手。気兼ねなく、感情を表に出せる相手。
……無くしたくないほど?
わからない。
空の事はわからないが、深く考える必要もないのだろう。
ただ、大切だということ。
母と同じように。
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