Another world 1
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私は「ここ」で生まれた時から記憶があった-…
私は確かにどこかで生きていた
確かに「現実」で「生活」をして存在していた
それなりに年を重ねそれなりに人生を楽しんでいた-…
両親の顔だって覚えている。
友達の顔だって-…。
だけど日毎その記憶は曖昧なものとなってくる。
まるで今の私には必要ないものだと、言っているように-…
それでも決して消えるわけではない。
ここに染まれるわけでもなかった。
染まればそれこそこの世界で一から何も疑わす何も知らず生きていけるというのに。
だから今のこの状況が夢ではなかろうかと…今でも思う。
「秀一、空ちゃんよ。可愛いでしょう?」
毎度の事、眠気に襲われていた私はこの世界の母親に抱かれながらも虚ろにその声の方へ顔を向ける。
そこには優しそうな女性と、彼女の手に繋がれた男の子の姿。
身を屈める母親は「こんにちわ」と私の手をとり小さく男の子に振る。
それにさも不思議そうにこちらを見つめる翡翠の瞳。
小さな手がふりふりと動けばそれをじっと目で追う。
(…どう考えても、この目の色といい、髪の色といい…)
幼くとも見るからに整った顔立ち。
そして付け足した様々な特徴…
そして-…
「南野さんがお隣さんで嬉しいです。引越しなんて始めて…よかったわ。」
そう、少年の名は南野秀一。
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