Another world 6
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それはまるで古びた映画の
一コマの様に
白黒の映像で
ジジジと音が鳴りながら画像が乱れながらも
しっかりと映るー…
沢山の着物を来た人たちの顔
無表情なそれらは
私を見下ろすー…
私は動かない
動けない
動いてはいけない
ただそれだけは分かっていたー…
そして、場面が変わるー…
視界に映るのは恐ろしい程の一色の世界
赤
赤
そして、黒ー…
誰かが叫んでる
「ーー…!!!」
悲痛な叫びは届かない
掻き消されるー…
見えないのになぜ誰かが叫ぶ様が分かるのかー…
見えないのに感じるー…
怖い?
悲しい?
憎い?
これは何?
あぁ、体が落ちていくー…
落ちて落ちてー…
底に付けばもう眠りたいのに
また誰かに引き上げられるんだ
本当の意味の安眠は訪れない
私はいつも引き上げられる
「空?」
赤毛の少年が教室の机で寝ていた少女の、まだ覚醒し切れていない顔を覗きこんだ。
「…秀一、くん。」
「お待たせ、委員会終わったから帰ろう?」
ニッコリと笑う少年の顔を虚ろな瞳で見上げる少女。
いつも引き上げられる
優しくも残酷な世界に。
「…うん、帰ろう。」
次こそはー…
そう、少女はただ願いを込め微かに笑った。
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