Another world 5
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「蔵馬ならなんとかしてくれると思ったから、でも秀一君逃げるし蔵馬の力はまだ無理なんだと思ったから諦めたの、だから突き放したの、巻き込んだら悪いなぁって。笑ったのは…うーん、今までありがとう??」
「………。」
「あ、納得いってないわね?嘘じゃないよ??あと、あのままじゃ逃げ切れるか正直微妙だったし、私の体力じゃあそこが限界でもあったし。」
「……死にたかったの?」
「まさか。生きたいよ、ものすっごく!!」
ぶんぶんと頭を振り意気込んで言う彼女に秀一ははぁと息を着く。
いまいち腑に落ちない。
人間、あんな状況で死を目の前に足掻く事もなく、笑えるか?
そして、ふと過るー…
ー…試した?
何を??
一瞬脳裏に過るそれに確実な答えはない。
普段からアレが見えているならば、そして死を望むなら自分がいない時に試したって良いだろう
自分がいる時にわざわざアレを呼んだのは蔵馬の力を見たかったからか??
否、そんな簡単な理由ならば、蔵馬の力が出せないと逃げた時、もっと必死になるはずだ。死にたいわけじゃないのだから…
諦めたから突き放した?
お礼で笑った?
巻き込みたくないと?それだけか??
何かが引っかかるー…
「……怒ってるよね、ごめんなさい。秀一君、もう二度とあんな真似しないから。」
「うん。…目が合うだけで刺激することにもなるから気をつけて。ただー…」
そうもう一点。
一番気になることがある。
「どうしてアイツは君を襲わずやめたんだろう…心当たりはないって言ってたよね。」
「うん、全くない。」
うんうんと頷く彼女をしっかりと見つめる。
彼女の若干翳った瞳に翡翠が微かに細くなる。
ー…本当か??
確かに襲われた後、号泣した彼女を見て酷く怖がっていた事は分かったが…
何かがある、この子に。
対した興味はない。
隣に住む幼馴染の女の子。
それだけだったはずだったー…
だがー…
やはり俺は秀一といえど蔵馬か。
欲望に忠実な悪霊が喰らうのを躊躇する理由。
それは確実に蔵馬の探究心だけではなく秀一自身の興味を煽るものであった。
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