Another world 5
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赤ん坊の頃から知っている彼女は転生人だ。
初めは半信半疑。
それでも自分に危害を加えるつもりもなければ面倒を押し付ける様子もない彼女にまぁいい、位の気持ちで放っておいた。
他人に対した興味もなければそんな特異な生を持つ人間がいてもおかしくないだろう、位のものだ。
蔵馬だけの人格なら興味も出たかもしれないが、南野秀一の人格もあるのか、とりあえず今を平穏に過ごせたら良かった、もちろん蔵馬の妖力が戻るまでの間だが。
空は決して子供らしくない子供だ。
それは過去の記憶を持つ故に、第二の人生である今を冷静に見て行動しているからだ。
クラスでも浮いてはいる。
まぁ自分も決して馴染んでいるとは言い難いが、それでも馬鹿な振りをする事は多々あった。
もちろん彼女もそれ相当の振りはするが、面倒事には自ら飛び込む様な真似はしない。
大人びた子供。
周りの彼女への評価はそんな程度だった。
自分は彼女の境遇を知ってる為、鼻から子供扱いはしていないが。
それでも転生人という以外では他と変わりないただの人間だと思っていた。
そうこの時まではー……
今にも空に喰らい付きそうな女の動きが止まった…
空の目を間近で見たその姿で。
異様な光景だった。
喰われる寸前、憑かれる寸前…
その一瞬に女は躊躇した。
女の歪み切った顔は見る見る内に元の無表情に戻っていく。
対して空はただ固まって女を見上げるのみ。
そして、女はゆっくりと背を向け元来た道を歩き出したのだ。
なんだ、これは…
こんなの見たことがない。
「っ…空!!大丈夫か!?」
自分としたことがありえない光景に放心していた。
彼女の側に行き彼女の顔を覗きこめば、彼女もはっと気が付き次の瞬間くしゃりと顔が歪む…
「こ、こわかったぁ~…」
うわぁんと泣き出す彼女にこちらが驚く。
自分を突き放した行動
己に向けた謎の微笑み
そして今の彼女の様子
どういうことだ??
「……なんで突き放した?」
「うぅ、待って…怖すぎてまだ震えが止まらない、やっぱり直視は怖すぎたよ~うぅ~」
「……なんで、笑ったの?」
まるで身を投げ出した様に見えた、そして笑うその姿はただただ意味が分からなかった。
「待ってって言ってるでしょ~、やっぱりいつもみたいに見ない振りしなければよかったぁ、うぅっうぅっ」
「……空。後で家に来て。」
いつもみたいに見ない振りしなければよかっただと?
自分がいたから見たのだろうか。だとしたら蔵馬の力をあてにして大丈夫だと思ったから?
突き放したのは蔵馬の力が使えないと分かったからだろうか。
なぜ、笑ったのか…
そして
なぜ、あいつは帰って行った??
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