- Everlasting scar - 永遠の傷跡
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- Everlasting scar Ⅶ -
結局秀一の心配は杞憂に終わった-…
安全だと分かれば彼女はよく自分をプールに誘うようにもなった-…
少しでも距離を縮めたかった自分には嬉しい誘いではある。
だがあそこは学校の敷地内であり、夜中は時間外。何よりも無断入水は見つかれば厄介だ。
それでも、彼女との時間を少しでも過ごせるならば多少の邪魔など蹴散らせばいい。そう彼は思っていた。
「そろそろ上がったら??風邪引くよ??」
水に入ってから一時間。
手を伸ばす彼女を引き上げれば、バスタオルを渡す。
「ありがとう、秀ちゃん。あぁ、気持ちよかったわ、今日のストレス発散終了!!!」
ストレス発散の為にも彼女は水に浸かりたいらしい。
「ちょっとシャワー浴びてくるね。」
髪留めを取れば彼女の水の含んだ長い髪が白い肌に掛かる。
うなじを流れる水滴-…
潤んだ瞳で見上げられれば、動悸がする。
「……。」
「秀ちゃん、どうかした??」
何も言わない自分の顔を覗き込む栄子。
なぜ、何度もこんな夜中に誰も居ない場所でそんな姿で君は無防備でいられるのだろうか。
慣れることなどしないのだ。
日に日に追い込まれていく感覚がする。
-…触れたい
抱きしめたい-…
無垢なきょとんとした表情。
水着姿とはいえ目を閉じれば安易にその下など想像できる。
こんな事位で、欲情するなどらしくない。
「秀ちゃん??」
心配そうに眉を寄せる彼女の手がふいに頬に触れる。
……あつい。
「どうしたの?本当に変だよ??何か言って??」
揺れる彼女の瞳と目が合う。
水面の光が彼女の瞳に映る-…
ゆらゆら-…
ゆらゆら-…
「しゅうちゃ-…」
言葉を発するそれを押し込んだ。
濡れた髪が頬に触れ冷たく感じる。
ゆらゆら-…
ゆらゆら-…
目を見開き固まる彼女にもう一度、優しく触れた-…
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