- Everlasting scar - 永遠の傷跡
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
- Everlasting scar Ⅵ -
波の音が聞こえるー…
同時に啜り泣く声。
それは、よく知る女の子の声ー…
薄く開いた虚ろな視界に入るのはやはりよく知る少女の姿
『秀ちゃん!?よかった、よかったぁ~!!』
大きな愛らしい瞳がさらに大きく見開けば大粒の涙がボロボロとながれ、砂浜で寝そべる自分を力強く抱きしめる。
頭にぼんやりと霧が掛かるも、鼻を刺す鉄に似た香りと間近の視界にはいる赤に秀一は覚醒する。
自分を力強く抱きしめ『生きててよかった!!』と何度も呟く少女の肩から流れる血液。
彼女の背中に手を回せばぬるりと滑る生暖かい液体が絡みつく。
砂浜に続く血痕。
『あ、大丈夫だよ。私は。ちょっと流れてた大木にぶつかって。』
笑う少女の顔はよく見れば青ざめ微かに震えている。
微かに彼女の傷口から感じる第三者の妖気。
これはー…
なんだ?
『しゅうちゃん、溺れたんだよ?覚えてないの?まだちっちゃいんだから深い所いっちゃだめだよ?』
霧掛かる記憶が開いていけば真実がどうであれ、秀一の翡翠は目の前の光景から逸らす事など出来なかった。
疼く感情-…
酷い憤りに安堵
そして初めて抱いたそれは-…
今まで感じた事のないものだった。
『もう私から離れないでね。』
儚げに微笑む少女。
心臓が抉られる様な錯覚を起こすその感情は決して心地良いものではなかった-…
.